「イラク戦争」関連年表 2003年6月

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主な出来事

  1. イラク中部・北部中心に各地で米英軍を狙った攻撃が激化,米軍によるイラク民間人への「誤射」や反米デモへの過剰防衛も頻発。
  2. CPAがORHAを統合し,米英軍占領下でのイラク暫定行政の主体となる。
  3. 米軍が反米勢力掃討の「砂漠のサソリ作戦」をイラク全土で開始。
  4. 米英の捜索にもかかわらずイラクでWMDが発見できず,両国でイラク攻撃の大義名分に対する疑惑が強まる。
    米:ブッシュ政権が主張したイラクのWMD開発やアルカイダとの関係について明確な根拠がないことが判明し,政府の情報操作の疑いで議会調査開始。
    英:ブレア英政権がイラクのWMD保有の証拠を故意に誇張したとの疑惑について,英議会で本格調査が始まる。
  5. イラク戦争での米女性兵J・リンチ救出を世論操作を目的とした虚構とする疑惑が浮上。
  6. 日本政府がイラク復興支援特別措置法とテロ対策特措法2年延長案を国会に提出し審議開始。
  7. ブッシュ米大統領・シャロン・イスラエル首相・アッバスパレスチナ自治政府首相が初の3者会談,米国主導の中東和平案ロードマップを枠組みとする新たな和平努力開始。
    イスラエル軍とパレスチナ武装組織の攻撃と報復の連鎖がむしろ激化。
    米国や国連などがイスラエルとパレスチナ自治政府に和平への働きかけを強め,ハマスとイスラム聖戦がイスラエルへの武力攻撃を3カ月間停止すると発表。

【イラクおよび周辺地図】 【用語集(人名・地名・組織名等】 【イラク戦争関連兵器】 【注釈一覧】

月日 イラク軍事情勢 イラク政治情勢 日本の対応 アメリカの対応 その他の国,
国際機関の対応
イラク周辺国情勢
6.1 バグダッド中心部で米軍戦車に手榴弾攻撃,米兵1人死亡,イラク人1人死亡。(1)(3)
バグダッド市内のスンニ派モスク前で爆発,米兵2人負傷,
#爆発直後の米兵の発砲により市民1人死亡。(1)(3)
米英軍が市民の武器を回収する武器管理令を施行。(1)(3)
ブレマーCPA代表がイラクの全勢力を結集する国民議会を設ける計画をやめ,25-30人のイラク人による評議会を7月に設置する方針を表明。(1)(3)
ワーナー上院軍事委員長が,軍事委員会と情報特別委員会がWMDに関するCIAなどの情報の信頼性について調査を開始すると発表。(2)(3)
ブッシュ大統領がプーチン露大統領との会談後,フセイン政権の生物兵器施設を発見したと述べ,WMD未発見批判に反論。(1)(3)
6.2 ブレマーCPA代表が新生イラク軍の兵士募集を6月末まで開始する方針を発表。(3) ブッシュ大統領がシラク仏大統領とイラク戦争開始以来初めての首脳会談,両国関係や中東情勢について協議
した上で,今秋にもシラク訪米を実現させ,関係修復にはずみをつけることで合意。(2)(3)(7)
デ・メロ国連事務総長特別代表が国連のイラク復興責任者としてバグダッド入り。(1)(3)
ブレア英首相が,イラクの科学者から米英が聴取した結果を公表し,フセイン政権によるWMD開発を立証する方針を表明。(2)(7)
6.3 バラド南部でパトロール中の米軍部隊に銃撃とRPG攻撃,米兵1人死亡。(1)(D) ブレマーCPA代表が,CPAがORHAを統合し,占領下での暫定行政の主体となると発表。(3)(7)
ブレマーCPA代表がデ・メロ国連代表と会談,イラク復興に国連が協力し人道支援事業などを担うことで合意。(1)(3)
ウルフォウィッツ米国防副長官が与党三党幹事長と会談,イラク復興支援で自衛隊による治安維持部隊の後方支援に期待を表明,具体的な任務として施設・輸送・通信の3分野を挙げる。(3)(7) ウォルフォウィッツ国防副長官がイラクのWMDについて,パウエル国務長官が国連安保理で行なった説明を裏付ける重要な証拠を得ていると発表。(2)(3) NATO外相理事会が,イラクやアフガニスタンでの治安維持にNATOが積極的に関与する方針を表明。(1)(3)
