3.2 弱視児童生徒の拡大教科書利用実態に関するアンケート調査

新井 哲也・中野 泰志・山本 亮


3.2.1 目的

 拡大教科書は、弱視児童生徒の学習を補償する上で必要不可欠だと言われている。事実、多くの弱視児童生徒が拡大教科書の給与を受けている。しかし、この制度のサステナビリティを考えると、弱視児童生徒にとって有効な拡大教科書を、経済的にも時間的にも効率的作成できるようにする必要がある。果たして、現在、給与されている拡大教科書は、弱視児童生徒にとって有効なのであろうか。また、現在、拡大教科書作成の基準とされている標準規格は必要十分なのであろうか。

 これらの問題について検討するためには、個々の障害の状態に適した拡大教科書が選択できているのか、標準規格で規定されている規格の中に足りない要素や過剰すぎる要素がないか等に関する実態を明らかにする必要がある。そして、これらの実態を拡大教科書作成者にフィードバックし、より適切な拡大教科書をより効率的に作成できるようにしなければならない。

 しかし、これまでこのような観点での調査は、中野(2009)による盲学校高等部を対象とした調査しか系統的なデータがなかった。そこで、本研究では、小中学校の通常学級に在籍している児童生徒を対象に拡大教科書の利用実態を調査することにした。この利用実態から弱視児童生徒の拡大教科書に対する意見を集約できると考えられ、ここで収集された意見を参考にすることで、弱視児童生徒にとって有効であり、なおかつ、現在よりもコストパフォーマンスの高い拡大教科書製作が可能になると予想される。


3.2.2 方法

(1)調査対象

 調査の対象としたのは、1)通常学級または2)弱視特別支援学級に在籍する弱視児童生徒のうち本年度に拡大教科書の給与を受けた者と、3)弱視通級指導教室の担当教員であった。通常学級については、弱視の児童生徒がどこの学校に在籍しているか明らかではなかったため、第1次調査として市町村の教育委員会、国立大学法人、学校法人(実施機関)に調査票を送付し、弱視児童生徒が在籍している学校と生徒数を調査した。弱視特別支援学級については、各学校の在籍数が不明であったため、小中学校合わせて307校に対し各3部の調査票を送付した。ただし東京都の学校には10部を、神奈川県の学校には5部を送付した。また、弱視通級指導教室については、小中学校合わせて137校に対し、各1部の調査票を送付した。

   

(2)手続き

 いずれも郵送式のアンケート調査であった。各調査の調査票を本節の末尾に添付した。

 1)通常学級

 第1次調査の結果、通常学級に在籍し、拡大教科書を使用している弱視児童生徒は計714名であることがわかった。そこで、この714名に対して調査対象該当者のいる実施機関(教育委員会、国立大学法人、学校法人)に宛てて対象者数分の調査票・依頼文・返信用封筒を送付し、実施機関より対象者の通学する学校の担当教諭に依頼して回答してもらった。なお、プライバシー保護の観点より、回答済みの調査票は一旦教育委員会にて回収してもらい、さらに調査機関に返信してもらった。

 2)弱視特別支援学級

 学校宛てに直接、調査票・依頼文・返信用封筒を送付し、郵送にて回収した。担当教諭を通じて児童生徒の回答を得た。

 3)弱視通級指導教室

 学校宛てに直接、調査票・依頼文・返信用封筒を送付し、郵送にて回収した。本調査では、弱視児童生徒の担当教員自身の意見を基に回答してもらった。

   

(3)調査時期

 通常学級調査は平成22年12月〜平成23年2月にかけて、他2つの調査は平成23年1〜3月にかけて実施した。

   


3.2.3 結果・考察

 通常学級調査では305の実施機関から636名分(89%)の有効回答を、弱視特別支援学級調査では138名分の有効回答を、弱視通級指導教室調査では97名分(71%)の有効回答を得た。以下、調査内容ごとに結果を示す。なお、図のタイトルに付した「項目」は、調査票の質問番号を表す。

   

(1)対象者のプロフィール

 通常学級調査と弱視特別支援学級調査における弱視児童生徒のプロフィールを示す。弱視通級指導教室調査における各校のプロフィールについては後述する。

 1)学年

 学年の構成比を図3.2.1、図3.2.2に示した。小学校低学年と高学年の割合が若干小さかったが、全体としてはほぼ均等に回答が得られた。なお、図中の数字は割合(%)である。

図3.2.1 通常学級の弱視児童生徒における学年構成比(項目2(1)):総数は624、そのうち小学校在籍児童が406で、1年生が5.2%、2年生が12.6%、3年生が17.0%、4年生が18.7%、5年生が26.8%、6年生が18.5%、無回答が1.2%。中学校在籍生徒は218で、1年生が37.6%、2年生が29.8%、3年生が32.1%、無回答が0.5%。

図3.2.1 通常学級在籍児童生徒の学年構成比(項目2(1))

※学校や学年を回答していないものが12件あったため、全数が624件となっている。

図3.2.2 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における学年構成比(項目3(1)):総数は127、そのうち小学校在籍児童が87で、1年生が11.5%、2年生が21.8%、3年生が19.5%、4年生が21.8%、5年生が13.8%、6年生が11.5%。中学校在籍生徒は40で、1年生が32.5%、2年生が35.0%、3年生が32.5%。

図3.2.2 弱視特別支援学級在籍児童生徒の学年構成比(項目3(1))

※学校や学年を回答していないものが11件あったため、全数が127件となっている。

   

 2)性別

 性別の分布を図3.2.3、図3.2.4に示した。両調査ともに若干、男子の割合が多かった。

図3.2.3 通常学級の弱視児童生徒における性別の分布(項目2(2)):総数は636で、男子生徒が370(58.2%)、女子生徒が254(39.9%)、無回答が12(1.9%)。

図3.2.3 通常学級在籍児童生徒の性別分布(項目2(2))

図3.2.4 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における性別の分布(項目3(2)):総数は138で、男子生徒が71(51.4%)、女子生徒が56(40.6%)、無回答が11(8.0%)。

図3.2.4 弱視特別支援学級在籍児童生徒の性別分布(項目3(2))

   

 3)視力

 視力(矯正含む)の分布を図3.2.5〜図3.2.12に示した。小数視力での表記とアルファベットによる区分表記(A判定は視力1.0以上、B判定は視力0.7〜0.9、C判定は視力0.3〜0.6、D判定は視力0.2以下)が混在していたため、表記をA〜Dの区分表記に統一した上で集計を行った。その結果、無回答を除くと視力0.3未満(区分D)の児童生徒が通常学級で8割近くを、弱視特別支援学級で9割以上を占めることがわかった。

図3.2.5 通常学級の弱視児童生徒における視力の分布:右眼(項目2.3.A):総数は636で、区分Aが13(2.0%)、Bが34(5.3%)、Cが80(12.6%)、Dが389(61.2%)、その他が40(6.3%)、無回答が82(12.9%)。

図3.2.5 通常学級在籍児童生徒の右眼の視力分布(項目2.3.A)

図3.2.6 通常学級の弱視児童生徒における視力の分布:左眼(項目2.3.B):総数は636で、区分Aが14(2.2%)、Bが33(5.2%)、Cが74(11.6%)、Dが399(62.7%)、その他が34(5.3%)、無回答が82(12.9%)。

図3.2.6 通常学級在籍児童生徒の左眼の視力分布(項目2.3.B)

図3.2.7 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における遠距離視力(左右別)の分布:右眼(項目3.4-1A):総数は138で、区分Aが0(0.0%)、Bが1(0.7%)、Cが4(2.9%)、Dが74(53.6%)、その他が2(1.4%)、無回答が57(41.3%)。

図3.2.7 弱視特別支援学級在籍児童生徒の右眼の遠距離視力の分布(項目3.4-1A)

図3.2.8 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における遠距離視力(左右別)の分布:左眼(項目3.4-1B):総数は138で、区分Aが1(0.7%)、Bが1(0.7%)、Cが4(2.9%)、Dが69(50.0%)、その他が3(2.2%)、無回答が60(43.5%)。

図3.2.8 弱視特別支援学級在籍児童生徒の左眼の遠距離視力の分布(項目3.4-1B)

図3.2.9 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における遠距離視力(両眼)の分布(項目3.4-1C):総数は138で、区分Aが0(0.0%)、Bが1(0.7%)、Cが2(1.4%)、Dが39(28.3%)、その他が0(0.0%)、無回答が96(69.5%)。

図3.2.9 弱視特別支援学級在籍児童生徒の両眼の遠距離視力の分布(項目3.4-1C)

図3.2.10 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における近距離視力(左右別)の分布:右眼(項目3.4-2A):総数は138で、区分Aが0(0.0%)、Bが1(0.7%)、Cが2(1.4%)、Dが42(30.4%)、その他が2(1.4%)、無回答が91(65.9%)。

図3.2.10 弱視特別支援学級在籍児童生徒の右眼の近距離視力の分布(項目3.4-2A)

図3.2.11 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における近距離視力(左右別)の分布:左眼(項目3.4-2B):総数は138で、区分Aが0(0.0%)、Bが1(0.7%)、Cが3(2.2%)、Dが46(33.3%)、その他が1(0.7%)、無回答が87(63.0%)。

図3.2.11 弱視特別支援学級在籍児童生徒の左眼の近距離視力の分布(項目3.4-2B)

図3.2.12 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における近距離視力(両眼)の分布(項目3.4-2C):総数は138で、区分Aが0(0.0%)、Bが1(0.7%)、Cが1(0.7%)、Dが33(23.9%)、その他が0(0.0%)、無回答が103(74.6%)。

図3.2.12 弱視特別支援学級在籍児童生徒の両眼の近距離視力の分布(項目3.4-2C)

   

 4)視力以外の見えにくさ

 視力以外の見えにくさを図3.2.13、図3.2.14にまとめた。いずれの調査でも4割前後の児童生徒が視野の狭さ(視野狭窄)やまぶしさ(羞明)があることがわかった。視野狭窄の場合には一度に視認できる範囲が晴眼者よりも狭いため、拡大教科書作成の際には文字が大きすぎないように考慮したり、字間・行間が広くなりすぎないように考慮したりする必要がある。また、羞明を感じる場合には輝度の高い紙面に対してまぶしさを感じ、文字が読みにくくなるため、輝度を抑えた用紙を使用する必要がある。また、まぶしさがとても強い場合には、タイポスコープやプライベートサービスによる白黒反転等も考慮する必要があると思われる。

図3.2.13 通常学級の弱視児童生徒における視力以外の見えにくさ(項目2(4))[複数回答]:総数は636で、屋外などの明るいところはまぶしくて見えにくいが229(36.0%)、薄暗くなると途端に見えにくくなるが164(25.8%)、視野が狭いが279(43.9%)、中心部が見えにくいが57(9.0%)、視野のところどころに見えにくいところがあるが104(16.4%)、色の区別が難しいが90(14.2%)、目が揺れてしまって見えにくいが121(19.0%)、その他が54(8.5%)、無回答が110(17.3%)。

図3.2.13 通常学級在籍児童生徒の視力以外の見えにくさ(項目2(4))[複数回答]

図3.2.14 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における視力以外の見えにくさ(項目3(6))[複数回答]:総数は138で、屋外などの明るいところはまぶしくて見えにくいが60(43.5%)、薄暗くなると途端に見えにくくなるが21(15.2%)、視野が狭いが68(49.3%)、中心部が見えにくいが16(11.6%)、視野のところどころに見えにくいところがあるが19(13.8%)、色の区別が難しいが26(18.8%)、目が揺れてしまって見えにくいが24(17.4%)、その他が8(5.8%)、無回答が29(21.0%)。

図3.2.14 弱視特別支援学級在籍児童生徒の視力以外の見えにくさ(項目3(6))[複数回答]

   

 5)視覚以外の障害

 視覚以外の障害について図3.2.15、図3.2.16に示した。全体として数は少ないが、重複障害のある児童生徒が一定の割合でいることがわかった。

図3.2.15 通常学級の弱視児童生徒における視覚以外の障害(項目2(5))[複数回答]:総数は636で、聴覚障害があるが13(2.0%)、肢体不自由があるが41(6.4%)、その他が97(15.3%)。

図3.2.15 通常学級在籍児童生徒の視覚以外の障害(項目2(5))[複数回答]

図3.2.16 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における視覚以外の障害(項目3(7))[複数回答]:総数は138で、聴覚障害があるが1(0.7%)、肢体不自由があるが13(9.4%)、その他が34(24.6%)。

図3.2.16 弱視特別支援学級在籍児童生徒の視覚以外の障害(項目3(7))[複数回答]

 また、図3.2.17、図3.2.18に「その他」の障害の内容を示した。いずれの調査でも知的障害のある児童生徒が多いことがわかった。

図3.2.17 通常学級の弱視児童生徒におけるその他の障害:総数は54で、知的障害が14、白子症が8、発達障害が7、学習障害が3ダウン症が2、その他が20。

図3.2.17 通常学級在籍児童生徒のその他の障害

図3.2.18 弱視特別支援学級の弱視児童生徒におけるその他の障害 [複数回答]:総数は27で、知的障害が14、自閉症が8、その他が7。

図3.2.18 弱視特別支援学級在籍児童生徒のその他の障害 [複数回答]

   

