〜 第7回 発音は「かたまり」ごとに! 〜

 
 

 

♪ 文を発音しよう ♪
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 まず最初に学ぶのは,ドイツ語ではアクセントのある音節を核としたひとかたまりごとに発音される,ということです。次の例を見てください。

 これはmit/dem/Au/to と4音節からなる句ですが,AutoのAu-という二重母音を中核とする一かたまりとして認識され発音されます。もちろんこれは「車で」という意味の一かたまりでもあります。話者の意識の中心は「車」(「で?」→「車で」)にありますから,句全体ではAutoに(そしてその中の音節Auに)アクセントが置かれることになります。この時に注意しなければならないのは,mit demの部分はAuに比べてすばやく軽めに発音されるということです。つまり,mit/dem/Au/toの各音節は等時間で発音してはならず,Auのみが強くゆっくり目に発音されるということです。すべての音節に同じ時間をかけて発音するとドイツ語らしく聞こえず,スペイン語のような響きになってしまいます。
 この句の場合,意識の中心は「どこへ?」→「へ」にあることから,in/die/StadtのアクセントはStadtの-a-にあることはもうおわかりでしょう。これも3つの各音節をベタベタと発音しないで,Sta-の部分に意識を集中してスパッと決めましょう。
 さて,これらの句を主語・動詞と組み合わせると,例えば
という文ができますが,この文を発音するときにはErfährt/ mitdemAuto/ indieStadt.と3単位からなることを意識し,単位間でちょっと「間」(Pauseパウゼ,ポーズ)を置きましょう。
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  さて,この文はEinHund/ liefindieKüche/ undstahldemKoch/ einEi.と4単位からなります。ここで注意していただきたいのは,各単位(かたまり)の音節数は異なっていても,それぞれおよそ等時間で発音されるということです。図示すると次のようになります。

EinHund/
|-----------------------------|
liefindieche/
|-----------------------------|
undstahldemKoch/
|-----------------------------|
einEi.
|-----------------------------|

 このように,ドイツ語ではアクセントを中心とする1単位がほぼ等時間で積み重ねられ,文が組み立てられるのです。従って,undstahldemKoch/に比べてeinEi.はずっとゆっくりと発音されることがわかりますね。(ポーズに位置については,次回以降詳しく勉強していきます。)

 

♪ 発音クリニック ♪
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 今回はÜの音を練習します。この音は前回練習したÖに似て, Uの唇の丸みとIの舌の高さを併せ持った音です。まずこの音を長く伸ばして発音してみましょう。

 うまくいかないときは,Iを長く伸ばして発音しながら唇を丸めていってみてください。

 うまくいきましたか。この音のポイントは,唇が必ずUの丸唇になっていることです。唇を思いきり前に突き出すつもりで発音してください。前回と同様,確認には鏡を使ってくださいね。それでは,Uの丸唇がキープできているかどうか試すために,UとÜを交互に発音しましょう。

üüüüüüüüüüüü
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii → üüüüüüüü
uü uü uü uü

 それでは最後にこの音の含まれている単語で練習して,今回のレッスンを終わりましょう。

語頭:
übel, üben, über, übrig, Übung, üppig
語中:
Düse, Güter, Schüler, Tücher, vorüber, Züge, nützen, Düsseldorf, fürchten, Hütte, jünger, kümmern, tüchtig

 

 

 
 
 
 

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