英下院外交委員会が,イラクのWMD保有を根拠にしたブレア英政権のイラク攻撃決定の正当性について,公開調査を開始すると発表。(1)(3)
イスラエル政府が収監中のパレスチナ人政治犯の釈放開始,対象は約100人。(1)(7)
エジプト・シャルムエルシェイクでブッシュ米大統領と親米穏健派のアラブ5首脳が会談,会談後,エジプトのムバラク大統領が中東和平構想ロードマップやパレスチナ自治政府のアッバス首相ら新指導部への支援、「テロや暴力の拒絶」などを確認する声明を発表。(1)(7)
6.4 政府が今国会に提出を予定するイラクへの自衛隊派遣を可能にする「イラク復興支援特別措置法案(仮称)」
の原案が明らかになる。(2)(7)
IAEAの査察官,放射性物質の盗難や紛失が伝えられるイラク中部ツワイサ放射能センターの実態調査のため,本部のあるウィーンを出発。(1)(7) ヨルダン南部アカバでブッシュ米大統領,イスラエルのシャロン首相,パレスチナ自治政府のアッバス首相が会談し声明を発表,シャロン首相はパレスチナ国家容認と違法入植地の即時撤去を表明,アッバス首相は武装闘争の停止を宣言,93年のオスロ合意に代わり米国主導の中東和平案ロードマップを枠組みとする新たな和平努力開始。(1)(7)
6.5 ファルージャでRPG攻撃により米兵1人死亡,5人負傷。(1)(D)
バグダッドの銀行警備中の米兵に銃撃,米兵2人負傷。(C)
CPAがSCIRIのメンバーら約50人を拘束し,国内の一部の事務所を閉鎖させていたことが発覚。(1) ラムズフェルド国防長官が,イラクの治安維持のための国際治安部隊に計41カ国が参加の意向を示していると述べる。(3) ハマス政治部門幹部がイスラエルに対する自爆攻撃などの闘争継続を明言。(1)(7)
ヨルダン川西岸地区トルカレム近くでイスラエル軍の攻撃でハマス活動家2人死亡,1人負傷。(1)
6.6 クートで爆発により米水兵1人死亡,3人負傷。(C) 参院本会議で有事関連3法案を可決成立,野党の民主党も賛成。(1)(7) 国防総省国防情報局のジャコビー局長が,イラクのWMDの脅威について2002年9月作成した機密扱いの報告書に,「化学兵器開発に関して十分に信頼できる情報はない」との記述が含まれていることを発表。(2)(7) ハマスの精神的指導者ヤシン師がイスラエルに対する闘争継続を明言,政治部門指導者ランティシ氏がアッバス首相との対話拒否の姿勢を示す。(1)(7)
6.7 ティクリート近郊で米軍部隊へのRPG攻撃と銃撃により米兵1人死亡,4人負傷。(1)(3)(D)
6.8 カイムの検問所で民間人を装った武装集団が米兵に発砲,米兵1人死亡,米軍の応戦で武装集団1人死亡。(2)(3)(D) イラク復興支援法案(仮称)について,民主党が賛否を保留,他の三党は反対の立場を表明。(1)(3) パウエル国務長官が,ブッシュ政権のイラクのWMD情報誇張疑惑について,情報機関の情報は信頼できるものだったと反論。(3) パレスチナ自治区ガザ北端エレズ検問所付近でパレスチナ人の銃撃によりイスラエル兵4人死亡,4人負傷,実行者3人射殺。ハマス・イスラム聖戦・アルアクサ殉教者団が連名で実行声明。(1)(7)
ヨルダン川西岸地区ヘブロンでパレスチナ人の銃撃によりイスラエル人1人死亡,イスラエル兵が実行者2人射殺。(1)(7)
6.9 ディワニヤの武器集積所で爆発,イラク人3人死亡,2人負傷。(C) 政府・与党の「イラク人道・復興支援活動実施特別措置法案」の全容が明らかになる。基本原則として,武力による威嚇・行使の否定,活動期間を通じて戦闘行為が行なわれることがないと認められる地域への派遣などを掲げる。(2)(3) ブッシュ大統領がイラク戦争の大義名分のWMD未発見問題について,イラクが開発計画を持っていたと述べ,兵器の発見に改めて自信を示す。(2)(3) ヨルダン川西岸自治区でイスラエル軍が違法入植地の撤去作業を開始,イスラエル入植者団体が抗議声明。(1)
ガザ自治区中部のユダヤ人入植地ネツァリム近くで武装パレスチナ人とイスラエル兵の間で銃撃戦,パレスチナ人2人死亡。(1)