 6)よく使用している補助具

 日常的に使用している補助具について図3.2.19、図3.2.20にまとめた。いずれの調査でもルーペや単眼鏡といった拡大補助具を使用している児童生徒が多かったが、その割合は弱視特別支援学級の方が高かった。また、弱視特別支援学級で拡大読書器の使用率は51%、傾斜机は38%と多くの児童生徒が使用していたが、その一方で通常学級ではいずれも13%であった。弱視特別支援学級の児童生徒の方が補助具を利用している割合が高いのは、個別指導が必要なより重度の弱視児童生徒が在籍していることや通常学級ではクラスメイトの目を気にして補助具を使いたがらないという精神的な面等が影響していると考えられる。

図3.2.19 通常学級の弱視児童生徒がよく使用している補助具(項目2(6))[複数回答]:総数は636で、ルーペが248(39.0%)、拡大読書器が83(13.1%)、単眼鏡が215(33.8%)、机上灯が20(3.1%)、傾斜机が85(13.4%)、遮光眼鏡が65(10.2%)、その他が64(10.1%)。

図3.2.19 通常学級在籍児童生徒がよく使用している補助具(項目2(6))[複数回答]

図3.2.20 弱視特別支援学級の弱視児童生徒がよく使用している補助具(項目3(9))[複数回答]:総数は138で、ルーペが75(54.3%)、拡大読書器が53(38.4%)、単眼鏡が64(46.4%)、机上灯が13(9.4%)、傾斜机が72(52.2%)、遮光眼鏡が22(15.9%)、その他が9(6.5%)。

図3.2.20 弱視特別支援学級在籍児童生徒がよく使用している補助具(項目3(9))[複数回答]

   

 7)拡大教科書使用時の補助具の併用状況(弱視特別支援学級調査のみ)

 拡大教科書を使用する際の補助具の併用状況を図3.2.21にまとめた。約半数の児童生徒が補助具を併用していることが明らかになった。次に、併用している補助具を図3.2.22にまとめた。傾斜机を使用しているケースが最も多かったが、ルーペを併用しているケースも約2割あった。

図3.2.21 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における拡大教科書使用時の補助具の併用状況(項目3(10)A):総数は138で、併用しているが68(49.3%)、併用していないが52(37.7%)、無回答が18(13.0%)。

図3.2.21 弱視特別支援学級在籍児童生徒の拡大教科書と補助具の併用の有無(項目3(10)A)

図3.2.22 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における併用している補助具(項目3(10)B)[複数回答]:総数は138で、ルーペが29(21.0%)、拡大読書器が20(14.5%)、机上灯が10(7.2%)、傾斜机が47(34.1%)、遮光眼鏡が7(5.1%)、その他が4(2.9%)。

図3.2.22 弱視特別支援学級在籍児童生徒が併用している補助具(項目3(10)B)[複数回答]

   

 8)通級による指導利用の有無(通常学級調査のみ)

 通級による指導、すなわち弱視通級指導教室や視覚障害特別支援学校等で定期的な指導を受けているか否かについて調べた結果を図3.2.23に示した。通級指導を受けているのは全体の2割程度であることがわかった。通常学級に在籍していて通級指導を受けていない弱視児童生徒は、拡大教科書や補助具等の選定・指導をどこでどのように受けているのか今後の調査が必要だと考えられる。

図3.2.23 通常学級の弱視児童生徒における通級による指導利用の有無(項目2(7)):総数が636で、有が14(22.8%)、無が468(73.6%)、無回答が23(3.6%)。

図3.2.23 通常学級在籍児童生徒の通級指導利用の有無(項目2(7))

   

 9)弱視通級指導教室のプロフィール

 以下に弱視通級指導教室調査の対象となった学校のプロフィールを示す。

 (a) 本年度の弱視通級指導教室設置の有無

 本年度の弱視通級指導教室設置の有無を図3.2.24に示した。本年度、設置している学校は19校で、全体の2割程度であることがわかった。

図3.2.24 通級指導教室における本年度の弱視通級指導教室設置の有無(項目2.A):総数は97校で、有が19校(19.6%)、無が76校(78.4%)、無回答が2校(2.1%)。

図3.2.24 通級指導教室における本年度の弱視通級指導教室設置の有無(項目2.A)

 (b) 弱視児童生徒数

 通級する弱視児童生徒数を図3.2.25に示した。5〜9人および10人以上が通級する学校が最も多く、合わせて全体の半数以上を占めることがわかった。

図3.2.25 通級指導教室における弱視児童生徒数(項目2.B):総数は19校で、0が4校(21.1%)、1が2校(10.5%)、2が2校(10.5%)、3〜4が1校(5.3%)、5〜9が5校(26.3%)、10以上が5校(26.3%)、無回答が0校(0.0%)。

図3.2.25 通級指導教室で指導を受けている弱視児童生徒数(項目2.B)

 (c)弱視特別支援学級併設の有無

 本年度の弱視特別支援学級併設の有無について図3.2.26に示した。本年度、併設している学校は1校のみ(1.0%)であった。

図3.2.26 通級指導教室における弱視特別支援学級設置の有無(項目3.A):総数は97校で、有が1校(1.0%)、無が76校(78.4%)、無回答が20校(20.6%)。

図3.2.26 通級指導教室における弱視特別支援学級併設の有無(項目3.A)

 (d)弱視特別支援学級の児童生徒数

 弱視特別支援学級を併設している1校における児童生徒数は8人であった。

   

(2)平成22年度に給与を受けた拡大教科書について

 本年度に給与された拡大教科書の利用実態、児童生徒の満足度、および使用教科書の問題点について以下に示す。

 1)利用している拡大教科書の原典教科書発行者・拡大教科書発行者

 児童生徒が給与を受けた拡大教科書の原典教科書発行者および拡大教科書発行者を表3.2.1、表3.2.2にまとめた。

表3.2.1 通常学級在籍児童生徒が給与を受けた拡大教科書の原典教科書・拡大教科書発行者

原典教科書発行者
件数
東京書籍
1025
29.5
光村図書出版
380
11.0
新興出版啓林館
379
10.9
教育出版
330
9.5
教育芸術社
227
6.5
大日本図書出版
226
6.5
開隆堂出版
193
5.6
日本文教出版
182
5.2
帝国書院
169
4.9
学校図書
122
3.5
三省堂
59
1.7
学研
49
1.4
学研教育みらい
20
0.6
文部科学省
14
0.4
キューズ
12
0.3
学習研究社
10
0.3
その他
53
0.0
無回答
20
0.6
合 計
3470
100.0

   

拡大教科書発行者
件数
キューズ
265
7.6
新興出版啓林館
208
6.0
光村図書出版
203
5.9
大活字
196
5.6
東京書籍
159
4.6
柏市拡大写本サークル
132
3.8
大日本図書出版
114
3.3
点友会
111
3.2
教育出版
107
3.1
拡大写本グループあい
106
3.1
教育芸術社
98
2.8
下丸子図書館拡大写本研究会
88
2.5
小林聖心女子学院たんぽぽ会
88
2.5
開隆堂出版
86
2.5
たんぽぽ会
71
2.0
日本文教出版
69
2.0
四街道拡大写本の会
59
1.7
拡大写本こくぶんじ
51
1.5
学校図書
41
1.2
愛知県視覚障害者援護促進協議会
40
1.2
NPO法人ぽこ・あ・ぽこ
39
1.1
文部科学省
36
1.0
その他
861
0.0
無回答
242
0.6
合 計
3470
100.0

※回答のあった教科書の科目の内訳は以下の通りである。

教科
件数
構成比
数学
188
5.4
算数
392
11.3
国語
597
17.2
書写
90
2.6
理科
386
11.1
理科(1分野)
83
2.4
理科(2分野)
83
2.4
科学
6
0.2
英語
198
5.7
外国語
5
0.1
社会
274
7.9
歴史
90
2.6
地理
88
2.5
地図帳
134
3.9
公民
24
0.7
生活
17
0.5
体育
6
0.2
美術
86
2.5
図工
57
1.6
音楽
262
7.6
器楽
41
1.2
技術・家庭
97
2.8
家庭
128
3.7
保健
48
1.4
保健体育
90
2.6
合計
3470
100.0

   

表3.2.2 弱視特別支援学級在籍児童生徒が給与を受けた拡大教科書の原典教科書・拡大教科書発行者

原典教科書発行者
件数
構成比
東京書籍
232
33.9
啓林館
64
9.3
教育出版
62
9.1
教育芸術社
51
7.4
帝国書院
51
7.4
光村図書出版
47
6.9
日本文教出版
41
6.0
大日本図書
32
4.7
開隆堂
29
4.2
学校図書
17
2.5
三省堂
15
2.2
学研
10
1.5
大阪書籍
4
0.6
学習研究社
3
0.4
文部科学省
3
0.4
(株)新興出版社啓林館
2
0.3
学研教育みらい
2
0.3
日本文教出版(旧大書)
2
0.3
学研みらい
1
0.1
学研教育
1
0.1
旧大阪書籍
1
0.1
新興出版啓林館
1
0.1
大日本出版
1
0.1
(株)キューズ
1
0.1
無回答
12
1.8
合 計
685
100.0

   

拡大教科書発行者
件数
構成比
大活字
52
7.6
東京書籍
40
5.8
(株)キューズ
32
4.7
教育出版
30
4.4
拡大写本グループあい
28
4.1
啓林館
26
3.8
教育芸術社
24
3.5
光村図書出版
24
3.5
大日本図書
22
3.2
小林聖心女子学院たんぽぽ会
19
2.8
ボランティア
17
2.5
開隆堂
17
2.5
日本文教出版
17
2.5
NPO法人ぽこ・あ・ぽこ
17
2.5
国立特別支援教育総合研究所
15
2.2
点友会
15
2.2
新興出版社啓林館
10
1.5
文部科学省
10
1.5
拡大写本ルーペの会
9
1.3
三省堂
9
1.3
拡大写本ボランティア「ともしび」
8
1.2
山梨県拡大写本赤十字奉仕団
8
1.2
帝国書院
8
1.2
その他
198
28.9
無回答
30
4.4
合 計
685
100.0

※回答のあった教科書の科目の内訳は以下の通りである。

教科
件数
構成比
数学
31
4.5
算数
84
12.3
国語
115
16.8
書写
17
2.5
理科
70
10.2
理科(1分野)
16
2.3
理科(2分野)
14
2.0
英語
35
5.1
外国語
1
0.1
社会
62
9.1
歴史
14
2.0
地理
14
2.0
地図
13
1.9
地図帳
15
2.2
公民
3
0.4
生活
8
1.2
体育
1
0.1
美術
15
2.2
図工
17
2.5
音楽
59
8.6
器楽
10
1.5
家庭
26
3.8
技術
17
2.5
保健
28
4.1
合計
685
100.0

   

 2)文字サイズ

 給与を受けた拡大教科書の文字サイズを図3.2.27、図3.2.28にまとめた。このデータは、個々の弱視児童生徒が利用しているすべての拡大教科書について調査した結果である。通常学級でも弱視特別支援学級でも、標準規格に規定されている「22ポイント」が最も多く選択されており、次いで「26ポイント」が多いことがわかった。次に多かったのは、27ポイント以上の文字サイズで、15%程度であった。つまり、標準規格の拡大教科書では、22ポイント、26ポイントの比較的大きな文字サイズが選択されており、その次に多く選択されていたのは27ポイント以上のボランティアによるプライベートサービスであることがわかった。なお、「18ポイント」の拡大教科書は、標準規格に設定されているにもかかわらず、通常学級で5.7%、弱視特別支援学級で2.9%と非常に少ないことが明らかになった。今後、標準規格の文字サイズが3種類必要なのかどうかに関する調査が必要だと考えられる。

図3.2.27 通常学級の弱視児童生徒における給与を受けた拡大教科書の文字サイズ(教科書ごとに回答):総数は3470で、18ポイント未満が171(4.9%)、18ポイントが199(5.7%)19以上22ポイント未満が183(5.3%)、22ポイントが1206(34.8%)、23以上26ポイント未満が86(2.5%)、26ポイントが1026(29.6%)、27ポイント以上が459(13.2%)、その他が32(3.1%)、無回答が108(3.1%)。

図3.2.27 通常学級在籍児童生徒が給与を受けた拡大教科書の文字サイズ

図3.2.28 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における給与を受けた拡大教科書の文字サイズ(教科書ごとに回答):総数は685で、18ポイント未満が46(6.7%)、18ポイントが20(2.9%)19以上22ポイント未満が37(5.4%)、22ポイントが250(36.5%)、23以上26ポイント未満が15(2.2%)、26ポイントが186(27.2%)、27ポイント以上が109(15.9%)、その他が2(0.3%)、無回答が20(2.9%)。

図3.2.28 弱視特別支援学級在籍児童生徒が給与を受けた拡大教科書の文字サイズ

   

 3)判サイズ

 給与を受けた拡大教科書の判サイズを図3.2.29、図3.2.30にまとめた。このデータは、個々の弱視児童生徒が利用しているすべての拡大教科書について調査した結果である。通常学級でも弱視特別支援学級でも「A4」サイズが5割前後を占め、ついで「B5」サイズが多かった。また、それ以外の判サイズは非常に少なかった。

図3.2.29 通常学級の弱視児童生徒における給与を受けた拡大教科書の判サイズ(教科書ごとに回答):総数は3470で、A5が43(1.2%)、B5が1086(31.3%)、A4が1920(55.3%)、B4が123(3.5%)、A3が27(0.8%)、290×290mmが37(1.1%)、その他が40(1.2%)、無回答が194(5.6%)。

