2012年度版発行中学校拡大教科書アピール文


 弱視児童生徒のための拡大教科書には、長い歴史があります。最初は、拡大写本として、ボランティア団体等によって製作・配布されてきました。しかし、拡大教科書普及推進会議による検討等を経て、「障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律」が施行され、無償給与されるようになって以降、教科書発行者等の努力等により、標準規格「拡大教科書」作成マニュアルに基づく市販拡大教科書が増加してきました。平成23年度には小学校、平成24年度には中学校のすべての検定教科書の市販拡大教科書が発行されるに至りました(2012年度版発行小中学校拡大教科書一覧)。拡大教科書には、個別のニードに基づいて作成する個別対応(プライベート・サービス)版と教科書発行者等が標準規格に準拠して作成した標準規格版があります。そして、標準規格版には、基本的に、18ポイント・A5判、22ポイント・B5判、26ポイント・A4判の3種類があります。

 標準規格版の市販拡大教科書は、当初、ボランティアの個別対応と比較すると低い評価を受けていました(平成22年度文部科学省教科書課委託研究「標準規格の拡大教科書等の作成支援のための調査研究」)。しかし、先の調査研究の結果等に基づき、教科書発行者等が改良の努力を重ねた結果、市販拡大教科書の評価は、ボランティア団体に追いつくまでに向上しました。このホームページには、教科書発行者等やボランティア団体が拡大教科書を製作する上で、どのような努力・工夫等を行っているかの一部をまとめてあります。拡大教科書は簡単に出来るものではありません。どのような努力・工夫等が行われているかを、ぜひ、ご理解の上、拡大教科書を有効活用してくださるようお願いいたします。

 以下は、中学校の拡大教科書を作成している団体等にご提供いただいたアピール文です。すべての市販拡大教科書発行者のアピール文があるわけではありませんので、ご了承ください。



編集責任者:中野 泰志(慶應義塾大学)

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