6.10 バグダッドで米兵の乗るバスにRPG攻撃,米兵1人死亡,1人負傷。(3)(D) 米軍が,フセイン元大統領の最高顧問・革命指導評議会メンバーのラティフ・アルジャシム氏とイラク軍化学兵器開発組織最高幹部のフサイン・アルアワディ准将を拘束と発表。(1)(3) 政府がイラク特措法で米軍への武器弾薬の陸上輸送を認める方針を表明。(2)(3)
民主党イラク調査団が,現地では選挙監視など国連PKO以外に自衛隊へのニーズはなく安全な場所もないと報告。(3)
パレスチナ自治区ガザ市中心部の商店街でイスラエル軍の武装ヘリがハマス政治部門最高幹部ランティシ氏の車にミサイル攻撃,同氏が負傷,近くにいたパレスチナ人3人死亡,数人負傷。(1)(7)
ブッシュ米大統領がランティシ氏暗殺未遂事件でイスラエル側の行動を批判。(1)
ガザ地区北部ジャバリヤでイスラエル軍のミサイルが住宅に命中,パレスチナ人3人死亡。(1)
6.11 政府がイラク向け公的債権は元本4527億円に利息・遅延損害金を加え,総額8388億円と発表。(2)(7) パール前国防政策委員会委員長が北朝鮮の核問題について,81年のイスラエルのイラク核施設攻撃をを引き合いに,寧辺の核施設をピンポイント攻撃で破壊する選択肢も排除すべきでないとの考えを改めて強調。(1) イスラエル・エルサレム中心部で自爆攻撃により路線バスが爆発,少なくとも16人死亡,実行犯1人死亡,ハマスがイスラエル軍のランティシ氏暗殺未遂の報復攻撃と認める。(1)(3)
ブッシュ米大統領がエルサレムのバス爆破事件で非難声明。(1)(7)
ガザ地区ガザ市中心部でイスラエル軍の武装ヘリがミサイル攻撃,パレスチナ人6人死亡。(1)(7)
アナン国連事務総長がイスラエル・パレスチナ双方の行動を「暴力の連鎖を生むだけ」と非難。(1)(7)
6.12 米軍がイラク西部でAH-64アパッチ攻撃ヘリが,敵対勢力の対空砲火により撃墜されたと発表。(1) (現地11日深夜)ガザ地区ガザ市でイスラエル軍の武装ヘリがハマス拠点をミサイル攻撃,パレスチナ人2人死亡。(1)
ガザ地区ガザ市近郊でイスラエル軍の武装ヘリがミサイル攻撃,子ども含む一家4人など計7人死亡,約30人負傷。(1)
6.13 バラドで米軍部隊に武装集団が対戦車砲などで攻撃,米軍の応戦でイラク人4人死亡,米軍ヘリと装甲部隊が追撃し23人殺害。(2)(3)
バグダッド北方で米軍が12日から開始のバース党残存勢力の拠点に対する攻撃で,イラク人70人を殺害。(2)(3)
政府がイラク復興支援特別措置法案とテロ対策特措法2年延長案を同時に国会に提出。(1)(3)
政府が自衛隊イラク派遣の事前調査団報告を発表,「大規模な戦闘は終了している」が,バグダッド北西部の治安は「不安定」と表現。(2)(7)
ワシントン・ポスト紙が,ブッシュ政権がイラクのWMD開発計画の根拠としたニジェールからのウラン購入計画に関し,CIAが偽情報との結論を出していながらホワイトハウスや他の政府機関に伝えなかったと報道。(2)(3) (現地12日夜)ヨルダン川西岸地区ジェニン近郊でイスラエル国境警察官の発砲によりイスラム聖戦の活動家2人死亡。(1)
ガザ地区ガザ市でイスラエル軍の武装ヘリがミサイル攻撃,パレスチナ人1人死亡,15人負傷。(1)
ヨルダン川西岸地区で銃撃によりイスラエル人1人死亡,2人負傷,アルアクサ殉教者団が実行声明。(1)
6.14 中東和平ロードマップの履行状況を監視する米政府監視団がイスラエルに到着。(1)(7)
サウジアラビア・メッカで治安部隊がイスラム武装勢力容疑者5人殺害,治安部隊2人死亡。(BBC)
6.15 米軍が反米勢力掃討の「砂漠のサソリ」作戦をイラク全土で開始。(2)(3)
バラド近郊ムシャハダで米軍にRPG攻撃,米兵4人負傷。(1)(3)
米軍がハミド・ラジャ元空軍司令官を拘束と発表。(2)(7) イラクでのWMD捜索総責任者をラムズフェルド国防長官からテネットCIA長官に変更,テネット氏は元国連査察官のデビッド・ケイ氏をアドバイザーに起用。(1)(5) 英紙タイムズの世論調査で,英米両政府がイラクのWMD保有の証拠を故意に誇張したとの見方が58%,WMD保有か否かを問わずフセイン政権排除の戦争は正しかったが70%。(1)(3) ブッシュ米大統領がイスラエル軍によるハマス幹部への攻撃を容認する姿勢を示す。(1)(3)