図3.2.29 通常学級在籍児童生徒が給与を受けた拡大教科書の判サイズ

図3.2.30 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における給与を受けた拡大教科書の判サイズ(教科書ごとに回答):総数は685で、A5が11(1.6%)、B5が297(43.4%)、A4が323(47.2%)、B4が15(2.2%)、A3が7(1.0%)、290×290mmが10(1.5%)、その他が4(0.6%)、無回答が18(2.6%)。

図3.2.30 弱視特別支援学級在籍児童生徒が給与を受けた拡大教科書の判サイズ

   

 4)分冊数

 給与を受けた拡大教科書の分冊数を図3.2.31、図3.2.32に示した。このデータは、個々の弱視児童生徒が利用しているすべての拡大教科書について調査した結果である。分冊数が「1冊」、すなわち分冊なしの回答は15%前後にとどまっており、大半の拡大教科書は2冊以上に分冊されていることがわかった。なお、図中の「分冊0」の回答は、分冊の数え方に関する回答者の解釈の違いによって生じたもので、「分冊1」と同義である。

図3.2.31 通常学級の弱視児童生徒における給与を受けた拡大教科書の分冊数(教科書ごとに回答):総数は3470で、0冊が10(0.3%)、1冊が588(16.9%)、2冊が790(22.8%)、3冊が547(15.8%)、4冊が332(9.6%)、5冊以上10冊未満が563(16.2%)、10冊以上が261(7.5%)、その他が264(7.6%)、無回答が115(3.3%)。

図3.2.31 通常学級在籍児童生徒が給与を受けた拡大教科書の分冊数

図3.2.32 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における給与を受けた拡大教科書の分冊数(教科書ごとに回答):総数は685で、0冊が1(0.1%)、1冊が102(14.9%)、2冊が148(21.6%)、3冊が96(14.0%)、4冊が49(7.2%)、5冊以上10冊未満が120(17.5%)、10冊以上が68(9.9%)、その他が72(10.5%)、無回答が29(4.2%)。

図3.2.32 弱視特別支援学級在籍児童生徒が給与を受けた拡大教科書の分冊数

   

 5)拡大教科書の使用場面

 給与を受けた拡大教科書の使用場面を図3.2.33、図3.2.34に示した。「授業中と自宅の両方で使用している」と「授業中に使用している」を合わせると9割近くに及ぶことから、ほとんどの児童生徒が授業で拡大教科書を使用していることがわかった。なお、このデータは、拡大教科書ごとに調査した結果である。

図3.2.33 通常学級の弱視児童生徒における給与を受けた拡大教科書の使用場面(教科書ごとに回答):総数は3470で、授業中に使用しているが1409(40.6%)、自宅学習で使用しているが299(8.6%)、授業と自宅の両方で使用しているが1612(46.5%)、無回答が150(4.3%)。

図3.2.33 通常学級在籍児童生徒が給与を受けた拡大教科書の使用場面

図3.2.34 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における給与を受けた拡大教科書の使用場面(教科書ごとに回答):総数は685で、授業中に使用しているが351(51.2%)、自宅学習で使用しているが34(5.0%)、授業と自宅の両方で使用しているが253(36.9%)、無回答が47(6.9%)。

図3.2.34 弱視特別支援学級在籍児童生徒が給与を受けた拡大教科書の使用場面

   

 6)拡大教科書の満足度

 給与を受けた拡大教科書の満足度を図3.2.35、図3.2.36に示した。「とても満足」と「やや満足」と合わせると、8割程度の拡大教科書が満足に使用されていることがわかった。なお、このデータは、拡大教科書ごとに調査した結果である。

図3.2.35 通常学級の弱視児童生徒における給与を受けた拡大教科書の満足度(教科書ごとに回答):総数は3470で、とても満足が1254(36.1%)、やや満足が1700(49.0%)、やや不満が306(8.8%)、とても不満が68(2.0%)、無回答が142(4.1%)。

図3.2.35 通常学級在籍児童生徒が給与を受けた拡大教科書の満足度

図3.2.36 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における給与を受けた拡大教科書の満足度(教科書ごとに回答):総数は685で、とても満足が178(26.0%)、やや満足が350(51.1%)、やや不満が79(11.5%)、とても不満が15(2.2%)、無回答が63(9.2%)。

図3.2.36 弱視特別支援学級在籍児童生徒が給与を受けた拡大教科書の満足度

   

 7)拡大教科書を使用して困ることの有無

 給与を受けた拡大教科書を使用して困ることがあるか否かを図3.2.37、図3.2.38に示した。前項では8割近くが満足して使用している実態が明らかになった一方で、困ることが「有る」割合は5割を超え、半数以上の拡大教科書について何らかの問題点があることがわかった。なお、このデータは、拡大教科書ごとに調査した結果である。

図3.2.37 通常学級の弱視児童生徒における給与を受けた拡大教科書を使用して困ることの有無(教科書ごとに回答):総数は3470で、有が1859(53.6%)、無が1376(39.7%)、無回答が235(6.8%)。

図3.2.37 通常学級在籍児童生徒が給与を受けた拡大教科書を使用して困ることの有無

図3.2.38 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における給与を受けた拡大教科書を使用して困ることの有無(教科書ごとに回答):総数は685で、有が375(54.7%)、無が221(32.3%)、無回答が89(13.0%)。

図3.2.38 弱視特別支援学級在籍児童生徒が給与を受けた拡大教科書を使用して困ることの有無

   

 8)拡大教科書を使用して困る点

 給与を受けた拡大教科書を使用して困る点を図3.2.39、図3.2.40に示した(このデータは、拡大教科書ごとに調査した結果である)。回答が最も多かったのは、「先生の指示するページがわかりにくい」であった。以下、「教科書が重すぎて使いにくい、持ち運びにくい」、「分冊が多すぎて使いにくい」、「教科書が大きすぎて使いにくい、持ち運びにくい」、「教科書が厚すぎて使いにくい、持ち運びにくい」、「図表や注釈の配置がわかりにくい」などが多く挙げられていた。レイアウト変更版の拡大教科書の場合、文字サイズを大きく出来る点はメリットであるが、ページ対応がとれないこと、重くなること、分冊が多くなること等のデメリットも覚悟しなければならない。教科書選択をする際、これらのデメリットがあることも考慮する必要がある。また、ページ対応がとれていない拡大教科書を使いこなすための訓練等も考慮する必要があると考えられる。これらの問題点を解決する一つの方法として、本研究では、サンプル版拡大教科書を試作した。

図3.2.39 通常学級の弱視児童生徒における拡大教科書を使用して困る点(教科書ごとに回答):総数は3470で、文字が小さくて見にくいが58(1.7%)、文字が細くて見にくいが27(0.8%)、文字の形(書体)がわかりにくいが6(0.2%)、行の間隔が狭くて見にくいが38(1.1%)、文字の間隔が狭くて見にくいが26(0.7%)、教科書が大きすぎて使いにくい、持ち運びにくいが681(19.6%)、教科書が厚すぎて使いにくい、持ち運びにくいが638(18.4%)、教科書が重すぎて使いにくい、持ち運びにくいが768(22.1%)、分冊が多すぎて使いにくいが697(20.1%)、図表や注釈の配置がわかりにくいが400(11.5%)、図表が小さくて読み取りにくいが87(2.5%)、文字や図表の色が見にくいが79(2.3%)、文章の方向が自分の見え方と合っていないので読みにくいが16(0.5%)、色やインクが光ってまぶしいが5(0.1%)、ページがわかりにくいが449(12.9%)、先生の指示するページがわかりにくいが819(23.6%)、その他が181(5.2%)。

図3.2.39 通常学級在籍児童生徒が拡大教科書を使用して困る点

図3.2.40 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における拡大教科書を使用して困る点(教科書ごとに回答):総数は685で、文字が小さくて見にくいが16(2.3%)、文字が細くて見にくいが24(3.5%)、文字の形(書体)がわかりにくいが4(0.6%)、行の間隔が狭くて見にくいが4(0.6%)、文字の間隔が狭くて見にくいが4(0.6%)、教科書が大きすぎて使いにくい、持ち運びにくいが112(16.4%)、教科書が厚すぎて使いにくい、持ち運びにくいが71(10.4%)、教科書が重すぎて使いにくい、持ち運びにくいが93(13.6%)、分冊が多すぎて使いにくいが122(17.8%)、図表や注釈の配置がわかりにくいが117(17.1%)、図表が小さくて読み取りにくいが21(3.1%)、文字や図表の色が見にくいが22(3.2%)、文章の方向が自分の見え方と合っていないので読みにくいが2(0.3%)、色やインクが光ってまぶしいが5(0.7%)、ページがわかりにくいが62(9.1%)、先生の指示するページがわかりにくいが138(20.1%)、その他が57(8.3%)。

図3.2.40 弱視特別支援学級在籍児童生徒が拡大教科書を使用して困る点

   

 どのような教科書についてどのような問題点が指摘されているかを明らかにするため、主要な問題点ごとにクロス集計を行った。「教科書が大きすぎて使いにくい、持ち運びにくい」という回答について、どのような判サイズの教科書が問題とされているかを明らかにするため、当該項目に対する判サイズごとの回答率を図3.2.41、図3.2.42にまとめた。いずれの調査でもA4サイズの教科書のうち2割程度が大きすぎて使いにくい、持ち運びにくいと判断されているほか、290×290mmの正方形の教科書も高い割合で選択されている。大きいほど使いにくいといった一定の傾向は見られなかったが、いずれの判サイズであっても使いやすさ、持ち運びやすさを問題としている児童生徒がいることが明らかになった。

図3.2.41 通常学級の弱視児童生徒における判サイズごとの「教科書が大きすぎて使いにくい、持ち運びにくい」と回答された割合:総数は3470で、A5が2(4.7%)、B5が137(12.6%)、A4が367(19.1%)、B4が6(4.9%)、A3が3(11.1%)、290×290mmが10(27.0%)、その他が13(32.5%)。

図3.2.41 判サイズごとの「教科書が大きすぎて使いにくい、持ち運びにくい」と回答された割合(通常学級在籍児童生徒)

※無回答の件数を図中に示していないため、各判サイズの件数の合計は全体の総数(3470件)と一致しない。

図3.2.42 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における判サイズごとの「教科書が大きすぎて使いにくい、持ち運びにくい」と回答された割合:総数は685で、A5が1(9.1%)、B5が17(5.7%)、A4が58(18.0%)、B4が10(66.7%)、A3が1(14.3%)、290×290mmが7(70.0%)、その他が1(25.0%)

図3.2.42 判サイズごとの「教科書が大きすぎて使いにくい、持ち運びにくい」と回答された割合(弱視特別支援学級在籍児童生徒)

※無回答の件数を図中に示していないため、各判サイズの件数の合計は全体の総数(685件)と一致しない。

   

 次に、「分冊が多すぎて使いにくい」という回答について、どのような分冊数の教科書が問題とされているかを分析するため、当該項目に対する分冊数ごとの回答率を図3.2.43、図3.2.44にまとめた。その結果、分冊数が多くなるほど使いにくいと判断される割合が増加する傾向が明確にあらわれた。また、4分冊までであれば、8割の児童生徒は分冊数の多さを大きな問題としないことも明らかになった。

図3.2.43 通常学級の弱視児童生徒における分冊数ごとの「分冊が多くて使いにくい」と回答された割合:総数は3470で、0冊が0(0.0%)、1冊が28(4.8%)、2冊が81(10.3%)、3冊が115(21.0%)、4冊が68(20.5%)、5冊〜10冊未満が158(28.1%)、10冊以上が110(42.1%)、その他が42(15.9%)。

図3.2.43 利用している教科書の分冊数ごとの「分冊が多くて使いにくい」と回答された割合(通常学級在籍児童生徒)

※無回答の件数を図中に示していないため、各判サイズの件数の合計は全体の総数(3470件)と一致しない。

図3.2.44 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における分冊数ごとの「分冊が多くて使いにくい」と回答された割合:総数は685で、0冊が0(0.0%)、1冊が1(1.0%)、2冊が6(4.1%)、3冊が18(18.8%)、4冊が8(16.3%)、5冊〜10冊未満が32(26.7%)、10冊以上が22(32.4%)、その他が16(2.3%)。

図3.2.44 利用している教科書の分冊数ごとの「分冊が多くて使いにくい」と回答された割合(弱視特別支援学級)

※無回答の件数を図中に示していないため、各判サイズの件数の合計は全体の総数(685件)と一致しない。

   

 また、「その他」記述内容を分類し、主要な問題を以下にまとめた。なお、自由記述の全文は本節の末尾に資料として記載した。

 i)製本に関する問題

 特に理科や社会ではリング製本されている教科書が多いが、リングの部分がかさばる問題や、ページがめくり難いという問題が指摘された。また、リング製本に限らず、使用しているうちにページが破れるという問題を指摘する回答も多かった。これらの問題は、教科書の使い勝手に大きく影響する問題であり、通常教科書と同様の製本方法を検討するなど、対策が急務であると考えられる。

 ii)原本教科書の再現性の問題

 特に国語において、原本ではカラーで印刷されている図や挿絵が白黒で印刷されていたり、挿絵が省略されていたりすることで、児童生徒が物語の情景などを捉えにくいという問題が指摘された。また、図や絵が小さくて読み取れないという指摘がある一方で、大きすぎて読み取れないという問題も指摘された。大きな図では部分を読み取ることしかできず、全体像が把握できないことが挙げられた。特に社会の地図などでは地形や位置関係といった全体の様子を押さえる必要があるため、このような問題が学習へ与える影響は大きい。したがって、各単元の意図に応じて拡大率を変えたり、通常の大きさの図と拡大した図を併載したりといった対応が望まれる。

 iii)文字サイズの問題

 前述の通り文字サイズが小さいことを問題として挙げた児童生徒が少なかった反面、文字が大きすぎるという記述が散見された。実際に使用してみると文字が大きすぎて使いにくいというもので、この結果は拡大教科書の選定が適切に行われておらず、児童生徒に適した教科書が給与されていない可能性を示唆している。

