前回は連続する子音の発音を練習しました。今回は連続する2つの子音のうち,注意すべきものを勉強します。まず次の単語を下線部に注目して発音してみてください。
Tanz, abseits,
bereits, nachts, nichts,
abends, zusehends, eilends,
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eins, Hans, ins,
als, damals, Hals
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実はここで下線が引かれている部分は,つづりこそ違え,みんな同じ「ツ」の音が含まれているのです。zが「ツ」の発音であることはみなさんおわかりでしょう。実は「ツ」の音は,舌先が破裂音tを発音して歯茎から離れ,すぐに同じ位置で狭めを作り摩擦音sを発音するという連続子音なのです。ですからつづりが-ts-の時この発音となるのは当然ですね。さらにdも語末ではtの音ですから,-ds-も「ツ」と発音されます。
それでは-ns-がどうして「ツ」を含むのでしょう。それは,nを発音した舌先が続いてsを発音するために歯茎から離れるときにtの音が発生するからです(わたり音のt)。このtと次のsが連続して,結果として「ツ」の音が生じるのです。したがって,einsは「アインツ」,Hansは「ハンツ」のように聞こえるはずです。
また-ls-も同様で,英語よりもべったりと歯茎についたlの舌先が離れるときにtの音が生じ,sと結びついて「ツ」の音になります。alsは「アルツ」,Halsは「ハルツ」に近く聞こえます。この点に気を付けると,あなたのドイツ語が一層ドイツ語らしくなりますよ。
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