数理科学基礎第2章,演習問題「複素数と多項式」(2022年04月15日)
- I
- $z,w\in\mathbf{C}$に対して
$$
|zw|=|z|\cdot |w|
$$
を示しましょう.
- [解答ビデオ]
- II
- (1) $a,b\in\mathbf{R}$が$a,b\geq 0$を満たすとします.
$$
a+b=0\Leftrightarrow a=b=0
$$
を示しましょう.
- (2) $a_1,\cdots,a_n\in\mathbf{R}$が
$$
a_1,\cdots,a_n\geq 0
$$
を満たすとします.
$$
a_1+\cdots+a_n=0\Leftrightarrow a_1=\cdots=a_n=0
$$
が成立することを示しましょう.
- [解答ビデオ]
- III
-
(1) $z,w\in\mathbf{C}$に対して
$$
\overline{z\pm w}=\overline z+\overline w,\quad
\overline {zw}=\overline z\cdot \overline w
$$
を示しましょう.
- (2) $z\in\mathbf{C},\ z\not=0$のとき
$$
\overline {
\left(
\frac 1z
\right)
}=\frac 1{\overline z}
$$
を示しましょう.
- (3) $z\in\mathbf{C}$であるとき
$$
z\in\mathbf{R}\Leftrightarrow z=\overline z
$$
を示しましょう.
- (4) 実係数の多項式
$$
f(z)=a_nz^n+\cdots+a_1z+a_0
$$
を考えます.すなわち上の式において
$$
a_0,\cdots,a_n\in\mathbf{R}
$$
とします.このとき$\alpha\in\mathbf{C}$に対して
$$
f(\alpha)=0\Rightarrow f(
\overline\alpha
)=0
$$
を示しましょう.
- [解答ビデオ]
- IV
- $P_1(x),P_2(x)\in\mathbf{K}[x]$に対して
$$
P_1(x)\cdot P_2(x)=0\Rightarrow P_1(x)=0\ \mbox{または}\ P_2(x)=0
$$
であることを示しましょう.
- [解答ビデオ]
- V
- $z,w\in\mathbf{C}$が$z,w\not=0$を満たしている
とします.
$$
z=r_1(\cos\theta_1+i\sin\theta_1),\quad
w=r_2(\cos\theta_2+i\sin\theta_2)
$$
と極形式で表されるとき
$$
zw=r_1r_2(\cos(\theta_1+\theta_2)+i\sin(\theta_1+\theta_2))
$$
$$
z^{-1}=r_1^{-1}(\cos(-\theta_1)+i\sin(-\theta_1))
$$
となることを示しましょう.
- [解答ビデオ]
- VI
-
- $$
z=\cos\theta+i\sin\theta\not=1
$$
であるとき
$$
z^{\frac 12}=\cos\frac {\theta}2+i\sin \frac {\theta}2
$$
とします.このとき
$$
1+z+\cdots+z^n=\frac {z^{n+1}-1}{z-1}
=\frac {z^{n+1}-1}{z^{\frac 12}(z^{\frac 12}-z^{-\frac 12})}
$$
であることを用いて
$$
\sum_{k=0}^n\cos k\theta,\quad
\sum_{k=0}^n\sin k\theta
$$
を求めましょう.
- [解答ビデオ]
- VII
-
- (1)
$\alpha\not=\beta$, $\beta\not=\gamma$, $\alpha\not=\gamma$とします.こ
のとき
$$
g(x)=\frac {(x-\beta)(x-\gamma)}{(\alpha-\beta)(\alpha-\gamma)}
$$
が
$$
g(\alpha)=1,\quad g(\beta)=g(\gamma)=0
$$
を満たすことを示しましょう.
