私の担当講義について


 2012年度に、私が担当する講義に関する情報を提供致します。過年度分については、こちらをご覧下さい。

研究会(ゼミ)(三田キャンパス)

入ゼミ選考について
詳細は、研究会(ゼミ)についてをご覧下さい。

講義要綱
 本研究会は、財政金融政策をはじめとする経済政策を政治経済学的に考える力を養うことを目的とします。主に社会保障政策、税制改革、地方分権改革、地域経済活性化策、公共投資政策、国債管理政策、量的金融緩和政策を対象に、政治の影響を考慮しつつ経済学的にどう分析できるかに取り組みます。特に、最近では、経済学的に専門性が高い政策課題に直面し、高度の政治的な意思決定を伴う局面が多く、それらを理解する上でも経済学的な素養が必要となってきています。
 ちなみに、近年における経済学の潮流の中で、「政治経済学(political economy)」が台頭しています。これは、従来の政治の経済分析であった公共選択論の成果を取り入れつつも、主に次のような点でそれとは異なる特徴があります。まず、政治活動を行う主体は、標準的なミクロ経済学やゲーム理論で想定している効用や利潤や利得を最大化することを前提に、その行動を分析することです。また、現実の政治現象を、政治過程にかかわる主体に内在する要因(目的や選好)よりも、政治過程を取り巻く制度に伴う要因で説明する志向が強いことです。例えば、政治家が既得権益を維持しようとするのは、政治家が予算やレントを追求する目的(関数)を持っていたり、そうした選好が強かったりするという要因より、自らの効用や利得を最大化するという意味で合理的な政治家に、既得権益を維持するインセンティブ(誘因)を生む現行制度(予算配分の権限や決め方など)が与えられているという要因を強調します。
 本ゼミでは、春学期には、ゼミ員の関心に沿った文献を輪読し、3年生が発表してそれに対し4年生が代表して質問しながら、皆でディスカッションをして理解を深める予定です。夏休みから秋学期にかけては、昨年度までと同様、三田祭論文や卒業論文を執筆し、その進捗報告・指導を行うとともに、他大学とのインゼミなどの準備を行います。
 分析手法は、ミクロ経済学、マクロ経済学、計量経済学を中心に使います。ただ、最近の経済政策は現行の財政金融制度の理解も不可欠なので、制度を解説した文献を通じて理解を深めてゆく予定です。より詳細については、最初の授業で説明します。
 経済分析に不慣れな3年生を中心に、サブゼミを別途開き、下記参考書を教材としながら基礎的な能力を養います。
 春学期では、教科書等を用いて経済政策を政治経済学的に分析する基礎を身につけ、秋学期では、より高度で現実的な問題を取り上げて具体的な調査・分析作業を進め、論文を作成することを予定しています。
 また、4年生は、春学期・秋学期を通じて卒業論文執筆のために必要な指導を行います。
 現実の経済政策について高い関心を持ち、経済学の理論を駆使してそれらを説明したいという強い意欲のある学生を歓迎します。専門的な文献が英文でしか得られない場合があるため、英文を読むことに抵抗を感じない学生の参加を望みます。

教科書
 研究会の進行に合わせて紹介します。

参考書
 土居丈朗『入門|公共経済学』, 日本評論社, 2002年.

を予定しています。

経済政策論a(春学期・三田キャンパス)

講義要綱
 経済政策論aは、経済政策を分析・評価するのに資する経済学の基礎を習得することを目指す。経済政策は、市場の失敗の是正、経済格差の是正、マクロ経済の安定化などを実現するために講じられる。こうした経済政策の必要性を経済学に基づき論じ、具体的事例を交えて講義する。経済政策aでは、ミクロ経済学的視点から経済政策を取り上げる。
 講義では、経済政策に関連した経済学の理論だけでなく、現行制度の理解も深める。この講義で取り上げるそれぞれの政策について、現行制度と経済理論をバランスよく理解を深められるように講義を進める。適宜、政府の会議等で公表された資料も紹介する。
 成績評価は、期末試験(100%)のみで行う。
 主な講義内容は、以下の通りである。
 1.経済政策の必要性
 2.公共財と政策
 3.情報の非対称性と政策
 4.独占・寡占と政策
 5.経済政策の具体的事例

教科書
 土居丈朗『入門公共経済学』日本評論社.(一部の章を使用)

教科書
 土居丈朗編著『日本の財政をどう立て直すか』, 日本経済新聞出版社.
 Doi, T. and T. Ihori, "The Public Sector in Japan", Edward Elgar Publishing.
 その他参考文献は、講義中に適宜指示する。

経済政策論b(秋学期・三田キャンパス)

講義要綱
 経済政策論bは、経済政策論aに引き続き、経済政策を分析・評価するのに資する経済学の基礎を習得することを目指す。経済政策は、市場の失敗の是正、経済格差の是正、マクロ経済の安定化などを実現するために講じられる。こうした経済政策の必要性を経済学に基づき論じ、具体的事例を交えて講義する。経済政策論bでは、マクロ経済学的視点から経済政策を取り上げる。
 講義では、経済政策に関連した経済学の理論だけでなく、現行制度の理解も深める。この講義で取り上げるそれぞれの政策について、現行制度と経済理論をバランスよく理解を深められるように講義を進める。適宜、政府の会議等で公表された資料も紹介する。
 成績評価は、期末試験(100%)のみで行う。
 主な講義内容は、以下の通りである。ただし、経済政策論aを受講していることが望ましい。
 1.マクロ経済学における経済政策
 2.ニューケインジアンの経済理論と政策
 3.財政金融政策のあり方
 4.中央銀行の独立性
 5.財政の持続可能性
 6.経済政策の具体的事例