 以上の問題を児童生徒が感じていたとしても、現状ではその意見を作成者に円滑に届けられる仕組みは公式には存在していない。しかしながら、児童生徒のニーズに基づいた教科書作成を実現するためには両者間のコミュニケーションが必須である。そのシステムの構築に関する提言は第4章にて行う。

   

 9)通常教科書の利用の有無

 給与を受けた拡大教科書以外に通常教科書を利用しているか否かを図3.2.45、図3.2.46に示した。本来、拡大教科書だけで十分であるはずだが、文字サイズが小さい通常の教科書も併用しているケースが、在籍学級に限らず、2割程度あることがわかった。

図3.2.45 通常学級の弱視児童生徒における通常教科書の利用の有無(教科書ごとに回答):総数は3470で、有が760(21.9%)、無が2584(74.5%)、無回答が126(3.6%)。

図3.2.45 通常学級在籍児童生徒における通常教科書の併用の有無

図3.2.46 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における通常教科書の利用の有無(教科書ごとに回答):総数は685で、有が146(21.3%)、無が501(73.1%)、無回答が38(5.5%)。

図3.2.46 弱視特別支援学級在籍児童生徒における通常教科書の併用の有無

 通常の教科書を併用している理由を整理した結果、ページが発見しやすいことや分冊数が少なく、大きさも重さも適切であるからという意見が多かった。これらの児童生徒は、選定の際に、これら拡大教科書のデメリットを十分理解していなかった可能性があり、今後、さらに原因を究明する必要があると考えられる。なお、自由記述の全文は本節の末尾に資料として記載した。

   

 10)拡大教科書を使いたくないと思うことの有無(弱視特別支援学級調査のみ)

 拡大教科書を使いたくないと思うことの有無を図3.2.47にまとめた。「使いたくないと思うことはない」割合は58.0%と全体の約6割を占めていたが、「使いたくないと思うことがある」児童生徒が26.8%もいることがわかった

図3.2.47 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における拡大教科書を使いたくないと思うことの有無(項目2.2):総数は138で、使いたくないと思うことがあるが37(26.8%)、使いたくないと思うことはないが80(58.0%)、無回答が21(15.2%)。

図3.2.47 拡大教科書を使いたくないと思うことの有無(弱視特別支援学級)(項目2.2)

   

 11)拡大教科書を使いたくない理由(弱視特別支援学級調査のみ)

 拡大教科書を使いたくないと思うことがあると答えた児童生徒(37人)が回答した、使いたくない主な理由を図3.2.48に示した。「一般の教科書とページや行が違って授業で使いにくいから」が40.5%と最も多く、以下、「持ち運びが不便だから」(27.0%)、「人の目が気になるから」(18.9%)の順となっていた。

図3.2.48 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における拡大教科書を使いたくない主な理由[複数回答]:総数は37で、見えにくいからが2(5.4%)、持ち運びが不便だからが10(27.0%)、一般の教科書とページや行が違って授業で使いにくいからが15(40.5%)、の目が気になるからが7(18.9%)、友達と持っている教科書が違うからが5(13.5%)、その他が4(10.8%)。

図3.2.48 拡大教科書を使いたくない主な理由(弱視特別支援学級)[複数回答]

   

(3)拡大教科書に使用する字体について

 1)文字の太さ(ウエイト)について

 文字の太さ(ウエイト)が異なる以下の3つの書体(字体)のうち、教科書の本文に使うのに最も適切だと思うものを選んでもらった。その結果を図3.2.49〜図3.2.51にまとめた。「書体2」を選んだ児童生徒が最も多く、「書体3」、「書体1」と続いた。最も太い書体3よりも書体2の方が好まれたことから、太くすれば必ず読みやすくなるというわけではなく、弱視児童生徒用の字体として最適な文字の太さ(ウエイト)が存在することが示唆された。

図3.2.49 比較した字体の文字の太さ(ウエイト)の見本:雨雲が出てきました。という文章について、三種類の太さで印字されている。

図3.2.49 比較した字体の文字の太さ(ウエイト)

図3.2.50 通常学級の弱視児童生徒における最も適切だと思う文字の太さ(項目1.3):総数は636で、書体1が139(21.9%9、書体2が280(44.0%)、書体3が204(32.1%)、無回答が13(2.0%)。

図3.2.50 通常学級在籍児童生徒が最も適切だと思った文字の太さ(項目1.3)

図3.2.51 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における最も適切だと思う文字の太さ(項目2.3):総数は138で、書体1が30(21.7%9、書体2が53(38.4%)、書体3が43(31.2%)、無回答が12(8.7%)。

図3.2.51 弱視特別支援学級在籍児童生徒が最も適切だと思った文字の太さ(項目2.3)

   

 2)字体(フォント)について

 図3.3.53の5つの字体(フォント)の読みやすさを、「読みやすい」、「読みにくい」の二者択一で評価してもらった。その結果を図3.2.52〜図3.2.54に示した。いずれの調査でも「書体5」(UD学参ゴシック)が読みやすいと答えた児童生徒が最も多く、次いで「書体2」(丸ゴシック)、「書体3」(太教科書体)の順となっていた。したがって、従来の教科書体(書体1)よりもゴシック系の字体(書体2、5)の方が読みやすいと判断されることがわかった。また、ゴシック系の字体の中でも、読みやすさと教科書体の特徴を考慮して開発されたUD系学参書体(書体5)が最も好まれることが明らかになった。

図3.2.52 比較した字体(フォント)の見本:ひらがなで「さねでやもふ」カタカナで「ウクコセツネヒムヤヲ」をそれぞれの字体で印字されている。

図3.2.52 比較した字体(フォント)

※ 書体(1):教科書体、書体(2):現在、拡大教科書に最も利用されている丸ゴシック体、書体(3):太教科書体、書体(4):明朝体、書体(5):UD系学参丸ゴシック体

   

図3.2.53 通常学級の弱視児童生徒における字体の読みやすさ(項目1.4):総数は636で、書体(1)が181(28.5%)、書体(2)が409(64.3%)、書体(3)が419(65.9%)、書体(4)が213(33.5%)、書体(5)が481(75.6%)。

図3.2.53 通常学級在籍児童生徒が読みやすいと判断した字体(項目1.4)

図3.2.54 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における字体の読みやすさ(項目2.4):総数は138で、書体(1)が41(29.7%)、書体(2)が83(60.1%)、書体(3)が75(54.3%)、書体(4)が48(34.8%)、書体(5)が86(62.3%)。

図3.2.54 弱視特別支援学級在籍児童生徒が読みやすいと判断した字体(項目2.4)

   

(4)弱視児童生徒の拡大教科書の選定について

 1)文字サイズ等を選定する際の評価方法(弱視特別支援学級・通級指導教室調査)

 文字サイズ等を選定する際にどのような評価を行っているかを図3.2.55、図3.2.56に示した。選定の際に評価を実施しているケースそのものが少ないことがわかった。また、評価を行っている学級でも、MNREADやLVC最適文字サイズ検査等の読書効率評価を行っている学級は極めて少なく、特に弱視特別支援学級ではほとんど行われていないことがわかった。拡大教科書の文字サイズを選択したり、拡大補助具の倍率等を決定したりする際には、MNREADやLVC最適文字サイズ検査等の読書効率評価は必須だと考えられている。したがって、読書効率評価を実施していない学級では、適切な拡大教科書が選定できていない可能性があることが予想される。この点については、今後、詳細なフィールド調査が必要だと考えられる。

図3.2.55 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における文字サイズ等を選定する際の評価方法(項目1(1)):総数は138で、視力が101(73.2%)、視野が45(32.6%)、最大視認力(最小可読指標)が50(36.2%)、MNREAD-Jが16(11.6%)、筑波大学付属視覚特別支援学校LVC最適文字サイズ検査が2(1.4%)、その他が21(15.2%)。

図3.2.55 弱視特別支援学級で用いられている文字サイズ等を選定する際の評価方法(項目1(1))

図3.2.56 通級指導教室の弱視児童生徒における文字サイズ等を選定する際の評価方法(項目4(1)):総数は20で、視力が15(75.0%)、視野が7(35.0%)、最大視認力(最小可読指標)が14(70.0%)、MNREAD-Jが8(40.0%)、筑波大学付属視覚特別支援学校LVC最適文字サイズ検査が0(0.0%)、その他が7(35.0%)。

図3.2.56 通級指導教室で用いられている文字サイズ等を選定する際の評価方法(項目4(1))

   

 2)文字サイズ等を選定する際の相談先

 文字サイズ等を選定する際に専門機関等に相談しているかという質問への回答を図3.2.57〜図3.2.59に示した。「誰にも相談していない」割合は、通常学級が41.4%、弱視特別支援学級が20.3%、通級指導教室が15.0%で、弱視教育の専門性が低いと考えられる学級程、誰にも相談していない割合が高くなっていることがわかった。通常学級に在籍している児童生徒は比較的視機能が高い可能性はあるが、適切な拡大教科書を選定・評価するためには、読書効率等の評価方法に熟知していることに加え、サンプル版の拡大教科書等を活用したり、拡大補助具等の併用の可能性等についても検討したりする必要がある。したがって、拡大教科書が有効活用されるためには、通常学級に在籍している弱視児童生徒に対する選定・評価等の支援体制づくりが急務だと考えられる。なお、相談先としては、通常学級では「視覚障害特別支援学校(盲学校)」(14.9%)、弱視特別支援学級では「視覚障害特別支援学校(盲学校)」(47.1%)が、通級指導教室では「眼科医」(25.0%)が高い割合で利用されていることがわかった。これらの結果から、今後、盲学校を拠点とした通常学級への支援体制づくりを強化していく必要があると考えられる。

図3.2.57 通常学級の弱視児童生徒における文字サイズ等を選定する際の相談先(項目2(8))[複数回答]:総数は636で、視覚障害特別支援学校が95(14.9%)、弱視特別支援学級が52(8.2%)、眼科医が64(10.1%)、ボランティアが49(7.7%)、誰にも相談していないが263(41.4%)、その他が126(19.8%)。

図3.2.57 通常学級における文字サイズ等を選定する際の相談先(項目2(8))[複数回答]

図3.2.58 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における文字サイズ等を選定する際の相談先(項目1(2))[複数回答]:総数は138で、視覚障害特別支援学校が65(47.1%)、弱視特別支援学級が5(3.6%)、眼科医が20(14.5%)、ボランティアが10(7.2%)、誰にも相談していないが28(20.3%)、その他が27(19.6%)。

図3.2.58 弱視特別支援学級における文字サイズ等を選定する際の相談先(項目1(2))[複数回答]

図3.2.59 通級指導教室の弱視児童生徒における文字サイズ等を選定する際の相談先(項目4(2)):総数は20で、視覚障害特別支援学校が3(15.0%)、弱視特別支援学級が1(5.0%)、眼科医が3(25.0%)、ボランティアが4(20.0%)、誰にも相談していないが3(15.0%)、その他が3(20.0%)。

図3.2.59 通級指導教室における文字サイズ等を選定する際の相談先(項目4(2))

   

 3)文字サイズ等を選定する際のボランティアとのやりとり

 ボランティア作成の教科書を使用している場合、文字サイズ等を選定する際にボランティアとどのようなやりとりをしているかについて図3.2.60〜図3.2.62に示した。ボランティアによるプライベートサービス方式で拡大教科書を作成するためには、文字サイズ等の打ち合わせが必須だと考えられるが、「ボランティアとのやりとりはない」が通常学級で24.7%、弱視特別支援学級で18.8%と全体の約2割を占めることがわかった。ボランティアに対して「ポイント数のみを伝えている」(通常学級19.3%、弱視特別支援学級27.5%、通級指導教室25.0%)ケースが多く、「直接会って話し合っている」ケースは、通常学級で4.7%、弱視特別支援学級で5.8%、通級指導教室で10.0%しかなかった。この状況は、後述するボランティア調査でも指摘されており、今後、プライベートサービスの依頼の在り方について議論が必要だと思われる。

図3.2.60 通常学級の弱視児童生徒におけるボランティアとのやりとり(項目2(8)):総数が636で、ポイント数のみを伝えているが123(19.3%)、ボランティアが作製しているサンプルを参考にしているが63(9.9%)、直接会って話し合っているが30(4.7%)、ボランティアとのやりとりはないが157(24.7%)、その他が38(6.0%)、無回答が225(35.4%)。

図3.2.60 通常学級におけるボランティアとのやりとり(項目2(8))

図3.2.61 弱視特別支援学級の弱視児童生徒におけるボランティアとのやりとり(項目1(3)):総数が138で、ポイント数のみを伝えているが38(27.5%)、ボランティアが作製しているサンプルを参考にしているが13(9.4%)、直接会って話し合っているが8(5.8%)、ボランティアとのやりとりはないが26(18.8%)、その他が13(9.4%)、無回答が40(29.0%)。

図3.2.61 弱視特別支援学級におけるボランティアとのやりとり(項目1(3))

