公共選択論 2005年度秋学期試験問題

担当:土居丈朗

 ※ 試験時間:60分、指定テキスト、配付プリント、自筆ノートのみ持込可

1.我が国の省庁について、次の(1)と(2)に答えよ。
(1)次に挙げる省庁について、あなたはどのような印象を持つか。良い印象を持つ場合は○印、悪い印象を持つ場合は×印、どちらでもない場合は△印、よくわからない場合は?印で、省庁ごとに答えよ(理由は不問とする)。
@ 内閣府(A〜Dの組織を除く部分)
A 宮内庁
B 公正取引委員会
C 防衛庁
D 金融庁
E 総務省
F 法務省
G 外務省
H 財務省
I 文部科学省
J 厚生労働省
K 農林水産省
L 経済産業省
M 国土交通省
N 環境省
(2)上記の省庁のうち、最も良い印象を持つ省庁と、最も悪い印象を持つ省庁を、それぞれ1つ記せ(理由は不問とする)。


2.日本の地方財政制度について、次の@〜Dに答えよ。
@地方交付税の財源にはどのようなものがあるか、答案用紙3行以内で説明せよ(論評を加える必要はない)。
A地方交付税は、各自治体にはどのような算定方法で配分されるか、答案用紙3行以内で説明せよ(論評を加える必要はない)。
B現行の地方財政計画には、どのような点に問題があり、それをどのように改革する必要があると考えるか、あなたの見解を述べよ。
C現行の地方交付税の制度には、どのような点に問題があり、それをどのように改革する必要があると考えるか、あなたの見解を述べよ。
D現行の地方債の制度には、どのような点に問題があり、それをどのように改革する必要があると考えるか、あなたの見解を述べよ。

上記のB〜Dに答えるにあたり、以下の点に注意すること。

◇B〜Dに与えられる得点は、答案の内容が講義担当者の見解と一致しているか否かとは全く関係がなく、唯一絶対の正解が用意されているわけではない。
◇B〜Dは、あなたの考えの首尾一貫性が問われる。したがって、B〜Dに与えられる得点は、それぞれの答案の内容がいかに整合的であるかによって決まる。
◇B〜Dの解答では字数を制限しない。ただし、多く書けば高い得点が与えられるというわけではない。短くても要領を得た内容であれば、高い得点が与えられる。
3.この講義で取り上げた次の専門用語について、それぞれの内容(定義)を答案用紙2行以内で説明せよ。
  1. 中位投票者定理
  2. 業績投票
  3. 単記委譲投票(制度)
  4. ソフトな予算制約(soft budget constraint)
  5. 無党派層の呪い(swing voter's curse)
  6. 動学的効率性(dynamic efficiency)
  7. デュベルジェ(Duverger)の法則


4.公債の持続可能性について、次の問いに答えよ。

  1. 公債の持続可能性を考える上で重要な概念である、基礎的財政収支(primary balance)とは何か、その定義を述べよ。
  2. 公債残高がこれ以上増えないようにするには、基礎的財政収支がどのような状態になっていなければならないか、その理由とともに答えよ。
  3. 「公債利子率が経済成長率(GDP増加率)よりも低ければ、公債は持続可能である」という命題について、その成否(妥当性)を理由とともに答えよ。
  4. 下の図は、1955年度以降の我が国の一般会計における基礎的財政収支対GDP比と前年度末国債残高対GDP比をプロットしたものである。この図を見て、1980年代の財政運営と、1990年代以降の財政運営について、公債の持続可能性の見地からどのように評価できるか、その理由とともに答えよ。

国債の持続可能性の検証
図中の数字は、西暦(年度)の下2桁を表す


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