10日のイスラエル軍ヘリのランティシ氏暗殺未遂攻撃で負傷した少女が死亡,イスラエル軍の一連の作戦で市民少なくとも17人含む20人死亡。(1)(7)
6.16 バグダッドでパトロール中の米部隊に狙撃,米兵1人死亡。(3)(D) エジプト情報部幹部がガザでハマスなどに停戦の説得工作,合意に至らず。(1)(7)
6.17 米軍が「砂漠のサソリ作戦」でイラク民兵ら約370人を拘束。(1)(3)
バグダッドで米兵に手榴弾攻撃,米兵1人死亡。(D)
ブレマーCPA代表が,米英軍を攻撃し身柄を拘束された容疑者らを裁く特別刑事裁判所を近く設置すると発表。(3) 英下院外交委員会が英政府のイラクWMD情報操作疑惑の本格調査を開始。(1)(3) ガザ地区でパレスチナ自治政府のアッバス首相がパレスチナの13政治組織とイスラエルへの攻撃停止を協議,合意に至らず。(1)(3)
ヨルダン川西岸地区との境界に近いイスラエル領内でイスラエル人の車に銃撃,7歳の少女1人死亡,2人負傷。(1)
6.18 #カイムで米軍がフセイン元大統領ら同乗との情報で車列を陸空からミサイルなどで攻撃,イラク人3人負傷。元大統領発見できず。(1)(3)
サーマッラの米軍人道支援施設に迫撃砲攻撃,イラク人1人死亡,12人負傷。(1)(3)
バグダッドで銃撃により米兵1人死亡,1人負傷。(3)(C)(D)
ラマディで5月19日に負傷した米兵1人死亡。(D)
米軍がティクリート近郊を急襲,フセイン元大統領側近の秘書を拘束,大統領の手回り品や写真・大量の現金を発見。(1)(3)(5)
#グリーン・ゾーン前でイラク元軍人のデモ隊に向け米兵が発砲,イラク人2人死亡。(3)
上下両院の情報特別委員会がイラクのWMD情報操作疑惑について非公開の公聴会を開催。(1)(3) ASEAN外相会議が「イラクの戦後復興に国連が中心的役割を担うことを支持する」旨の共同声明発表。(5)
6.19 バビル州イスカンダリアで米軍救急車にRPG攻撃,米兵1人死亡,2人負傷。(1)(3)(D) EU首脳会議開幕。イラクの戦後復興支援などで加盟国間の結束を強化する方針を確認。(1)(5) イスラエル北部で自爆攻撃の誤爆,イスラエル人1人と自爆者1人死亡。(1)
EU首脳会議が中東和平問題に関し,パレスチナ自治政府のアッバス首相とハマスとの協議で対イスラエル攻撃停止の早期確約により暴力の連鎖を停止させる必要があるとの認識で一致。(1)(3)
6.20 フセイン元大統領秘書官が,元大統領と長男ウダイ氏,次男クサイ氏の3人がティクリート周辺に潜伏と供述。(1)(3)(5) 与党3党の衆参国会議員による「与党イラク現地調査団」が出発。「自衛隊の需要探る」との考え。(1)(7) イラク・トワイサの原子力施設からウランが略奪された問題に関して,IAEAがほぼ全量の行方を突き止めたと報じられる。(1)(7) パウエル米国務長官がイスラエルのシャロン首相,パレスチナ自治政府のアッバス首相と個別に会談,イスラエルに自治政府との緊密な治安協力,自治政府には過激派の武装解除などの徹底したテロ対策を要請。(1)(7)
ヨルダン川西岸地区ラマラ近郊でイスラエル人の車に銃撃,1人死亡,3人負傷,ハマス軍事部門が実行声明。(1)(3)
ガザ地区南部ハンユニスでイスラエル兵の銃撃によりパレスチナ人1人死亡。(1)(3)
6.21 ヨルダン川西岸地区ヘブロン中心部でイスラエル軍がハマス軍事部門幹部1人を射殺。(1)
6.22 バグダッドで米軍車両に銃撃,米兵1人死亡。(D)
バグダッド南部で米軍車両への手榴弾攻撃により米兵1人死亡,1人負傷。(C)
ヒートで破壊活動により燃料パイプライン爆発。(1)(3)
ヒートで米軍車両に爆弾攻撃,米兵2人負傷。(3)
イラクの原油輸出が再開,開戦前にトルコの石油ターミナルに貯蔵分。(2)(3)(5)
BBCがイラク戦争での米女性兵J・リンチ救出を虚構と報道,米紙も指摘。(1)(7)
ブッシュ大統領がイラクとアルカイダの関係の根拠としたCIAの機密報告「イラクに関する国家情報評価」は,両者の関係を確認していないことが判明。(3)(7)