- (2) (1)において$A,B,C\in \mathbf{C}$とします.$f$が$2$次
多項式で
$$
f(\alpha)=A,\ f(\beta)=B,\ f(\gamma)=C
$$
ならば
$$
f(x)=A\frac {(x-\beta)(x-\gamma)}{(\alpha-\beta)(\alpha-\gamma)}
+
B\frac {(x-\alpha)(x-\gamma)}{(\beta-\alpha)(\beta-\gamma)}
+
C\frac {(x-\alpha)(x-\beta)}{(\gamma-\alpha)(\gamma-\beta)}
$$
となることを示しましょう.
- [解答PDF]
- [解答ビデオ]
- VIII
- $a,b\in\mathbf{R}$とします.
$$
f(x)=ax^4-2ax^3+(a+1)x^2-bx-b
$$
において
$$
f(\frac {1+i\sqrt 3}2)=0
$$
とします.
- (1) $a,b$を求めましょう.
- (2) $f$の他の根を求めましょう.
- [解答PDF]
- [解答ビデオ]
- IX
-
$$
f(x)=x^{2n}+x^n+1
$$
が$x^2+x+1$で割り切れるか調べましょう.
- [解答PDF]
- [解答ビデオ]
- X
-
$$
\alpha=\cos \frac {2\pi}n+i\sin \frac {2\pi}n
$$
とします.
- (1) $z^n-1=0$の解が
$1,\alpha,\alpha^2,\cdots,\alpha^{n-1}$であることを示しましょう.
- (2)
$$
(1-\alpha)(1-\alpha^2)\cdots(1-\alpha^{n-1})=n
$$
となることを示しましょう.
- [解答PDF]
- [解答ビデオ]
- XI
- 以下の多項式$f(x)$, $g(x)$の最大共通因子を最高次数の係数が$1$として求めましょう.
\begin{equation*}
f(x)=x^4-2x^3+5x^2-4x+3,\quad g(x)=4x^4-12x^3+15x^2-11x+3
\end{equation*}
- [解答ビデオ]
- XII
-
$z^4=8(-1+i\sqrt 3)$を満たす$z\in \mathbf{C}$
をすべて求めましょう.
- [解答PDF]
- [解答ビデオ]
XIII
$a,b,c,d\in\mathbf{C}$が$ad-bc\not=0$を満たすとする.$\mathbf{C}$の部分集合
$D$を
\begin{equation*}
D=
\begin{cases}
\mathbf{C}&(c=0\text{のとき})\\
\mathbf{C}\setminus\{-\dfrac dc\}&(c\not=0\text{のとき})
\end{cases}
\end{equation*}
とする.写像
\begin{equation*}
f:\ D\rightarrow\mathbf{C}\quad z\mapsto
w=f(z)=\frac {az+b}{cz+d}
\end{equation*}
によって定義する.
(1) $f$が単射であることを示しましょう.
(2) $f(D)$を求めましょう.
(3) 全単射$f:\ D\rightarrow f(D)$の逆写像
$f^{-1}$を求めましょう.
XIV
$\mathbf{C}$の部分集合$D:=\mathbf{C}\setminus \{i\}$上で定義された
写像
\begin{equation*}
f:\ D\rightarrow\mathbf{C}\quad z\mapsto
w=f(z)=\frac {1-iz}{1+iz}
\end{equation*}
について考えます.
(1) $f(D)\subset \mathbf{C}\setminus\{-1\}$
であることを示しましょう.
(2) $f(D)=\mathbf{C}\setminus\{-1\}$
であることを示しましょう.
(3) $f$が単射であることを示しましょう.
(4) 全単射$f:\ D\rightarrow f(D)$
の逆写像を求めましょう.
(5) $A=\{z\in D;\ |z-(1+i)|=1\}$に対して
$f(A)$を求めましょう.
(6) $f(\mathbf{R})$を求めましょう.
XV
実数列$\{a_n\}_{n=0}^{+\infty}$を
差分方程式
\begin{equation*}
a_{n+2}-2a_{n+1}+2a_n=0\quad (n=0,1,2,3,\ldots),\quad
a_0=\alpha, a_1=\beta
\end{equation*}
によって定義します.$a_n$を求めましょう.ただし解が最終的に虚数単位を
含まないものにしましょう.