公共選択論 2002年度秋学期試験問題

担当:土居丈朗

 ※ 試験時間:60分、指定テキスト、配付プリント、自筆ノートのみ持込可

1.この講義で取り上げた次の専門用語について、それぞれの内容(定義)を答案用紙2行以内で説明せよ。
  1. ボルダ投票(制度)
  2. ゲリマンダリング
  3. 無党派層の呪い(swing voter's curse)
  4. 中央銀行の独立性
  5. 業績投票
  6. 投票のパラドックス


2.次に挙げる制度・法律は、わが国において比較的好意的に評価されている制度と思われる。しかし、公共選択論の立場から(あるいは経済学的に)見て、いくつか重大な問題点がある。それぞれの問題点について、答案用紙2行以内で説明せよ。

  1. 比例代表制
  2. 住民投票制度
  3. 現在の日本銀行法


3.日本の財政制度について、効率性の観点から見て、次に挙げる制度のどこに問題点があるか。それぞれの問題点について、答案用紙2行以内で説明せよ。

  1. 財政投融資制度
  2. 地方税制度
  3. 地方交付税制度
  4. 地方債制度(起債許可制度)


4.現在の日本のデフレーションや不良債権問題について、次の@〜Bに答えよ。
@現在のデフレーションの最も本質的な原因は何であると、あなたは考えるか。その原因を1つだけ挙げ、それを現状認識とともに述べよ。
A「目下デフレーションが止まらないのは、日本銀行がマネタリー・ベース(ハイパワード・マネー)を不十分にしか出していないからである。したがって、デフレーションを止めるには今よりもさらに踏み込んだ量的緩和政策を行うべきである。」という見解について、あなたはどのように考えるか。この見解に対する賛否とその理由を述べよ。
B「日本銀行がマネタリー・ベースを増やしても、デフレーションが続いているのは、銀行の不良債権処理がなかなか終わらないからである。したがって、デフレーションを止めるには不良債権処理の加速策を最優先すべきである。」という見解について、あなたはどのように考えるか。この見解に対する賛否とその理由を述べよ。

上記の@〜Bに答えるにあたり、以下の点に注意すること。

◇@〜Bは、あなたの考えの首尾一貫性を問う問題である。したがって、@〜Bに与えられる得点は、それぞれの答案の内容がいかに整合的であるかによって決まる。
◇@〜Bに与えられる得点は、答案の内容が講義担当者の見解と一致しているか否かとは全く関係がなく、唯一絶対の正解が用意されているわけではない。
◇AとBについては、全面的に賛成、反対だけでなく、部分的に賛成(反対)とする考えを示しても構わない。
◇@〜Bの解答では字数を制限しない。ただし、多く書けば高い得点が与えられるというわけではない。短くても要領を得た内容であれば、高い得点が与えられる。

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