図3.2.62 通級指導教室の弱視児童生徒におけるボランティアとのやりとり(項目4(3)):総数が20で、ポイント数のみを伝えているが5(25.0%)、ボランティアが作製しているサンプルを参考にしているが3(15.0%)、直接会って話し合っているが2(10.0%)、ボランティアとのやりとりはないが1(5.0%)、その他が2(10.0%)、無回答が7(35.0%)。

図3.2.62 通級指導教室におけるボランティアとのやりとり(項目4(3))

   

 4)文字サイズ等を選定する際に参考にするもの

 教科書発行者の教科書を使用している場合、文字サイズ等を選定する際に何を参考にしているかを図3.2.63〜図3.2.65に示した。通常学級と弱視特別支援学級では「ポイント数のみ」が約半数を占め、「出版社のホームページのサンプル」、「出版社から直接提供を受けた情報」はいずれも1割に満たないことが明らかになった。一方、弱視教育の専門家が多いと考えられる通級指導教室では「出版社のホームページのサンプル」を参考にしている者が4割を占めていた。通級指導教室のように、弱視教育の専門家が配置されている可能性が高い学級では、サンプルを活用しているが、専門家がいない場合には、文字サイズのみで決められてしまっている場合が多いことがわかった。本来、拡大教科書の選択の際には、文字サイズだけでなく、ページ対応、判サイズ、重さ等等の使い勝手も重要である。

図3.2.63 通常学級の弱視児童生徒における文字サイズ等を選定する際に参考にするもの(項目2(8)):総数は636で、ポイント数のみが281(44.2%)、出版社のホームページのサンプルが48(7.5%)、出版社から直接提供を受けた情報が56(8.8%)、その他が72(11.3%)、無回答が179(28.1%)。

図3.2.63 通常学級において文字サイズ等を選定する際に参考にしているもの(項目2(8))

図3.2.64 弱視特別支援学級の弱視児童生徒における文字サイズ等を選定する際に参考にするもの(項目1(4)):総数が138で、ポイント数のみが71(51.4%)、出版社のホームページのサンプルが12(8.7%)、出版社から直接提供を受けた情報が8(5.8%)、その他が8(5.8%)、無回答が39(28.3%)。

図3.2.64 弱視特別支援学級において文字サイズ等を選定する際に参考にしているもの(項目1(4))

図3.2.65 通級指導教室の弱視児童生徒における文字サイズ等を選定する際に参考にするもの(項目4(4)):総数は20で、ポイント数のみが5(25.0%)、出版社のホームページのサンプルが8(40.0%)、出版社から直接提供を受けた情報が1(5.0%)、その他が1(5.0%)、無回答が5(25.0%)。

図3.2.65 通級指導教室において文字サイズ等を選定する際に参考にしているもの(項目4(4))

   


3.2.4 まとめ

 調査の結果、通常学級調査では636名分、弱視特別支援学級調査では138名分、弱視通級指導教室調査では97名分の有効回答を得た。調査対象の弱視児童生徒の視力は0.3未満が通常学級で8割近くを、弱視特別支援学級で9割以上を占めることがわかった。視力以外の見えにくさでは、4割前後の児童生徒が視野の狭さ(視野狭窄)やまぶしさ(羞明)を感じていることがわかった。また、全体として数は少ないが、重複障害のある児童生徒が一定の割合でいることがわかった。

 日常的に使用している補助具は、ルーペや単眼鏡といった光学的拡大補助具を使用している児童生徒が多かったが、その割合は弱視特別支援学級の方が高かった。また、約半数の児童生徒が拡大教科書と補助具を併用していることが明らかになった。

 給与を受けた拡大教科書の文字サイズは、「22ポイント」が最も多く、次いで「26ポイント」で、「18ポイント」を利用しているケースは少なかった。一方、15%前後の拡大教科書は27ポイント以上の文字サイズであることから、標準規格では対応できない児童生徒も一定の割合で存在しており、プライベートサービスの必要性が確認できた。

 拡大教科書の利用場面については、「授業中と自宅の両方で使用している」と「授業中に使用している」を合わせると9割近くに及ぶことから、ほとんどの児童生徒が授業で拡大教科書を使用していることがわかった。

 拡大教科書の満足度については、「とても満足」と「やや満足」と合わせると、8割前後の拡大教科書が満足に使用されていることがわかった。8割近くが満足している一方で、困ることが「ある」割合は5割を超えていることがわかった。その理由としては、「先生の指示するページがわかりにくい」が最も多く、「教科書が重すぎて使いにくい、持ち運びにくい」、「分冊が多すぎて使いにくい」、「教科書が大きすぎて使いにくい、持ち運びにくい」、「教科書が厚すぎて使いにくい、持ち運びにくい」、「図表や注釈の配置がわかりにくい」等が多かった。従来、拡大教科書の選定の際には文字サイズが最も重視されてきたが、実際に使用する児童生徒にとっては教科書そのものの大きさや冊数が重要であることが明らかになった。拡大教科書を使いたくないと思うことがあると答えた児童生徒(37人)に対してその理由を質問した結果、「一般の教科書とページや行が違って授業で使いにくいから」が40.5%と最も多く、以下、「持ち運びが不便だから」(27.0%)、「人の目が気になるから」(18.9%)の順となっていた。

 字体(フォント)についての質問の結果、文字の太さ(ウエイト)は太すぎても細すぎても見にくいことがわかった。また、字体の種類では、従来の教科書体よりもゴシック系の字体の方が読みやすいと判断されることがわかった。また、ゴシック系の字体の中でも、読みやすさと学校での利用を考慮して開発されたUD系学参丸ゴシック体が最も好まれることが明らかになった。

 担当教員へのアンケートの結果、文字サイズ等を選定する際の評価方法は「視力」が4分の3程度を占めて最も多く、以下、「最大視認力」、「視野」の順となっていた。MNREADやLVC最適文字サイズ検査といった読書効率評価を行っている学級は少なく、特に弱視特別支援学級ではほとんど行われていないことがわかった。拡大教科書の文字サイズを選択したり、拡大補助具の倍率等を決定したりする際には、これらの読書効率評価は必須だと考えられている。そのため、何らかの対策が必要であることがわかった。

 ボランティア作成の教科書を使用している場合、文字サイズ等を選定する際にボランティアとどのようなやりとりをしているかについて質問した結果、「ポイント数のみを伝えている」が最も多く、「ボランティアとのやりとりはない」割合は通常学級で24.7%、弱視特別支援学級で18.8%と全体の約2割を占めることがわかった。ボランティアが作成する拡大教科書は個別対応が基本であり、やりとりがないことで適切な拡大教科書が提供できていない可能性がある。

 教科書発行者の教科書を使用している場合、文字サイズ等を選定する際に何を参考にしているかを質問した結果、通常学級と弱視特別支援学級では「ポイント数のみ」が約半数を占め、「出版社のホームページのサンプル」、「出版社から直接提供を受けた情報」はいずれも1割に満たないことが明らかになった。一方、通級指導教室では「出版社のホームページのサンプル」を参考にしているケースが4割を占めていた。実際に教科書を利用する児童生徒にとっては、文字サイズだけでなく、紙面のレイアウトや持ち運びやすさ等の使い勝手が重要である。しかしながら、現状では文字サイズのみで教科書を選定している割合が半数を占め、当人の視覚の状態やニーズに合わない選定が行われている可能性が高いことがわかった。このような問題を解決し、より使いやすい教科書を無駄なく提供するためには、実際に発行される拡大教科書に近いサンプルを提供し、事前にレイアウトや使い勝手を本人に確認してもらう必要があることが示唆された。

   


 資 料

通常学級調査:拡大教科書を利用して困る点、「その他」の自由記述(以下、表になっている)

拡大教科書を使用して困る点
1
(1)音楽は1曲が何ページにも渡ってめくるのが大変です。

(2)1回の授業ページがとんでいくので何冊も1教科で持っていかなくてはならないので大変です。

2
(1)音楽は形が正方形で、横に広すぎて見にくい。空白が多すぎる。

(2)英語はイラストが小さくてイメージしにくい。教員が拡大コピーして手作りしている。

3
(1)絵が原典教科書と位置が違ったり、ページ数がまたがっていたりするので、低学年であるとさがしにくい。

(2)厚さがあるので、教科書箱から取り出しにくい。

4
(1)絵や図表が省略されている。

(2)リングファイルは紙が破れやすい。

(3)人の目が気になる。※電子書籍になると良いと思います。

5
(1)教科書を開いた状態のままにしておくことが困難で、すぐに閉じてしまうから何かで押さえねばならない。

(2)厚くて、小さくて、重くてランドセルに他のノートや教科書と一緒に入れづらい。

6
(1)教室(机・ロッカー)で教科書がかさばって置き場に困ったり、通学時もランドセルに入りきらない時もあります。例えば1日6時間で教科が社理国数が必要だと、机に入りきらないので半分はランドセルに入れておいたりはさせている。