教科書
 土居丈朗『入門公共経済学』日本評論社.(一部の章を使用)

教科書
 土居丈朗編著『日本の財政をどう立て直すか』, 日本経済新聞出版社.
 Doi, T. and T. Ihori, "The Public Sector in Japan", Edward Elgar Publishing.
 その他参考文献は、講義中に適宜指示する。


企業金融論a(春学期・三田キャンパス):みずほ証券株式会社寄附講座
池尾和人教授と共担

講義要綱
 この講義は、強い学習意欲をもった者のみに受講を認める。すなわち、受講者には、講義への参加とともに、積極的に自習を行うことを求める。具体的には、企業金融論の最も標準的なテキストである Brealey, Myers & Allen, "Principles of Corporate Finance"の邦訳を指定教科書とし、その内容を講義の予習復習として自習することを受講の条件とする。
 ファイナンスは、@企業金融論とA資産価格論(投資理論)の2本柱から構成される。本講義は、もちろん前者を中心とする。なお一方、本年度の特殊科目「ファイナンス入門a,b」は、後者を中心に講述される予定である。企業金融論の場合には、理論と実践のバランスがとりわけ重要である。そのために、講義では、実務経験の豊富な外部講師に多くを担当してもらう。ただし、その場合でも、理論的な整合性等には最大限の配慮を払うように依頼し、同一者に1回限りではなく2〜3回の講義を担当してもらうことで、できるだけ体系的な説明がなされるようにする。
 成績の評価は、春学期終了時に試験を実施し、その得点による。出席点は特に考慮しない。試験の出題範囲は、講義中に述べられたもののみならず、指定テキストの内容も含むものとする。
 企業金融論(ファイナンス)の基礎知識は、財務や経理の分野で職を得ようとする者のみにとどまらず、現代の社会に生きるすべての者にとって、いまや必要不可欠なものとなっている。その意味では、企業金融論は、就職を控えた経済学部の4年生は全員履修してもおかしくない科目である。
 しかし同時に、企業金融論の内容を十全に修得するためには、かなりの学習量を必要とする。漫然と授業に出ているだけで、知識と考え方が身につくことはない。それゆえ、既述のように、受講生にはしっかりとテキストの自習を行い、ファイナンス理論の理解を深めるように十分に努力することが求められる。
 この意味で、真に学習意欲の高い学生でなければ、本講義から十分な成果を得ることは難しいといえる。

教科書
 リチャード・ブリーリー,スチュワート・マイヤーズ,フランクリン・アレン『コーポレート・ファイナンス(第8版)<上>』日経BP社.

参考書
 砂川伸幸・川北英隆・杉浦秀徳『日本企業のコーポレートファイナンス』日本経済新聞出版社.


企業金融論b(秋学期・三田キャンパス):みずほ証券株式会社寄附講座
池尾和人教授と共担

講義要綱
 この講義は、強い学習意欲をもった者のみに受講を認める。すなわち、受講者には、講義への参加とともに、積極的に自習を行うことを求める。具体的には、企業金融論の最も標準的なテキストである Brealey, Myers & Allen, "Principles of Corporate Finance&qout; の邦訳を指定教科書とし、その内容を講義の予習復習として自習することを受講の条件とする。
 ファイナンスは、@企業金融論とA資産価格論(投資理論)の2本柱から構成される。本講義は、もちろん前者を中心とする。なお一方、本年度の特殊科目「ファイナンス入門a,b」は、後者を中心に講述される予定である。企業金融論の場合には、理論と実践のバランスがとりわけ重要である。そのために、講義では、実務経験の豊富な外部講師に多くを担当してもらう。ただし、その場合でも、理論的な整合性等には最大限の配慮を払うように依頼し、同一者に1回限りではなく2〜3回の講義を担当してもらうことで、できるだけ体系的な説明がなされるようにする。

 成績の評価は、秋学期終了時に試験を実施し、その得点による。出席点は特に考慮しない。試験の出題範囲は、講義中に述べられたもののみならず、指定テキストの内容も含むものとする。
 企業金融論(ファイナンス)の基礎知識は、財務や経理の分野で職を得ようとする者のみにとどまらず、現代の社会に生きるすべての者にとって、いまや必要不可欠なものとなっている。その意味では、企業金融論は、就職を控えた経済学部の4年生は全員履修してもおかしくない科目である。
 しかし同時に、企業金融論の内容を十全に修得するためには、かなりの学習量を必要とする。漫然と授業に出ているだけで、知識と考え方が身につくことはない。それゆえ、既述のように、受講生にはしっかりとテキストの自習を行い、ファイナンス理論の理解を深めるように十分に努力することが求められる。
 この意味で、真に学習意欲の高い学生でなければ、本講義から十分な成果を得ることは難しいといえる。

教科書
 リチャード・ブリーリー,スチュワート・マイヤーズ,フランクリン・アレン『コーポレート・ファイナンス(第8版)<下>』日経BP社.

参考書
 砂川伸幸・川北英隆・杉浦秀徳『日本企業のコーポレートファイナンス』日本経済新聞出版社.


大学院・財政論演習(三田キャンパス)
寺井公子教授・別所俊一郎准教授と共担

講義要綱
 税制・社会保障制度等が与える家計の消費行動に関する学術論文、または法人税の転嫁と帰着に関する学術論文の執筆を目指して、必要な文献を講読し、議論する。論文執筆を念頭に置くため、ミクロ経済学、マクロ経済学、計量経済学に関する大学院初級以上の基礎的な知識を持ち、論文執筆が可能な分析能力を持っていることを前提とする。履修者には、各学期末までにterm paperの提出を義務づける。

参考書
 Doi, T. and T. Ihori, "The Public Sector in Japan", Edward Elgar Publishing.

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