マルクス経済学 II(2017年度)

学習のための課題と論述ポイント
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  1. 課題の出題と目的,注意事項はこちらを見てください
  2. 提出期限後に論じられるべき重要ポイントを掲載します。
    これらのポイントを基礎に,テキストやノートを参考にして自分なりの文章にまとめてなおして下さい。
  3. レポートの提出は義務ではありません。あくまでも自発的な学習の手助けとなるものです。
    ただし,レポートの内容に応じて定期試験の点数に加算します。
    過去の評価基準についてはWhat's Oldを見てください。
  4. 言うまでもないことですが,課題の「説明しなさい」や「論じなさい」という要求は,主語と述語によって構成された文章によって明確に答えなさい,という意味です。したがって,語句を箇条書きにしただけのレポート(特に講義資料を丸写ししただけのようなもの)は,課題の要求に応えていないため,定期試験の加算対象にはなりません。また,内容の区切りごとに段落を入れるのも日本語として当然のことです。

[レポート提出方法]

課題レポートは,下記の1〜6に記された方法でEメールで送ってください。下記の方法以外で送られた場合,提出は無効です。
*提出無効リスト
レポート出題後,提出期限までは,ほぼ毎日更新しています。自分のレポートが提出無効でなかったか確認してください。
提出方法を指定する意味は,300名前後の履修者から提出されるレポートを確実にスムーズに採点・集計するため,および不正行為をできるだけ予防するためです。その意味を理解し,必ず指定された提出方法を守ってください。無効だった場合でもそのことを個別に返信することは物理的にできません。
  1. Eメール送付先
     
  2. 件名marx課題番号-(ハイフン)学籍番号
    例:課題番号6を学籍番号21612345の学生が送る場合,件名をすべて半角英数字で,marx6-21612345 と入力する。
    指定以外の件名,例えば marx(9)-,marx09-,marx9‐(ハイフンが全角)などは無効です。
    件名には,指定された事項以外,何も記入しないこと。
     
  3. 送付元大学から与えられたメールアドレス( keio.jp)。
    差出人名は本名(漢字またはローマ字でフルネーム)ニックネームを使用したものは無効です。
    keio.jp のウェブ・メールの初期設定では,差出人名がアカウント名になっています。自分の本名に変更して送付してください。
    yahooやgmailなどのウェブ・メールのウェブ・メールや民間プロバイダのメールアドレスからの送付は無効です。
    指定されたメールアドレスを利用できない場合は,その理由を上記のアドレス宛てにメールで送り,私の許可を受けてください。
     
  4. 本文:メールの本文の冒頭に,課題番号・課題テーマ・学年・クラス・氏名を記し,その後にレポート本文(1,200字以内)を入力してください。MS Wordなどで作成したファイルを添付したものは無効です。
    1. 半角カタカナや機種依存文字(丸で囲んだ数字,ローマ数字,特殊な記号など)は使わないこと。これらの文字を使うと文字化けする可能性大です。
    2. MS Wordで作成した文章をコピーし,メール本文に直接ペーストすると,文字化けの可能性が高まります。下書きをしたい場合は,メモ帳(Note Pad)などのテキスト・エディタで作成した方が安全です。
    3. 1行の文字数が多すぎると文字化けが発生しやすいようです。1行35字(全角)程度で改行してください。
    文字化けしたものは読めないのでレポート提出とは認められません。
     
  5. 提出期限課題の末尾に赤字で記された提出期限(基本的に出題日の翌週の講義)日の18:00まで
    なお,提出期限の1週間後の18:00まではレポート提出を認めます。ただし,期限後提出は期限内提出の5割程度の評価とします。エラーによる再提出期間も提出期限後1週間以内です。
     
  6. その他
    a. 同じ日に複数の課題レポートが課された場合は,それぞれ別のメールで送付してください。
    b. メールを受け取った旨の返信はできません。送信済みメールは各自保存しておいてください。
    c. 他人のレポートやウェブ上の情報の盗用(コピー&ペースト)による提出などは,不正行為として経済学部から処分されることになります
     (実際に,2012年度にウェブ上の記述をほぼ全面的に盗用した不正行為があり,学部としての処分の手続きが開始され,当該学生を呼び出して日吉主任が事情聴取しました。2014年度と2015年度には友人のレポートをほぼそのままコピペして提出した不正行為がありました。いずれも真摯な反省の態度が見られたため,正式処分は見送りましたが,今年度の履修者にもこのような恥ずべき行為をしないよう,注意喚起しておきます。)

課題 8

「社会的総資本の再生産過程において,単純再生産の正常的経過のために必要な条件を説明しなさい。」
(出題日11月8日,提出期限11月15日)