(2)国語では漢字表や付録が別冊になっていて、必要な時に使えなかったりしている様です。

(1)国語についてはレイアウトが違うことと、演習が分冊になっているので、宿題に出されたところが入ってないので不便である。

(2)音楽については教科書が大きすぎるので広げると机いっぱいになり、プリントを書く等の作業ができない。

(1)社会と理科はリングで綴じられているのですが、それがかさばるということです。

(2)算数は、のり付けなのですが、紙質が厚手のせいか開きにくいようです。

(1)社会科の教科書の止め金がプラスチックでできていて、すぐにページがとれてバラバラになってしまう。

(2)フリガナなど26ポイントより小さい文字は見えにくい(国語・算数・社会)。

(3)濁点は分からないときがある(国語・算数・社会)。

10
(1)授業時間が7限までの日が週に2日あり、毎日拡大教科書を大量にカバンに入れ非常に重い。

(2)授業が分冊にまたがる時、更に荷物が増える。

(3)授業の都合でページが飛ぶ時などは、分冊のため見ることができない事がある。

11
(1)数学:教科書に文字や線等を書き入れる際に、特に内側が浮いてしまい書き込みにくいことがある。

(2)社会:バインダーがはずれやすい。

12
(1)地図帳のページが通常教科書と違っていて、開くのに時間がかかる。

(2)教科書の中央(綴じ込んでいるところ)に文字が寄りすぎて読めないことがある。

13
(1)地図帳を拡大すると地図の全体がなかなか捉えにくく、いつも狭い地域だけが表示されてしまう。

(2)字がやたら大きくなり、地形がかえって見づらくなる。

(3)国語のページや行が見つけにくい。

(4)カラーページでないところがある。

(5)算数の後ろの付録が拡大になってこない。

14
(1)表記に間違いがあり、音読するときに困った。

(2)「みんなと違う」ということに少し抵抗を感じているようだ。

15
(1)分冊になっているため、索引が利用しづらい。

(2)資料・地図が切れていて、全体把握がしにくい。

(3)原本を121%拡大したものは、余白も拡大されるため無駄な余白が多くて見づらい。

16
(1)文章を読むときに22pだと活字が大きくて読みにくい。文の途中で次のページになってしまうので活字を追いにくい(国語)。

(2)絵や写真・矢印→枠などが2ページにわたり、ページとページの間が離れてしまうので分かりにくい(理科・社会)。

(3)写真や絵が大きすぎて見にくい(理科)。

(4)字が太くて読みにくい(国語)。

(5)ページがいくつも書いてあるので使いにくい(理科・社会)。

17
(1)理科:教科書が大きすぎてノートのスペースが狭くて書きにくい。

(2)理科:ページがバインダーのように綴じており、ページをめくりづらい。

18
(1)通常の教科書と書かれている頁が違うので、どこに書かれているか探しづらい。

(2)1冊が厚いので、毎時間用意したり、自宅に持ち帰るのが難しい。

(3)どの本にどの頁があるか探しにくい。

19
 「何行目」という指示に対応できない。
20
 ○ページの〜行目という指示があったときに、行が分かりにくい。
21
 2年生国語(光村):教材によっては白黒のため、他の児童のものと同じ色になるよう拡大コピーや児童のものを見せている。
22
 3つに絞るということで3つだけ○を付けたが、もっとたくさん○を付けたい。
23
 グラフや表は見やすくなるが、本文や文字は大きすぎる。自分だけ大きな文字の教科書を使っているのが恥ずかしい。
24
 その他を選択していないのですが、通常の教科書をただ拡大してあるだけでは読みづらく、手書きで書いてある部分は読みやすい。よって全て手書きで、絵や図の配置も文字を中心に考えてから配置して頂いていると読みやすい。視野狭窄もあるので、拡大してある時の文字の間隔はあまり空いていない方が読みやすい。
25
 ページがすぐには分からない。
26
 ページ数が多いため本が厚くなっているので開きにくい。また使用しているうちに背表紙からはがれ、バラバラになってしまう。リング式の製本はページが開きにくく破れやすい。
27
 ページ番号表記については、原本のページ番号も記載されているので困ることはないが、先生に「〜行目」と言われたとき、字数の関係でずれが生じてしまうため即座に対応できない。
28
 ものさしの目盛りが読み取れない。
29
 ややこしい漢字の細かい部分が見えにくい。
30
 リングが邪魔である。
31
 ルーペと合わず字が大きすぎて私には見えづらく、あまり使っていません。ルーペと本の見本で見比べてから購入したかったです。
32
 英語:文章が1頁ではなく、次のページにとんでしまう事がある。
33
 英語…誤植が多くあった(中1の時の教科書)。国語…通常の教科書にある写真が省略されている。
34
 英語2年で抜けているページがあった。(lesson7-(3)のcheck itのページ)
35
 英語の新出単語が別冊であるのが、見比べたり予習したりするときに不便である。
36
 音楽:横に長すぎて使いにくい。
37
 音楽:拡大しているため一曲が複数ページに渡り、読み取りにくい。地図:学習に必要な部分が拡大して読み取りやすくしている分、他の文字と重なり全ての地名が読み取れない。
38
 音楽:楽譜が見にくい。
39
 音楽:楽譜が立てられないのでピアニカが弾きにくい。
40
 音楽…楽譜のページ数が多くなってしまい見づらい。英語…絵がたまに入っていないことがある。保健体育…大きすぎて開くとでこぼこになって見づらい。
41
 音楽について:楽譜の横線が見えにくい。
42
 音楽の教科書の、音譜の中に書かれている歌詞の字が小さくて見にくい。
43
 画数の多い漢字は見えにくい。
44
 壊れやすい。
45
 拡大教科書の綴り方の問題。リング綴じにしているため、頁が切れやすい。
46
 学習内容が急に飛んだりすることがあり、分冊だと対応できない事がある。
47
 学習内容で単元の切り替えの時に分冊の変更があり、使えないときがありました。分冊に単元の切り替えの場所が記入してあると助かります。通常子ども達は毎日持ち帰りになります。
48
 学年が上がると冊数も増えるし重くなりますが、自分のためなので苦じゃありません。(本人)
49
 教科書のページがとれやすいから困る。
50
 教科書のページを止めるためのスパイラルリングが学習時手にあたって邪魔になる。
51
 教科書の向きが一定方向でない。このアンケートの見開き(左右)だと見やすいが、上下の見開きは見にくい。
52
 捲りにくい。
53
 誤字があった。「大きく」→「大きくく」
54
 行数が教科書と違うため「○ページの○行目を読んでください」などの指示があっても探しにくいし分からない。
55
 国語:ページが2-1、2-2のようになっていて本人は慣れるまで時間がかかっている。算数:絵が小さいときがある。
56
 国語:絵・イラストが大きい。もったいない。 
57
 国語:絵が白黒なので、どんな色なのか知りたいが分からない。社会:絵や図の注釈の字が小さくて見づらい。
58
 国語:枠囲みの中の文字が見えにくい。音楽:楽譜が次のページにまたがり、演奏や合唱がしにくい。家庭:ページをまたいでの説明が読みづらい。
59
 国語…一行に入る文字数が少ないので、行数が異なり授業の中で「行数」を使った指示が出されると分かりにくい。友達に教えてもらうときにも場所を探しにくい。音楽…一律に拡大してあるので、一部の文字や記号が小さくて見づらい。
60
 国語…挿絵がカラーでない。社会…ページがいったりきたりする。
61
 国語で横書きのもののページが前後してしまい、とても分かりにくかったです。
62
 国語の教科書の巻末に「これまでに習った漢字」「この本で習う漢字」が書いていないため、ちょっと忘れた漢字を調べたいときに探せなくて不便である。(国語辞典や漢字辞典は字が小さく細かくて使いづらい面がある)
63
 国語の教科書の挿絵に色がついていないものがある。
64
 国語の教科書の段落が分からない。
65
 国語の場合漢字の冊子が別になっていたので、2冊持って行かなければならなかった。
66
 国語の挿絵がカットされている所がある。みんなと違う。挿絵が白黒にされてしまっている。本文中の大事なところで白黒にされたり、挿絵がないと物語の情景がわからない。ボランティアさんが作成している教科書は、挿絵のカットなどしていないそうです(教科書通りです)。
67
 国語は漢字が別冊になっているので、2冊持って行かないと行けない。重たくなる。
68
 最大が48ポイントということで選択したが、まだ充分ではない。これ以上文字を大きくすると、ページ数や本の大きさにも問題が出てくると思われるので、教科書としてこのままで良いと思う。
69
 算数…1つ目の表を見ながら2つ目の表へ作業する時、ページが見開きとなっていないため少し困ったことがあった。社会…図の中の文字が小さかったり、吹き出しの文字を大きくしたために、絵が隠れて確かめられない事があった。音楽…楽譜が3ページにまたがり、リコーダー等の演奏時ページをめくれず困る事があった。
70
 算数の図形の学習に於いて、拡大図になっているため通常の教科書の図形と辺の長さが違ってくるので、子供が戸惑うときがあった。
71
 算数等で単位が入っていなかったり誤っていたりすることが時々ある。
72
 紙質が悪い。白ページ(折り込み)が使いにくい。
73
 資料などが○-□等、別ページにあったりするのが分かりにくいし見にくい。
74
 実際の教科書と異なる表現があること。のり付けされていないことがあること。
75
 社会の拡大教科書は、各ページがリングで止めてあるが、時にこのリングから紙がはずれる。
76
 社会の教科書はリングで綴じられているので、地図が途中で切れている。
77
 授業が教科書の順序通りに進むわけではないので、4月の段階で全部の分冊が揃っていないと使うことが出来ない教科がある。
78
 書写の教科書は、のりでページがくっつけてあったがはがれていた。
79
 色が白黒の所は、少し見づらい。
80
 図・表等の注釈、又その注釈のふりがなは小さすぎて読みづらい。
81
 図表などがどこにあるか分かりづらい。次のページにあると、めくったり戻したりするのが困る。
82
 数学:厚さ1.8cmの本をしっかり開いて置こうとすると、ページが剥がれてしまう。
83
 数学・後ろの付録…普通の教科書は、透明フィルムの図形が付いているが、拡大の方は普通紙で授業で使用したとき、一人だけ透かして見ることが出来なかった。(教員より報告あり)
84
 数学の場合、cmなどの単位なども拡大されていて計算するのがややこしい。
85
 製本リングが使いづらい。かさばったり作りが弱い。
86
 折り目が付かず、めくってもすぐ戻ってきて閉じてしまう。
87
 先生が指定したページは開けるが、何行目かが分からず、(実際の行数と異なる)時間がかかってしまう。
88
 全部拡大されていても見えにくい部分もある。また逆に拡大しているから見えにくいこともある。
89
 他の人とページや行が違うので、先生からの指示(「〜ページを開けて」等)が分かりにくい。
90
 地図で、小さな文字が拡大された文字で隠されてしまっていることがある。
91
 地図は分割していて分からないので使えない。
92
 地図帳:1ページの範囲が狭く、使用しにくい。
93
 地図帳について:単に拡大したものを載せているだけなので、局所的にしか見ることができず全体像が把握しづらい。また地理についても拡大教科書が欲しい。図を見るときも「〜ページへ」という表記があると助かる。数学について:カラーが望ましい。国語について:中表紙があると良い。理科:図や写真の分割したページが見にくい。音楽:表紙を厚口にして折れ曲がりにくくして欲しい。
94
 地図帳のページが分かれていて、繋がりが分からない。
95
 地理と理科の教科書の綴じ部分がプラスチックバインダーのため破損しやすい。
96
 通学時に重く感じる。
97
 通常の文字は平気だが、習っていない漢字のふりがな等、上や横に書いてある小さな文字が見えにくいことがある。
98
 特に困る点はありませんでした。カラーで大変見やすかったです。
99
 分厚すぎて、机に入らないことがある。
100
 分冊が多いことで困っているわけではないが、学校で授業をしている時、前の授業(学習内容)を振り返ったり次の内容をする時、その教科書を持って来ていない場合困る。
101
 分冊が多くて使いにくい。
102
 分冊が多すぎてかさばる点くらいです。介助員が複数人いるため、分冊が多いと引き継ぎがうまくいかず、分からなくなってしまうこともあります。
103
 分冊してあるので、前に学んだところを見返したいときに持っていない。
104
 分冊している数が多いと、その場で前に戻り振り返って調べたりすることが出来ない。
105
 文字が異なっている。
106
 文字が細かく、薄く感じる。
107
 文字が大きくなることで枚数が増えて持ち運びが重たい。4科目(国・算・理・社)をランドセルに入れるとそれだけでいっぱいになり、他のノートなどが入らない。
108
 文字が大きすぎて認知しにくい。
109
 文字が大きすぎて文字の間隔が広すぎる。次の行に行くときに分かりにくい。(もう少しも文字が小さくてよい) 
110
 文字が大きすぎる。
111
 文字が大きすぎる。こんなに大きくしなくても見える。みんなが1ペ−ジのところを4ページも5ページもあるので、読んでいる文と挿絵が離れてしまったり、図や表を見るために何度もページを行ったり来たりして見なければならない。大変である。
112
 文字が大きすぎる。もう少し小さくても良い。
113
 文字も数字も見えない。
114
 保管の仕方が机の中は厳しい。字が細かくて見づらい。
115
 本人・保護者は昨年までに比べ、字が大きくよく見えるのでとても喜んでいます。初めて使用した教師側の要望としては、分冊の多い教科はどの単元が何冊目に掲載されているかという一覧表があると便利だと思いました。(保護者より)
116
 目がちかちかする感じがする。
117
 理科:リングでとめられているため、一枚一枚めくらないとページを開くことができない。→時間がかかる。→授業のスタートに遅れてしまう。
118
 理科・社会…行間が広すぎる。写真や挿絵などは多少小さくても良いので、グラフや地図・実験などの説明は大きくして欲しい。地図帳…部分的に大きすぎて全体が分かりにくい。地名が全部載っていなかったり、隠れて見えないものがある。国語…行間が空きすぎ。20ポイントのA4サイズを希望。文字や挿絵は小さくて良いので、段落の行数が通常教科書と同じ方が授業ではやりやすい。
119
 理科・社会の拡大教科書はバインダーになっていて、注意しないとページをめくるたびに引っかけて破いてしまう。紙も薄いので折れやすく扱いづらい。
120
 理科・社会の教科書はファイル形式になっているが、紙が硬くて指が切れることがある。
121
 理科・社会科の教科書の綴じ方について:プラスチック管で止めてあるので、手に引っかかったり邪魔になったりして使いづらい。
122
 練習問題の番号が通常教科書と違っていて困った。


通常学級調査:通常教科書を利用する理由

通常教科書を利用する理由
(1)ページが分かりやすいから。

(2)持ち運びやすいから。

(3)通常教科書が見えるようになったから。

(1)ページのレイアウトが分かりやすい。

(2)拡大教科書に比べてページ数が少ないので、ページが開けやすい。

3
(1)まとめて文を読むときは、通常の方が読みやすいということで、通常の教科書を使っている(国語)。

(2)通常学級と一緒に授業を受ける中で、指示されたページの場所が見つかりにくいため通常教科書で確認してから拡大教科書を開いている(理科)。

4
(1)家庭学習に利用(持ち帰りに便利)。

(2)学習全体の見通しを持たせるとき(拡大教科書は、ページ数が多いので全体を把握するのが困難)。

(3)開きたいページをすぐに開くことが出来ない。

5
(1)絵・写真を見るとき。

(2)単語の意味(巻末)を調べるとき。

6
(1)拡大教科書が多すぎると鞄に入らないので。

(2)分かれていて、どこからどこまでなのか分かりにくいので。

7
(1)拡大教科書はレイアウトが違うので、図などを探しにくいから。

(2)拡大教科書は分冊数が多く、教科によっては使いにくいから。

8
(1)学校ではみんなと同じ教科書を使いたい。

(2)友達に拡大教科書について質問されるのが嫌だ。

9
(1)学校に持っていくのが大変である。

(2)分冊になっていて、教師の指示に対応しづらいから。

10
(1)国語の音読の宿題に通常教科書を持ち帰っている。

(2)算数で通常教科書の中の図形の長さを測って面積を求める問題で、拡大教科書は他の児童と長さが違うので通常教科書を使用した。

11
(1)算数:図形などの実際の寸法の測定

(2)全教科:ページの大方の内容から拡大教科書のページを探す。

12
(1)視力が0.1〜0.2の為、なんとか通常教科書でも可能。

(2)学校が遠い(1時間程)のため持ち運べない。学校のみで使用。

(3)自宅では、通常教科書を使用。

(4)拡大読書機を購入予定(自宅用)。

(5)科目によって使い分けている。

13
(1)図形や表など、全体像が通常教科書でもつかめるので、算数や理科・社会など拡大教科書をあえて使っていない。

(2)ページや配置など、拡大だとさがすのが大変なので。

14
(1)先生の指示しているページが分かりにくいからです。

(2)国語の授業で全員で読む時に、一人だけ開くページが違うので理解しづらい。

(3)先生からも指示がしづらいとの事だったので、通常教科書を使うようにしています。拡大教科書の他に通常教科書も必要だと思います。

15
(1)先生の指示するページが分かりやすい。

(2)拡大鏡で確認できるため。※交流学級で学習するときは机の大きさが限られているので、「通常教科書と拡大鏡」で学習する。弱視学級で学習するときは「拡大教科書」で学習することが多い。

