聴覚障害者は、平常時・非常時のいずれにおいても、公共の空間や施設、交通機関などを利用する際に、情報入手やコミュニケーションの面でさまざまな障壁を感じています。また今後は、高齢化により聞こえに不自由を感じる人が増えることや、東京五輪の開催に伴い聴覚障害のある人が国内外から多く訪れることも見込まれます。にもかかわらず、まちづくりにおける聴覚障害者への配慮や対応は、現状では必ずしも十分ではありません。そこで当委員会では、聴覚障害者をテーマとする勉強会を開催することとしました。今回は、1998年から情報弱者と呼ばれる聴覚障害者のコミュニケーション支援に取り組まれ、ITを活用したさまざまなサービスを展開されてきた(株)プラスヴォイスの三浦社長を講師としてお招きしてお話を伺うとともに、聴覚障害者が暮らしやすい・訪れやすいまちづくりについて考えたいと思います。
聴覚障害に関する調査研究に携わっている立場から、まちづくりにおける聴覚障害者対応の現状、取り組むべき課題などについて概要をお話します。
駅の案内所や役所・店舗の窓口などにおける遠隔手話通訳サービスや代理電話(電話リレー)サービス、被災地における聴覚障害者向けの遠隔情報・コミュニケーション支援などの事業についてお話いただきます。また、通訳に頼らずに健聴者とのコミュニケーションを支援するアプリケーションの開発事例についてもご紹介頂きます。