第2回講義 練習問題

1.平ちゃんは一人でコンサルティング業を営んでいる。その業務の交通費などの経費は1年間に550万円かかる。また平ちゃんが業務に使用しているコンピューターは1年間に2万円ほど価値が減耗する。そのコンピューターをコンサルティング業務に使わなかったならば、それを売った資金で利子収入1万円を得ることができたはずだ。平ちゃんのコンサル業務の1年間の売り上げは1000万円だ。彼が自営のコンサル業務をせずに大学で経済学の講師をしていたならば年間500万円を得ることができたはずだ。以下の問いに答えなさい。

(1a) 平ちゃんのコンサル業の年間会計利益はいくらか? (会計利益とは商売によって発生する収入から金銭的費用と減耗費を差し引いたものだ)

(1b) 平ちゃんのコンサル業の年間経済利益はいくらか? (経済利益とは商売によって発生する収入から機会費用を差し引いたものだ)

(2b) 平ちゃんはコンサル業を続けたほうがよいか?それとも大学で経済学の講師をしていたほうがよいか?

(確認問題)金銭的費用とは何か?機会費用とは何か?純便益とは何か?

2.アメリカの労働者と日本の労働者は、ともに一人当たり1年に4台の自動車を生産できる。一方、アメリカの労働者は一人当たり一年に10トンの穀物を生産できるが、日本の労働者は一人当たり一年に5トンの穀物しか生産できない。簡単化のために両国ともに労働者は100万人いるとしよう。

(2a) この数値例をもとに、単位労働投入量の表を作成しなさい。

(2b) アメリカ経済と日本経済の生産可能性フロンティアを描きなさい。

(2c) アメリカにとって、自動車1台の機会費用はどれだけだろうか、また穀物1トンの機会費用はどれだけだろうか?日本にとって、自動車1台の機会費用と穀物1トンの機会費用はそれぞれどれだけだろうか?

(2d) 自動車の生産について絶対優位をもっているのはどちらの国か?穀物の生産についてはどうか?

(2e) 自動車の生産について比較優位をもっているのはどちらの国か?穀物の生産についてはどうか?

(2f) 貿易がない場合には、どちらの国も自動車の生産と穀物の生産に半々の労働者が従事しているものとしよう。この場合、それぞれの国の自動車と穀物の生産量はいくらか?

(2g) 上記の貿易のない場合を出発点として、貿易が両方の国を豊かにする例を考えなさい。