16
(1)先生の指示するページの段落等がすぐ見つからない。

(2)教科書が大きすぎて机に置けない。

17
(1)前記の通り通常教科書とのページの違いにより、開くのに時間がかかるため。

(2)他の生徒のものと違うため、本人が使いたがらない。

18
(1)全体の進み方によってページが前後することがあり、通常・拡大の両方を持たせることがあります。

(2)先生が「何ページ開いて」と言ってすぐに開けないこともあるらしいので、時々家で確認することもあります。

(3)あまりに荷物が多く重たくて困る時は、本人が通常の教科書にしていくこともあるようです。

19
(1)他の児童と同じページが分かりやすい。

(2)軽いので。

20
(1)単眼鏡を使っているので、単眼鏡で間に合うときは通常教科書を使用している。

(2)国語・算数以外は拡大教科書を使用していない。

21
(1)地図の全体が見えないから。(2)付録の部分がないから。
22
(1)通常でも構わなかった。

(2)行が分かりにくいので、指示通り見るために通常教科書も併用することがある。

23
(1)通常教科書でも見えるようになってきたため。

(2)通常教科書で利用できるところは利用するようにしているため。

(3)授業の進度に合わせて利用できるため。

24
(1)分冊が多く、学習しているページを見つけるのが大変だから。

(2)音楽では、楽譜が繋がっていないと見にくいから。

(3)ページの全体像をつかみたいから。

25
(1)分冊が多くて使いにくい。(2)重い。

(1)(2)の理由から、学校で通常教科書を利用している。

26
(1)分冊数が多くて不便である。

(2)一般の教科書と違う為、どこに何が載っているのか見つけることに時間がかかる。

27
(1)母親から「こちらも使いなさい」と言われるので。

(2)国語は大きすぎてランドセルに入らないので、家で使うことが多い。

28
「無」ですが、今なら通常の方がいいと答えました。主な理由は、ページが分かりにくく、先生の指示があっても探しにくいのでという事でした。初めは文字が大きく見やすいので拡大にしたけど使いづらいので、通常でもと答えてくれました。
29
「無」ですが「有」にして欲しい。通常教科書と比べながら使いたい。出来れば大きくして教科書とページが同じだと良い。
30
「無」に○をしましたが、家では拡大読書器を使ったりして通常教科書を使用している。学校では、通常教科書をお渡ししていないので、家庭で買われたらしい。拡大教科書は重いので持ち帰りはしておらず、学校においたままにしている。
31
 ※数学と英語に関しては、検定教科書以外のサブテキストを中心に使用しているので、通常サイズを使用しているのが現状です。(サブテキストは拡大版がないため)
32
 100%ではないが、読み取ることが出来るから。
33
 1ページの中に収まっている内容が多いから使いやすい。
34
 1年時から使用している教科書は利用することがあるが、2年時になってからは拡大教科書が見やすいので通常教科書を使っていない。
35
 1年生の時の教科書があるため、たまに自宅で使用している。(拡大読書器使用)
36
 5教科以外は分冊が多いので使用しにくい。
37
 お友達の目が気になるからです。
38
 グラフ等の数字などが読みづらい為。
39
 たまに使うが、殆どは拡大教科書を使用している。
40
 ドリルなど、拡大教科書がないのがあるので、そのままルーペなどを使っている。
41
 ページの確認をするため。
42
 ページ数が多すぎて、読むのに追いつかないから。
43
 まず、通常教科書でページ全体を見て、自分の見えないところを拡大教科書を利用して学習しているから。
44
 みんなと同じ教科書を使いたいから。
45
 移行期対応版の算数と理科については、年度途中に届いた。その間は通常教科書を使用したため。
46
 移行措置の教材のため。
47
 一般の教科書とページや行が違って授業では使いにくいので、何とか見える通常教科書も併用している。家庭学習では主に拡大教科書を利用している。
48
 運ぶときに重くて大変。カラーにして欲しい。分厚いので引き出しに入りにくい。
49
 英・数・国のワークブック、資料集。
50
 英語の先生が通常教科書と拡大教科書とのページ数の区別がつかなかったから。
51
 英語は絵や図表が省略されているから。音楽はサイズが合わないから。
52
 音楽・図工・書写・国語(音読に使用)、わかれているため重い。
53
 家で見るため。
54
 家で使っているルーペ(拡大読書機)はより大きく見えるため、拡大教科書では大きすぎるため、家では通常の教科書を使用している。拡大読書機は大きく、学校には持って来れず、ルーペで見ているので学校では拡大教科書を使用し使い分けている。
55
 家で宿題をするときに活用。漢字の学習。
56
 家へ持ち帰るのが大変だから。
57
 家庭で拡大教科書を使うのは全く問題ないのです。見やすくて本人も好んで使います。しかし学校、教室の中では皆と違うことで恥ずかしいようです。そのため学校には通常教科書を持っていくのが常です。
58
 家庭で両親が見るのに使用している。
59
 家庭学習で復習を行う時に使うことがある。
60
 拡大がなかったから。
61
 拡大が無く、写真や絵も十分入っているので。
62
 拡大してもらえないから(美術など)。
63
 拡大機を使うと通常のものもどうにか見えるので、時々使うことがある。
64
 拡大機を利用しているため通常の教科書の方が使いやすい。
65
 拡大教科書にないページも時々あるから。
66
 拡大教科書がないから。
67
 拡大教科書がないから。
68
 拡大教科書がない為。
69
 拡大教科書が重く、運びにくいため。
70
 拡大教科書が重くて持ち運びしにくく、使いにくいため。
71
 拡大教科書でなくても見える。又、持ち運びにくく、ページも分かりにくいため。
72
 拡大教科書にないページが時々あるため。
73
 拡大教科書のページ数が足りなくて、通常教科書を使うことがある。
74
 拡大教科書の教科が転校のために普通の教科書を使っている。
75
 拡大教科書の配布が間に合わないため、巻末の漢字資料等が利用できない。卒業生等からもらったものを貸与している。また、冊数が多くページ数が合わないので(特に国語)、原本を併用してもらっている。
76
 拡大教科書は、視覚障害特別支援学校を通して申請しました。支援学校でテストを受けた結果、近くで見る教科書については、標準の文字のサイズでも特に問題はないとのことでした。本人の希望で社会科の地図帳だけは拡大教科書を使用しています。
77
 拡大教科書は冊子が大きく冊数が多いため持ち運ぶのに不自由を感じるので、家では通常教科書を利用している。
78
 拡大教科書は持ち運びが大変なため、家庭での学習に利用している。よって授業では通常教科書を利用しているため。
79
 拡大教科書は大きくてかさばるので、持ち帰るのが大変なため学校に置いて帰っている。自宅学習でも教科書が必要なため、通常教科書を購入し利用している。
80
 拡大教科書は大きく重く持ち運びが不便なため、教室に置いて授業で使用している。通常教科書は自宅において宿題や勉強に使っている。
81
 拡大教科書は単元ごとに分かれているので、テスト勉強などは通常教科書の方が使いやすいから。
82
 拡大教科書より軽く、持ち運びやすいため。3教科が重くなるとバッグが非常に重くなる。
83
 拡大教科書より見えづらいが使いやすい。
84
 拡大教科書を忘れてしまったときに使っている。書写などで大きすぎて見えにくいことがある。
85
 拡大鏡を用いて、小さい字を見る練習のため。
86
 拡大版は、厚すぎて扱いにくく、普段の授業であまり使いたくない。小学校の頃に比べ小さい文字を読むのに慣れてきて、通常教科書でもなんとか読めるため。
87
 拡大本が支給されないため。
88
 学級では皆と同じ教科書を使いたいという本人の希望と、障害の程度が軽く読みにくい文字は拡大鏡を使用することで十分授業に対応できるため。
89
 学校では通常の教科書を利用することで対応できる。
90
 学校で使用している。
91
 学校に持ってくるのが大変なので、通常のものを家庭で用意してそれを学校で使っている。
92
 学習内容と進度が分冊にまたがっている場合に利用しています。
93
 巻末の学習資料(カード等)を利用するため。
94
 技術の教科書の冊数が多すぎて、分類が分かりにくいため。
95
 教科書がA4と大きく重いので、持ち運びが大変だと本人が言うため。
96
 教科書によっては拡大教科書でなくても大丈夫だから。
97
 教科書によっては見やすいページもあるため。
98
 教室で拡大教科書を使うのは恥ずかしいから、そのため通常教科書を持っていっています。ルーペを使うのも恥ずかしくて使ってないくらいです。
99
 教室で使用しているため。
100
 教室で使用している分は、みんなと同じように通常教科書を利用している。
101
 見えないから。
102
 原典教科書と配置やレイアウトが異なることがあり、対応づけて探すため。
103
 高学年になると通常教科書と拡大教科書とを比べながら使用していた。(通常教科書で確認して、拡大教科書で読む。)
104
 国・英等通常の教科書で対応できるものもあるが、理科や社会の図の読み取りが難しいため2教科のみ使用しています。2教科で拡大教科書を使用し、資料等は通常のものを使用しています。
105
 国・算以外の教科については、通常のものを使用。
106
 国語(小学校)の教科書が見にくいと先生に伝えたら、拡大教科書を薦めてくれたから。
107
 国語・算数は白地に黄文字の方が見やすいのでボランティア作成のものを使用しています。
108
 国語・社会は分厚く、家庭へ持ち帰りづらいから。
109
 国語の教科は、普通教科書でも見られる。
110
 国語の教科書を音読の宿題の日に持ち帰って使っている。
111
 国語の様に長文等による文字の密集が他の教科には少ない為。国語の様に皆の前での音読等を発表する機会も少ないため。
112
 国語は行数の表示がなくて分かりにくいから。他の教科は分冊が多くて出し入れしにくいから。音楽は形が正方形で、横に広すぎて見にくい。空白が多すぎる。英語はイラストが小さくてイメージしにくい。教員が拡大コピーして手作りしている。
113
 国語は分かりやすい。国語以外は併用。数理社で「ここにあるよ」と言われてもそこにない(みんなと違う)ので分かりにくいため。
114
 今の拡大教科書の中で、理科と社会は使いづらいから。国語と英語は、自宅での学習中心に使用している。
115
 今回1年生は、通常教科書を使用していないが、2年生に点字教科書を使用する事になった。その為点字本になったら、通常教科書も個人で購入しようと思っている。(点字はまだ学習していないので、本読みなどする際に通常教科書を使用するため)
116
 指示されたページが追いにくいためと、活動等のページが分かれているので使いづらいと感じることがある。
117
 指示されたページが分かりづらい。重くて持ち運びづらい。
118
 持ち運びが不便。ランドセルに入らないため、家庭学習で使用するときは普通の教科書を家において使用している。ページを探すときに使用。
119
 持ち運びが不便なため。
120
 持ち運びが便利なことと、先生の指示に反応しやすいから。
121
 持ち運びしやすい。
122
 持ち運びや担当教員の指示するところが分かりやすいよう、学校では保護者が購入した通常の教科用図書を利用している。
123
 自宅で学習するために買って利用している。
124
 自宅で使用している。
125
 自宅に拡大教科書を忘れてしまったときに利用している。
126
 社会…3年生は、住んでいる「市」についての学習が多いので、本市で作成した教科書(副読本)をそのまま利用している。
127
 社会の図表を探すのに、拡大と通常の両方使用している。家庭科は分冊が多いので、通常本を学校に置いて分冊が間違えたりした時のために使用。
128
 弱視ですが近い手元は見えるので、教科書によって通常教科書と拡大教科書とを使い分けております。国語の漢字や社会地図帳、音楽楽譜など細かい物のみ拡大教科書を使用。
129
 主要科目では授業中先生の指示でページや行をさがすのに、拡大教科書では時間がかかりついて行けないことがある。通常教科書を拡大読書器で読むと、ページも行もみんなと同じなので見つけやすい。机上には「拡大されたプリント」もあり、机上に全てを広げることが大変。
130
 授業であまり使用しないため。
131
 授業で活用するため。
132
 授業で指定されたページを見つけやすいので、ルーペで見るようになった。
133
 授業の時はみんなと同じものを使いたいと思うし、それ程苦労しなくても読めるから。
134
 周りの友達の目を気にしたり、顔を近づければ通常教科書でも見えるため、ページ数や絵図の位置など通常の方が作業しやすいので使っている。
135
 重いので学校に置いて、家では普通の教科書を使用している。
136
 塾で使用するため。
137
 書写や地理等拡大教科書がない教科。
138
 少しでも軽くするため。
139
 新学習指導要領への移行措置に伴って今年度のみの補助教材があったが、それは拡大になっていないため、補助教材での学習単元では通常の教材を使用した。
140
 図などがどのようになっているかが分からないから。教科書を見ると全体の様子が分かる。
141
 図工の教科書は拡大版が届いていません。通級学級との相談で、図工は通常教科書を使用することになりました(教科書担当)。
142
 図表のページが分かりにくいから。
143
 先生のページ指示が分かりやすい。
144
 先生の指示したページが分かりにくい。図表の位置が違うので分かりにくい。
145
 全ての通常教科書が特に不都合なことがない。
146
 挿絵の色(国)やページの確認のため。
147
 他の人に知られたくないから。
148
  他の生徒と同じページを見て確認したい場合があるため。
149
 体育の教科書は拡大していないため。
150
 大きすぎて見にくいため。
151
 地図がページにまたがって載っているため、全体が分かりにくいので。(細かく分かれすぎているから)
152
 地図帳で都市名などが大きく書かれすぎていて、湖や沼などの形が隠されてしまっているものがある。
153
 地図帳について:拡大だとどこを見ているのか把握しづらいので、教師用を拡大して使っている。
154
 通常のものを読む練習(ルーペ、単眼鏡などの使い方)。ページの確認がしやすいため。
155
 通常の方が持ち運びやすい。
156
 通常教科書である程度対応できるくらいは見えていると思います。分冊数(ページ数)により、指示されたページがすぐに開けにくいのと、分冊によって書いてある場所が分かりにくいと思われます。
157
 通常教科書でも見える(あまり見にくさを感じられない)場合には、通常教科書をそのまま利用し、通常教科書では見にくいと感じる場合には、拡大教科書の該当箇所を参照するようにしている。地図については、通常教科書では元の文字が小さいので、最初から拡大教科書のみを利用している。
158
 通常教科書でも読み取れるから。
159
 通常教科書と拡大教科書の併用。通常教科書で確認して拡大教科書で読む。
160
 通常教科書は家庭学習で使っている。
161
 渡されたから。
162
 特にないが時々使用することがある。
163
 特別支援学級で個別の授業を受けています。その為、専門の教科ではない先生が色々な教科を教えてくれているので、先生が通常教科書を使用し、私が拡大教科書を使用しています。
164
 特別支援学級に在籍しており、使用している教科書の文字も通常のものより大きめなので、不都合はない。(通常学級用のものは英語のみ使用)
165
 配布されていない。
166
 美術の資料集は通常のものを使用している。
167
 普通の教科書でも見える。
168
 普通の文字に慣れるため。
169
 普通学級に在籍しているため、他の生徒が利用しているものと同じものを使用したいという思いと、目を近づけると大体の文字は読むことが出来るので。
170
 分冊が多く、持ち運びが不便。
171
 分冊が多く、重いので両方の教科書を使い分けている。
172
 分冊されていて使いにくかったため、教員のものを借りたりしている。
173
 分冊になっているので、全体のカリキュラムを計画するときに使用しました。
174
 分冊の数が多いから。
175
 文も図も見えるから。英語はアルファベットが見えにくいので、英語の拡大教科書のみ使用している。
176
 文字が大きすぎて見えにくいときもあるから。
177
 保護者が学習内容を把握するために利用している。
178
 保護者が当該児童に読み聞かせている。専ら保護者用です。
179
 保護者の方が自宅で使用し、子供に教えるなどしている。
180
 補助教材のため、教科書は使用しています(社会・理科)  
181
 目の焦点が定まりにくいという障害を持っている生徒で文字がぼやけて見えるため、小学校より拡大教科書を使用している。2学期より不登校となり、このアンケートを本人に確認できていない。
182
 友達の様子を見て周りと合わせながら学習している児童なので、配置やページ数が違ってと惑うことが多かった。そのため通常教科書も併用した。
183
 理科・社会は、図が多いので通常教科書でも読みやすい。
184
 理科は特に困らないから。
185
 理科は特別教室での授業となるため、拡大教科書だと持ち運びがしにくい。
186
 理科は分野に分かれているので、持って行っている教科書と違う分野を参照するように指示された時に、ルーペで見る事が出来るように持って行っている。英語は単語を調べるように指示された時に、調べやすいように持って行っている。
187
 理科は話しを聞いているだけで、だいたい分かるので、教科書にそんなに頼らなくても大丈夫である。
188
 例えば算数の「長さ」の学習で、ものさしの細かい目盛りは通常教科書だと全く見えないが、拡大教科書だと自分で理解できる。また漢字の画数やつくり方が細かくて見えないことが多いので、拡大教科書があると助かる。