ヨルダンの死海東岸で中東和平ロードマップ履行について国連・EU・米・露の4者会談,イスラエルとパレスチナ自治政府双方に和平推進の働きかけを強めることで一致。(1)(7)
ガザ地区北部ベイトハヌーンで爆発,アルアクサ殉教者団の活動家4人死亡,詳細不明。(1)
6.23 バイジでガス・パイプラインが爆発。(2) CPAが新イラク軍創設を正式発表。(2)
スペインの有力紙が,アスナール首相のフセイン政権がWMD所持は確実との発言は自国の情報機関から確証を得ないものと報道。(1)(2)
国連がイラクに対する緊急人道援助の資金として,国際社会に新たに2億5900万ドルの拠出を求める。(2)
6.24 アマラで英憲兵隊が襲撃され英兵6人死亡。(1)(3)
アマラで英軍部隊への攻撃により英兵1人負傷,救援の英軍ヘリへの攻撃で英兵7人負傷。(3)
ファルージャで電力施設を警備していた米軍がロケット弾で攻撃を受け,銃撃でイラク人1人死亡。(1)(5)
衆院本会議でイラク復興支援特別措置法案とテロ対策特別措置法延長の改正案が審議入り。(1)(3) ラムズフェルド国防長官が,イラクのWMDについて「時間がたてば見つかる」と強気の姿勢。(1)(3)
ラムズフェルド国防長官,米軍がフセイン政権指導部が乗っているとしてカイムで車列を攻撃した際,シリア国境警備隊と交戦したことを認める。(1)(3)
国連本部でイラク復興についての初の事務レベル会合開催,CPA代表団,国連開発計画(UNDP),世界銀行などが参加。(2)(3)(5)
ムシャラフ・パキスタン大統領がブッシュ米大統領からイラクへの派兵要請を受けたことを明らかにし,条件が整えば,6000〜8000人規模の部隊を派遣する用意があることを発表。(1)
イスラエルの主要メディアがハマスとパレスチナ自治政府が3カ月間の停戦に原則同意と報道。(1)
6.25 作戦行動中に銃撃を受け米兵1人死亡,詳細不明。(D)
バラド南部で米兵2人行方不明(27日にバグダッド北方タージで2人の死体発見)。(D)
イラクのWMD未発見問題について小泉首相が米国の対応は正しかったと主張。(2)(7) CIAなどが「可動式の生物兵器製造施設」としたイラクのトラックについて,国務省情報調査局が「決めつけるのは時期尚早だ」というメモをパウエル国務長官に提出していたことが判明。(2)(3)
イラクのWMD開発情報操作疑惑を調査する公聴会で,国務省の専門家が情報をブッシュ政権側に都合よく修正するよう圧力を受けたと証言。(3)
CIAが,イラク人科学者が隠し持っていた核兵器開発用の部品と関係文書を入手と発表。(1)(5)
英議会下院の外交委員会が,首相府の戦略・報道局長を召喚,政府がイラクによるWMD開発の危険性を印象づける文書を作成した経過について聴取。(1) APやCNNがパレスチナの3つの主要イスラム武装組織(アルアクサ殉教者団,イスラム聖戦,ハマス)がイスラエルへの攻撃を3カ月間停止することで合意と報道,3組織は協議中として合意成立を否定。(1)
ガザ地区北部ベイトハヌーンのイスラエル軍の拠点でハマスとイスラエル兵の銃撃戦,ハマス活動家2人死亡,ハマスが攻撃実行声明。(1)
ガザ地区南部ハンユニスでイスラエル軍の武装ヘリによる攻撃,パレスチナ人2人死亡,10人以上負傷。(1)
6.26 ナジャフで銃撃により米兵1人死亡,8人負傷。(D)(3)
バグダッド国際空港近くで米軍車両に爆弾攻撃,米兵1人負傷(28日に死亡)。(D)(3)
バグダッド郊外でCPAの車両に攻撃,イラク人1人死亡。(3)
チグリス川付近ファタにある原油パイプラインが爆発し炎上。(3)
イラク復興支援への自衛隊派遣に向けて現地を視察した与党調査団が自民党国防・外交関連合同会議で調査結果を報告。(2)(7) 国連安保理,アルカイダは依然として国際社会の脅威であり,イスラム過激派の中にネットワークを維持している,とするテロ対策委員会監視グループの報告を公表。(1)
IAEA報道官,イラクの科学者が地中に埋めていた核兵器開発の部品などをCIAが入手との報道について,「湾岸戦争後にイラクの核開発計画が再開されていなかったことを示すものだ」と述べ,イラクの核兵器開発疑惑に重ねて否定的な見解を表明。(1)(3)