【論理展開】
  1. 価値・素材の転態関係
  2. 貨幣の出発点への還流
  3. 労働手段の理想的年齢構成
【論述ポイント】
1. 価値・素材の転態関係
(1)T部門内転態部分
T部門の不変資本の価値移転部分は素材としては生産手段として存在し,次年度の生産のために必要な新しい生産手段によって補填されるべき部分である。
(2)部門間転態部分
1) T部門の価値生産物
T部門の労働者が新しく生み出した価値(価値生産物)は,素材としては生産手段として存在しているが,労働者の賃金と資本家の利潤として消費手段の購入に充てられる部分である。
2) U部門の不変資本の価値移転部分
U部門の不変資本の価値移転部分は,素材としては消費手段として存在しているが,次年度の生産のために必要な新しい生産手段によって補填されるべき部分である。
(3)U部門内転態部分
U部門の労働者が新しく生み出した価値(価値生産物)は,素材としては消費手段として存在し,労働者の賃金と資本家の利潤として消費手段の購入に充てられる部分である。
(4) 単純再生産の正常的経過のための条件
上記(1)〜(3)の3つの転態部分が,次年度も今年度と同じ規模で生産が可能なように,価値的・素材的に生産されていなければならない
2. 流通を媒介する貨幣の出発点への還流
再生産の正常的経過のためには,資本流通および所得流通のいずれにおいても販売と購買の分離がなく,3つの転態関係を媒介する貨幣が出発点に還流しなければならない
3. 労働手段の理想的年齢構成
(1)固定資本の流通の特殊性
労働手段に投下される固定資本は,労働手段の耐用期間中にその価値を順次移転して回収・積み立てが行なわれ,耐用期間終了後に積み立てられた基金が一挙に投下されて更新されるという特殊性を持つ。
(2)個別資本レベルでの販売と購買の分離
この固定資本の流通の特殊性のために,個別資本レベルでは販売と購買の時間的分離は必然である。
(3)社会的総資本での販売と購買の一致条件
社会的総資本レベルで販売と購買とが一致するためには,毎年の固定資本の価値移転総額と現物更新総額とが一致するように,労働手段の年齢構成が理想的状態になっている必要がある。
しかし,資本主義においてこの条件を実現するメカニズムは一切存在しないし,むしろ資本蓄積の進展過程の特徴を考えれば販売と購買の大規模な不一致をもたらす可能性が高い

課題 7

「資本蓄積の進展と相対的過剰人口との関係について論じなさい。」(出題日10月25日,提出期限11月1日)

【論理展開】
  1. 資本の有機的構成の高度化
  2. 資本蓄積の進展過程の特徴
  3. 資本蓄積・生産力向上と労働力需要
  4. 相対的過剰人口の累進的生産
  5. 景気循環と相対的過剰人口
【論述ポイント】
1.生産力向上と資本の有機的構成の高度化
生産力向上は,一般的傾向として資本の技術的構成を高度化し,資本の有機的構成を高度化する。
2.資本蓄積の進展過程の特徴
資本蓄積過程は,資本蓄積と生産力向上とが,それらを個別資本に累進的に拡大するよう促進し強制する社会的機構によって,相互促進的に進展する過程である。
3.資本蓄積・生産力向上と労働力需要
1)相対的過剰人口の創出
資本の有機的構成の高度化は,一定量の投下資本によって充用される労働者数を減少させる。
2)相対的過剰人口の吸収
資本蓄積は,投下資本量の増大を通じて,雇用労働者数を増加させる作用をもつ。
4.相対的過剰人口の累進的生産
資本蓄積過程の一般的特徴として,相対的過剰人口を累進的に生産するメカニズムがある。
1)労働力供給総量が一定の場合
生産力向上をともなう資本蓄積は,そうでない場合に比べて労働力需要を減少させる。
2)労働力供給の増加
資本蓄積過程は,一般的傾向として就業可能な労働者数を増大させる作用をもつ。
5.景気循環と相対的過剰人口
1)相対的過剰人口の吸収と賃金上昇
相対的過剰人口の創出作用以上のテンポでの追加投資→賃金上昇・利潤率低下の可能性→労働節約的生産方法の導入・開発の促進,または資本蓄積の停止
2)市場の制限
資本蓄積過程は産業循環(景気循環)の運動を通じて進展する。相対的過剰人口は,産業循環過程において潜在的に累進的に生産されつつ,ある期間は労働者が大量に吸収されその後は一挙に過剰化するというように,景気循環にともなう労働者の吸引と排出の繰り返しの運動の中で把握されなければならない。

課題 6

「競争の支配的な資本主義における資本蓄積の進展過程の特徴について論じなさい。」(出題日10月4日,提出期限10月11日)

【論理展開】
  1. 競争的市場の特徴
  2. 市場停滞下での利潤最大化
  3. 資本蓄積強制の社会的機構
  4. 関連部門への需要の波及
  5. 市場構造の変化
【論述ポイント】
1. 競争的市場の特徴―多数の競争者の存在
1)個別資本の生産量調整による価格操作の可能性
2)協定による生産調整の可能性
3)参入可能性
2. 市場停滞の下での利潤最大化
1)総資本と個別資本
2)生産力向上による特別Mの獲得と販売量増大
3. 資本蓄積の強制の社会的機構
1) 新生産方法の普及と特別剰余価値
2) 競争の強制による新生産方法の導入
4. 生産拡大・設備投資需要の関連部門への波及
1) 新生産方法の導入にともなう設備投資の群生
2) 関連部門への需要の波及とそれら部門における生産・投資拡大の誘発
3) 市場の全般的拡大=景気の自動的回復メカニズム
5. 市場構造の変化
1) 最低必要資本量の増大(生産力向上にともなう生産の大規模化)
2) 資本の集積・集中(競争と信用)
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