弱視特別支援学級調査:拡大教科書を利用して困る点、「その他」の自由記述

拡大教科書を使用して困る点(困る内容)
1
 理科の製本の仕方が悪く、使いづらい。
2
 本人の知的発達に応じたものではないこと。例えば国語、算数などは3年でも1年生の教科書を使いたいと思っても、それが出来ないので使いにくい。
3
 文字が大きすぎる。1行の字数をもっと増やしても良い。楽譜は小さくても良い。
4
 白黒反転なのでとても見やすいのですが、鉛筆で記入が出来ない。白の鉛筆を使用してみたのですが、分かりにくいです。
5
 同じ曲が複数ページにまたがり、見づらい。
6
 通常教科書をカラーで拡大コピーしているので、絵がぼやけて見にくいところがある。
7
 通常教科書と行数が変わってしまい、先生の指示に従いにくくなるため。
8
 通常の教科書をただ拡大してあるだけでは読みづらく、手書きで書いてある部分は読みやすい。だから全て手書き、絵や図、写真の配置も文字を中心に考えてから配置していいただいてあると読みやすい。視野狭窄もあるので、拡大してある文字の間隔はあまり空いていない方が読みやすい。
9
 地図は分割されると全体の形(地形や位置)が把握しづらい。
10
 知的障害もあるので、当該学年にものは内容が難しすぎる。内容はとてもきれいで見やすいのですが…。
11
 知的な遅れを伴うため、内容を十分理解できない。
12
 数学の製本が悪くページが取れてしまった。交換してもらったが、やはり製本が弱くページが取れてしまった。
13
 社会…資料が他の児童のものより古いことがある。
14
 写真、特にカラー写真など情報量の多いものは判別が難しい。切り出し用のカードが小さくて見えない。
15
 児童用机の大きさが決まっていて、厚いしページがなかなか止まらなくてパタンパタンと閉じてしまう。交流学級で担任が見え方をサポートしながら授業を受けているが、机の天板が狭すぎである。
16
 指導するにあたって、製本については中の紙が剥がれやすく、使っているうちにバラバラに取れてしまう。地図は拡大すればする程、全体像が分かりにくくなる。紙が大きくなっても全体像が分かるようなものが欲しい。
17
 算数…図や表などに使っている線が細くどこから始まっているのかよく分からないため、線を全体的に太くして欲しい。グラフも使えない。社会…手書きのため文字に細いところがあるので読みにくい。
18
 困るということはないのですが、白黒反転してあると分かりやすい。
19
 国語の挿絵のところが少ない。
20
 国語で、みんなの教科書と行数が合わなくて困る。
21
 国語…高学年になると文字数も多くなり、文章を読むときに文字を追いにくいと感じている。通常教科書の方が読みやすい。
22
 国…振り仮名が付くと文字間が変わり、言葉のかたまり(単語・文節)を捉えにくい。 数(分冊・巻末)…見開きページのつなぎ目に文字がある場合、読みにくい。説明と資料(表・図)が別ページに分かれていると理解しにくい。 英…原本は見開きになっている本文と語句が分かれていて使いにくい。 社…背表紙に表記がないので、本箱で見つけにくい。 理…ファイル綴じのリングが痛い。ページもめくりづらい。紙が薄く、裏が透ける。
23
 誤字、脱字が多い。
24
 現在使用していませんが大きくて重く、交流学級などへ持って行ったりするのが大変。使用しにくいから。
25
 楽譜は小さくても良い。
26
 楽譜と地図は判読不能
27
 音楽は歌の途中で次ページをめくらなければいけないので、使いにくい。
28
 音楽の教科書は大きさが大きい割に字が小さい。持ち運びが大変である。
29
 音楽については音譜が読み取りにくい。歌唱練習の時、数ページに曲がまたがるので見にくく歌いにくい。鑑賞などページがまたがり使いにくい。
30
 音楽については音譜が読み取りにくい。歌唱練習の時、数ページに曲がまたがるので見にくく歌いにくい。鑑賞などページがまたがり使いにくい。
31
 音楽:楽譜を見るために、どんどんページをめくるのが大変なときがある。地図帳:地図帳の上の文字が大きすぎて、下の地図の大切な記号が隠れて見えないところがある。
32
 英語で「I」と「L」の区別が分かりづらかった。
33
 ページ数が多いため本が厚くなっているので、開きにくい。また使用しているうちに背表紙から剥がれ、バラバラになってしまう。リング式の製本はページが開きにくく破れやすい。
34
 ページが抜けていたり、間違った答えや数字(算数)が書かれていたりした。
35
 ページが他の人と違うため、困る。
36
 バインダータイプの教科書は、教科書の端が折れて曲がってしまい困っています。


弱視特別支援学級調査:通常教科書を利用する理由

通常教科書の利用者の利用理由
1
 理科…星や月の単元で使用するトレーシングペーパーや星座早見表などが、拡大教科書には付いていないため。
2
 利用はしていませんが、時々通常の教科書のカラーページを見せたりしている。
3
 目に合った眼鏡を使えるようになり、度数の強い眼鏡でも平気になってきた。視力を上げられるようになっている。通常の教科書の文字でも読めることがある。クラスの他の子と同じようにしたいという気持ちがある。
4
 本人は「使いたくないと思うことはない」と言っているが、教員の目から見ると「友達と同じものを使いたい」という意識があるように思う。そのため拡大教科書の方がはっきり見えるが、通常教科書を使うこともある。拡大教科書はページ数が多いので、通常教科書を併用すると分かりやすいといった面もある。
5
 普通学級の授業ペースに付いていくため、学校では通常教科書を使用するようにしています。
6
 入級児童は先天性白内障で、就学前に眼内レンズを挿入する手術を受けている。その後視力は回復し、通常教科書の文字が読める状態になっている。遠く(黒板)から近く(手元にあるノート等)を見る際に調整が少ししづらいため、近くを見るための眼鏡を使用している。眼鏡の着脱は本人に任せている。
7
 読書機を使用している。
8
 通常教科書の文字が読めるため、拡大教科書は利用していません。
9
 通常の教科書の方が持ち運びやすいから。通常の教科書でも何とか字が読めるから。
10
 通常の教科書の方が持ち運びしやすいので拡大教科書は学校に置き、家では通常のものを使用している。
11
 通常の教科書の方が見やすい教科があるから。家庭では通常教科書を全ての教科で使用している。
12
 中1で配布、中2からは拡大版が出来ても支給されないので。
13
 全体を見ることができる場合などに使用する。
14
 先生の指示するページが分かりやすいから。
15
 図表など原典教科書と配置が異なっており、探すのに時間がかかる。
16
 図工では絵や図が大きすぎても、狭い視野の中に入らないため。書写は手本が厚すぎて、置いて見づらいため。
17
 主として通常教科書を使用し、部分的に拡大教科書を使用しています。生徒の、皆と同じものを使いたいという気持ち、高度近視のためピンポイントでならかなり細かい文字が見え、一度に多くの文字が視野に入るためには通常教科書の方が良いという生徒の思いがあって、その様な形を取っています。図やグラフなど通常教科書では見えにくいものは拡大教科書で確かめたりしています。
18
 社会は拡大教科書がなかったので、通常教科書を使用している。
19
 次の単元に進んだ際に分冊の関係で次の教科書になり、持ってきていないときのみ。
20
 国語…文章を読むときは通常教科書を使用。(来年度から拡大教科書は使用しないことになりました) 社会…地図帳においては地図の中から地名などを見つけるときに、拡大に載っている地名などの情報だけでは(省略されていて)不足なために、通常教科書と併用して使用している。
21
 教科により通常教科書でも学習可能なため。
22
 基本は通常のもの。見えにくい図やルビ等に対応するため拡大教科書を使用している。ほぼ40人学級の中で勉強しているため、ページが合わない教科書は好まない。
23
 拡大読書機も併用しているので、その場合通常教科書を利用する方が使いやすいため。
24
 拡大教科書は利用していない。
25
 拡大教科書は授業中に、通常教科書(自費購入)は自宅学習で使用している。
26
 拡大教科書はページ数が多いため、段落分けをするときにページをたくさんめくらなくてはいけないので、検定教科書を使っている。
27
 拡大教科書に書かれている地図が、原典教科書のどの部分にあたるのかを把握するため。
28
 家では通常教科書を購入してあり、拡大読書機を使用したりまた家でそれを拡大して使用している。拡大教科書は重いので持ち帰らず、学校に置いている。
29
 どちらも見えるので、状況に応じて利用している。
30
 そのページに書かれていることが全て一度に分かるから。
31
 2年生在学だが、1年生の教科書を使用している。国語以外の教科書は、目を近づけると文字が認識できる。
32
 1年生の教科書は文字も大きく十分見える。他の子と同じ指示で使える。ページ見開きでまとまって使えるようになっている。
33
 1年生の英語は文字も大きく絵も大きいので、全体(皆と同じ教科書)を見るためにはあると便利です。
34
 1年生でどの教科も比較的大きい文字のものが多いので、今年度は通常のみ使用している。来年度は国・算の2教科は拡大のものを、残りは通常を使用の見込みである。拡大は重くてかさばること、国・算は使用する時間数が他より大幅に多いことから、この様な選択にした。
35
 1ページを数ページに分けて載せてあるので、資料を探すのに通常教科書と比べながら探すこともある。文と資料のつながりが通常教科書の方が分かりやすいし、見やすい。
36
(1)保護者の希望で実費購入

(2)通常の子どもと同じものを持たせて欲しい。

(3)登下校の時に持たせているのは国語の拡大のみ、他は通常の教科書。

37
(1)通常教科書で見える教科もある。

(2)国語で、文章が中途半端でページが変わることがある。

38
(1)担任と同じページをすぐに開けられるから。

(2)周りのみんなと同じ教科書を持っておきたいから。

39
(1)先生の指示するページが分かりやすい。

(2)拡大鏡で確認できるため。※交流学級で学習するときは机の大きさが限られているので、「通常教科書と拡大鏡」で学習する。弱視学級で学習するときは「拡大教科書」で学習することが多い。

40
(1)人の目が気になることが一番大きい。

(2)1ページで全体が把握しやすい。

41
(1)書写の教科書は文字が大きいためよく見える。

(2)図画工作は作品を拡大読書機で拡大している。

42
(1)家庭に持ち帰るのが大変である。家庭には拡大読書機がある。

(2)バラのB4ページのものが多く拡大教科書は通常教室では使いにくいので、通常教室では通常教科書を使うことも多い。


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