連合軍による誤射・誤爆,過剰防衛(疑惑)事件(2005年)

日付は現地時間

1月5日
・ラマディで米軍車列にロケット砲攻撃,直後の米軍の発砲で民間人4人死亡,2人負傷。
1月8日
・モスル南方アイサで米軍のF16が500ポンドGPS誘導爆弾で民家を誤爆,子供7人含む14人死亡,6人負傷(米軍は誤爆で5人死亡と発表)。
・バクダッド南部の検問所付近で米軍車両標的に道路脇の爆弾攻撃,米兵の発砲で無関係のイラク人警官と民間人計4人死亡。
1月10日
・バクバ近くで米軍が偶発的に少女1人を殺害,少年1人を負傷させたと発表。
1月16日
・サーマッラで米軍戦車が車に砲撃しイラク人4人死亡。
1月17日
・ラマディで米軍標的に自動車爆弾の自爆攻撃により米兵3人死亡,米兵の発砲でイラク人3人死亡,9人負傷。
1月18日
・タルアファルの検問所で米兵が自動車に発砲,民間人2人死亡。
1月31日
・バスラ南方ウムカスルのブッカ収容所でイラク人収容者の大規模な暴動,看守の米兵らが収容者4人射殺,6人負傷。
2月2日
・バグダッド西方の高速道路で米軍車列を追い越した車を米兵が銃撃し,運転手1人死亡。
2月11日
・モスルで武装勢力と米軍の銃撃戦,近くにいた民間人2人死亡。
2月20日
・バグダッドで連合軍が車列に接近してきた車に発砲,イラク人1人死亡。
2月23日
・モスルで米軍車列に接近した自動車に米兵が発砲,民間人1人死亡。
2月27日
・バグダッド近郊でアルフッラ記者の車に銃撃,運転手1人死亡,記者1人負傷。
3月4日
・2月4日に拉致されたイタリア人女性記者が解放され,帰国のためバグダッド国際空港に向かう車列に臨時検問所の米兵が銃撃,記者負傷,記者をかばおうとした伊情報部員1人死亡,2人負傷。
・ディワニヤ近くで銃撃によりブルガリア兵1人死亡,[7日にブルガリア国防相が米軍の誤射による死亡と認める]。
3月5日
・バグダッドで米兵が民間人の車に発砲しイラク人夫婦死亡。
3月13日
・モスルでの米軍と武装勢力の交戦中,米軍ヘリの発砲によりイラク人女性1人と子供2人死亡。
3月15日
・ヒート北西バグダディの米軍臨時検問所で米兵の発砲によりイラク軍副司令官死亡。
3月19日
・サマワ南方の幹線道路で小型バスに英軍車両から発砲,イラク人運転手1人負傷。
3月28日
・サーマッラの米・イラク軍検問所に接近した自動車に銃撃,民間人1人死亡。
4月4日
・モスルで武装勢力が米軍車両へ爆弾攻撃,米兵の応戦中の誤射により米CBSカメラマン負傷,米軍が武装勢力支援容疑で逮捕。
4月12日
・カイム北方ルマナを米軍が軍用ヘリなどで攻撃,反米武装組織の拠点と説明,病院情報で民間人11人死亡,17人負傷(アルジャジーラは女性や子供多数含む20人死亡,22人負傷と報道)。
4月17日
・バラドの連合軍基地で迫撃砲発射テスト中に砲弾がモスクを直撃し一部破壊,死傷者なし。
5月10日
・アンバル州北西部ウバイディの検問所に接近中の車に米海兵隊員が発砲,女性と子供計2人死亡,運転手逮捕,米軍は自動車爆弾による自爆攻撃未遂と説明。
5月13日
・アンバル州北西部での武装勢力掃討作戦(マタドール作戦)で米軍戦闘機や攻撃ヘリによる空爆,米兵による民家の強制捜索の実行。米軍の空爆や集中砲火による民間人の死傷者発生・モスクや家屋破壊に対して住民が抗議。
5月26日
・バグダッド南部で米兵が民間人の車を不審車として発砲,母と息子2人計3人死亡。
6月14日
・ラマディの米・イラク軍検問所に自爆攻撃,イラク兵1人死亡,直後に接近した民間人の車に米兵らが発砲し民間人5人死亡,4人負傷,自爆車と誤認と米軍説明。
6月16日
・バグダッド西部で米軍パトロール隊の発砲によりイラク少年1人死亡。
6月24日
・バグダッドで米兵の発砲により米報道機関雇用のイラク人記者1人死亡。
6月26日
・バグダッドで武装勢力が米軍を攻撃,米兵の発砲によりイラキヤ・テレビの女性記者1人死亡。
6月28日
