この度、「第38回 視覚障がい乳幼児研究大会」を下記の通り開催させていただくことになりました。1979年に、視覚障がい乳幼児の保育に携わる専門家の情報交換の場としてスタートした伝統ある研究大会を、横浜の地で開催させていただけることになり、関係者一同とても光栄に思っています。
本年度の4月より障害者差別解消法が施行され、障害を理由とする差別の解消が推進されることになり、障害のある子供達の環境は変化しつつあります。インクルーシブ教育も推進されつつあり、地域の保育園や幼稚園に在籍している視覚障害のある乳幼児も増えてきています。障害児への配慮が権利として認められ、地域の保育園や幼稚園で育てる環境が整いつつあることは、我々専門家の願いでもあったわけですから、とても喜ばしいことです。そのような中で、気になることが3つあります。
本大会では、このような問題意識に基づき、「インクルーシブ教育時代の視覚障害児への早期介入の在り方を考える」というテーマを掲げ、関係者の研修・議論を深めていきたいと思います。基調講演には小児眼科の権威である平和眼科の富田香先生に、教育講演には視覚障害乳幼児教育の権威である宮城教育大学名誉教授の猪平眞理先生と乳幼児の言語の獲得や社会認知能力の発達の権威である慶應義塾大学赤ちゃんラボの皆川泰代先生にお越しいただけることになりました。シンポジウムでは、「インクルーシブ教育時代の視覚障害児への早期介入の在り方を考える」というテーマについて、「盲学校の幼稚部・早期相談の取り組みの現状と課題を中心に」というサブタイトルで議論を深めたいと思います。地元横浜から横浜市立盲特別支援学校の幼稚部の取り組みを、東京都立久我山青光学園からは国立成育医療研究センターとの医療・教育連携の取り組みを、そして、ひよこの会(視覚障がいを抱える乳幼児とその家族を支える会)からは保護者の活動や思いを話題提供していただきます。そして、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課特別支援教育調査官から指定討論をしていただいた上で、フロアの皆さんからも情報提供やご意見等をいただきながら、議論を深めたいと思います。視覚障害乳幼児の療育・保育に関心のある方だけでなく、様々な立場の方々にご参加いただき、視覚に障害のある乳幼児への早期介入の重要性を確認し、推進するための方法を模索できれば幸いです。
なお、ポスター発表の時間も用意しています。各学校・施設等の日頃の実践を気軽にご発表いただき、意見交換が出来ると幸いです。
前回の福岡大会に引き続き、好評だったポスター発表を行います。保育・療育・教育実践や教材研究、医療・福祉現場での実践・研究など、いろいろな発表をお待ちしています。どうぞ奮ってご希望ください。
発表をご希望される方は、以下の項目を7月22日(金)までに事務局までお知らせください。なお、ポスター掲示板の掲示可能範囲の大きさは、幅110cm、高さ150cmです。