第60回弱視教育研究全国大会(大阪大会)のプログラム終了後、同じ会場で「教科書デジタルデータ提供に関する調査研究事業報告会」と恒例の「ワークショップ」を下記の通り、実施します。研究会に引き続き、ぜひ、ご参加くださるようお願いいたします。なお、詳細は適宜、ホームページにてお知らせいたします。
2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、日本の社会は大きく変化しようとしています。教育の世界でも、Society 5.0に対応するために「学びのあり方改革」が推進されつつあります。新学習指導要領では、情報活用能力が、言語能力と同様に「学習の基礎となる資質・能力」と位置付けられ、総則には、情報活用能力の育成を図るため、各学校において、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整えることが明記されました。また、学校教育法等の一部を改正する法律で「デジタル教科書」が正式に認められました。さらに、今年度から、大学入試センター試験の配慮案内の中に「パソコンの利用」が明記されました。このように、教育の情報化への対応は、急務の課題になっています。そこで、私達は、以下の通り、報告会とワークショップを企画しました。
4階メイン会場(金剛)前に展示コーナーを15時までオープンしています。教科書デジタルデータを活用して作成されたボランティア製作拡大教科書、各種音声教材等や教科書発行者が発行している標準拡大教科書の実物をご確認いただけます。講演には参加できない方も展示物閲覧のみ可能となりますので是非お越し下さい。
学校教育法が改正され、特別支援教育においては2019年度から小学校から高等学校まで全ての教育課程でデジタル教科書が利用出来るようになります。今までの「教科書デジタルデータの提供に関する実施要項」における教科書デジタルデータの利用方法や教科用特定図書等(拡大教科書、点字教科書、音声教材等)とデジタル教科書の違いについてお話しいただきます。
教科書バリアフリー法に基づき教科書発行者から提供される教科書デジタルデータは、教科用特定図書等を製作する団体等、および高等学校からの申請を受け付けています。教科書デジタルデータとはどのようなものかをご紹介し、その取扱い方法に関してご利用者の方へ注意事項も含めたご説明をいたします。
2019年度から全ての教育課程で利用可能になる「デジタル教科書」とはどのようなものなのかにお応えするワークショップです。PDF版拡大図書(教科書)を体験していただくことはもちろんのこと、理療科の教科書のデジタル化の動向等の最新情報についてもご紹介します。また、健康上の配慮、読み上げ時のハイライト表示等の機能が加わり、さらに便利になった「UDブラウザ」についてもご紹介いたします。さらに、今年度のセンター入試から配慮申請に記載されたタブレットで試験や入試を受ける方法についても紹介します。
高校段階を終え、大学へ進学しようとする視覚障害者が、受験の際、入学の際、大学での学びの際、どのような補助具をどのように用い、ICTをどのような目的で利用するかご存知でしょうか。本年度8月、私たちは地域の視覚障害の高校段階の生徒を対象にした高大連携プログラム 視覚障害高校生のためのスキルアップセミナー2018を開催しました。セミナーは、大学体験、補助具・ICTスキル調査、センター試験セミナー、補助具・ICTスキルアップセミナー、建設的対話スキルセミナー、合理的配慮セミナーのプログラムで構成しました。参加者や保護者からは高い評価をいただくことができました。ワークショップでは、このセミナーの様子と参加者の活動の様子をご紹介し、これからの盲学校に求められる柱の一つとしてのセンター的機能について考えます。
恒例の、質疑応答です。ざっくばらんに、アットホームに日常の疑問や実践について語り合いましょう!
本シンポジウムは、文部科学省初等中等教育局教科書課委託研究事業「特別支援学校(視覚障害等)高等部における教科書デジタルデータ活用に関する調査研究」、「教科書デジタルデータ提供に関する調査研究事業」、JSPS科研費・基盤研究(A)「通常の学級で学ぶ視覚障害児のための合理的配慮に関する支援システムの構築」(課題番号16H02072)、基盤研究(B)「視覚障害者の円滑な大学進学を目指した高大連携システムの開発と評価」(課題番号18H01040)より研究費の補助を受けて実施いたします。