ヨルダン川西岸地区北部近くのイスラエルの町バカエルガルビヤで銃撃によりイスラエル人1人死亡。(1)
アフガニスタンで作戦行動中の米兵1人死亡,1人負傷。(C)
6.27 バグダッド北部で米軍車列にRPG攻撃,米兵1人死亡,4人負傷。(3)(5)(D) 上院がフランクス中央軍司令官退任後の後任としてアビザイド中央軍副司令官の就任を承認。(1)(3) イラク中南部の治安維持などを担う多国籍の「安定化部隊」について,9月以降ポーランド軍が指揮にあたることが明らかに。(2)(7) ガザ地区ガザ市にイスラエル軍が侵攻,軍が破壊した住宅の下敷きになどで,パレスチナ人4人とイスラエル兵1人死亡。(1)(7)
イスラエル軍とパレスチナ自治政府が,イスラエル軍がガザ地区から30日に撤退を開始し自治政府に治安責任を引き継ぐことで基本合意。(1)(3)
6.28 ハマスとイスラム聖戦がイスラエルへの武力攻撃停止で自治政府と合意成立,アルアクサ殉教者団は停戦を拒否する文書を自治区で配布。(1)(7)
6.29 ファルージャで米軍装甲車に対戦車ロケット攻撃を受ける。(2)
#ファルージャの米軍が占拠する小学校前で,住民のデモ隊に米軍が発砲,神学生4人死亡。(2)
米中央軍,イラク中部でフセイン政権や旧支配政党バース党を支持するイラク人民兵らの掃討を目指した大規模な作戦として「ガラガラヘビ作戦」を開始したと発表。(2)(3) 議会の与野党有力議員がイラク復興について,仏独も含めた国際社会の関与が不可欠との認識を示す。(3) ハマスとイスラム聖戦がイスラエルへの武力攻撃を同日から3カ月間停止すると正式発表,条件として自治区封鎖の停止,過激派殺害・拘束の停止,アラファトPLO議長の軟禁解除など。(2)(3)
6.30 ブリクスUNMOVIC委員長が退任。(1)(3) (現地29日夜)イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ北部ベイトハヌーンから撤退。(2)
ヨルダン川西岸地区ジェニン近郊で銃撃によりイスラエルによる道路工事従事のブルガリア人労働者1人死亡,アルアクサ殉教者団が実行声明。(1)

#:連合軍兵士の「誤射」・「誤爆」または過剰防衛によると見られる事件。

[出典]
(1)朝日新聞データベース:http://dna.asahi.com:7070/hscdoc/asa-start.html
(2)asahi.com:http://www2.asahi.com/special/iraqattack/
(3)共同通信:http://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2003/iraq2/
(4)Sankei Web:http://www.sankei.co.jp/databox/iraq/sp_iraq_list.html
(5)NIKKEI NET:http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt57/
(6)MSN-Mainichi INTERACTIVE:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/
(7)YOMIURI ON-LINE:http://www.yomiuri.co.jp/features/gulf2/
(BBC)BBC放送:http://news.bbc.co.uk
(C)米中央軍司令部:http://www.centcom.mil/
(D)米国防総省:http://www.defenselink.mil/releases/archive.htm
(IB)Iraq Body Count:http://www.iraqbodycount.net/database/

(このページの各事項と出典の確認について,延近研究会14期生 松崎禎夫君が協力してくれた。)

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