・バグダッドで米軍の発砲によりシャルキヤ・テレビの番組ディレクター1人死亡。
7月29日
・モスル北西シリア国境付近ラビアのイラク軍新兵募集所に徒歩による自爆攻撃,志願者57人死亡,93人負傷,爆発直後の米兵とイラク兵の発砲による死傷者含む。
8月12日
・ラマディ東郊ナサフのモスク付近で爆発,直後の米軍戦闘車両の発砲により子供3人含む民間人4人死亡,19人負傷(ロイターは子供8人含む15人死亡,17人負傷),警察と病院関係者発表,米軍は否定。
8月16日
・バグダッドで武装勢力がパトロール中の米軍に銃撃し米軍ヘリが応戦,戦闘中に民間人1人死亡,23人負傷
8月28日
・バグダッド西部で米軍の発砲によりロイター・テレビの録音技師1人死亡,負傷したイラク人カメラマンを米軍が拘束。
9月4日
・タルアファルで米軍の空爆と砲撃により民間人2人死亡,9人負傷。
9月17日
・カイムで米軍機が民家2カ所を空爆,民間人1人死亡,1人負傷。
9月21日
・バグダッド西部アブグレイブ地区で米軍車列に道路脇の爆弾攻撃,米兵2人負傷,直後の米兵の発砲で民間人1人負傷。
9月24日
・カルバラで米軍車列に接近した民間人の車に米兵が発砲,イラク人家族4人(夫婦と13歳の少年と9歳の少女)死亡。
10月2日
・カイム近郊カラビラで米戦車の砲撃により民間人5人負傷。
10月16日
・ラマディ東部で15日に道路脇の爆弾攻撃により破壊された米軍車両の部品を拾っていた民間人に米軍機が空爆し25人死亡,8人負傷,地元医師や部族長など複数の目撃者情報。
⇔米軍発表は,15日に米兵5人が死亡した地点付近で米軍戦闘機F-15が「テロリスト」20人を発見し精密誘導爆弾で空爆,死者数の言及なし。
・ラマディ北部で米軍ヘリの銃撃により負傷した民間人1人を民家に運ぶ人々に米軍戦闘機が空爆,民間人14人死亡,目撃者情報,AP特派員が少年含む14人の死体確認。
⇔米軍発表は「テロリスト容疑者の隠れ家」を米軍ヘリUH-1NヒューイとAH-1Wコブラが発見,地上からの銃撃に対して応戦し容疑者約10人死亡,その約20分後に米軍F/A-18が同所を再偵察し「テロリスト」容疑者40人前後が武器を車に積み込むのを発見,精密誘導爆弾で空爆し容疑者約40人死亡。
10月31日
・カイム近郊ウバイディを米軍戦闘機が精密誘導爆弾で空爆,米軍はイラク・アルカイダ機構の支部幹部の隠れ家標的と説明,地元病院が子供12人含む民間人40人死亡と発表。
11月2日
・ラマディのヘリ墜落現場近くを米軍戦闘機が500ポンド爆弾で空爆,米軍は武装勢力拠点を標的,死傷者報告なしと発表,地域の医師がイラク人35人死亡と証言。
11月7日
・カイム近郊での武装勢力侵入阻止作戦「鋼鉄のカーテン」作戦で米軍がフサイバ付近を空爆,民間人5人死亡,米軍確認。
11月19日
・ハディサ近郊で作戦行動中の米軍車両にIED攻撃,米海兵隊員1人死亡,直後の銃撃戦で武装勢力8人死亡,民間人15人死亡。
この事件について,2006年5月17日,ジョン・マーサ米下院議員(民主党)が,銃撃戦はなくIED爆発後に兵士が民家に突入して無実の民間人を多数殺害したとの疑惑を発表。ハンター下院軍事委員長が民間人の死者は24人であったとの軍調査報告書の内容を公表。【2006年の注釈】の[5-3],[6-2]も参照されたい。
11月21日
・バクバの米軍基地近くで米兵が民間人の車に発砲し子供1人含む3人死亡,3人負傷と発表,生存者は子供2人含む家族5人死亡,4人負傷と証言。
バクバ駐留米軍のワーレン報道官は不審な動きをした車への警告射撃で子供1人含む3人死亡,3人負傷と発表,その際に「これは悲劇であるが,ザルカウィ・グループが自動車爆弾を利用しているから起こる」と責任転嫁ともとれる発言をしている。
なお,バクバ市の死体安置所の警察医は親戚の葬儀から帰宅途中の5人(子供3人含む)死亡と発表している。

イラクにおける大規模爆弾攻撃事件一覧へ

イラク戦争関連年表のトップへ