トランプ政権の政策関連年表 2019年
1月
・イスラエル・エルサレムでボルトン米大統領補佐官がネタニヤフ首相と会談しトランプ大統領が指示したシリアからの米軍撤退について,ISを打倒して再び脅威とならないようにすること,およびクルド人勢力の安全確保の2つが撤退の条件であることを表明(6日)。
・ポンペオ国務長官が訪問先のエジプト・カイロで演説しオバマ大統領の「イスラム社会との和解」の対中東政策を「イスラム過激主義の残忍性と頑強性を過小評価していた」と批判(10日)。
・シリア駐留米軍報道官が米軍がシリアからの計画的な撤退プロセスに着手したと発表,直後に国防総省当局者がシリアからの撤収は重要性の低い一部装備のみで部隊は撤収を開始していないと強調(11日)。
・トランプ大統領がミサイル迎撃網の分析報告「ミサイル防衛見直し(MDR)」を発表し極超音速兵器や巡航ミサイルの脅威の高まりに対応する防衛技術への投資などを通じてミサイル防衛システムを強化することを宣言(17日)。
・国家情報長官局が「国家情報戦略」最新版を公表,中国,イラン,北朝鮮,ロシアおよびイスラム過激組織がアメリカの安全保障の脅威となるとの内容(23日)。
・トランプ政権がカタールでのタリバンとの和平交渉で「アフガニスタンでテロ組織の活動を許さない」ことを条件に,「早ければ今年前半に駐留米軍の撤退を完了させたい」とする意向をタリバン側に伝達,タリバン側は条件をのむことで大筋合意し「米軍の撤退が始まれば我々は攻撃を止める」と述べて停戦に応じる可能性も示唆(23日)。
・トランプ大統領が政府機関閉鎖の一部解除について2月15日までの3週間のつなぎ予算案に署名することで民主党と合意したと発表(25日)。
・コーツ国家情報長官が「世界の脅威評価」年次報告書を発表,トランプ大統領の「ISを打倒した」との主張に対して「ISISは指導者や支配地域を大きく失ったものの依然としてイラクとシリアで数千人の戦闘員を運用し,8支部と12を超えるネットワーク,世界各地に分散した数千人の支持者を維持している」と指摘,またイランが2015年の核合意に違反しているとのトランプ大統領の主張にもCIA長官の証言などを根拠に異論を提示(29日)。
2月
・トランプ大統領が2日付でINF全廃条約の義務履行を停止し条約からの離脱手続きを開始すると発表,ロシアの同条約違反を理由(1日)。
・国際開発局(USAID)が反テロリズム法にもとづいてヨルダン川西岸地区とガザ地区のパレスチナ人に対する援助を全面的に停止すると発表(1日)。
・トランプ米大統領がにイラク駐留米軍と基地をイランに対する監視と圧力として利用する意図を表明(3日),イラクのサレフ大統領がトランプ大統領の発言はイラクの憲法と安全保障協定に違反すると批判(4日)。
・トランプ大統領が上下両院合同会議で一般教書演説,2月27,28日にベトナムで米朝首脳会談を実施すると発表,不法移民による犯罪防止のためにメキシコとの国境の壁建設の必要性を強調(現地5日夜)。
トランプ大統領が国務省で開催の国際会議で演説しISは1週間以内にシリア国内の善支配地域を失うとの見通しを示す(6日)。
・共和党と民主党の議員が政府機関の閉鎖を避けるためメキシコ国境の壁建設の予算として13億7500万ドルを計上することで原則合意,トランプ大統領の要求額は57億ドル(11日)。
・トランプ大統領がメキシコ国境の壁建設予算確保のために国家非常事態を宣言する意思を固めたとホワイトハウス発表(14日)。
・シャナハン国防長官代行がNATO国防相会議でアフガニスタン駐留米軍を単独で撤退させることはないと発言(14日)。
・トランプ大統領が不法入国者によって侵略を受けているとして軍事予算などをメキシコ国境の壁建設予算に転用するための国家非常事態宣言を発令(15日)。
・トランプ大統領がメキシコ国境の壁建設予算確保のために発令した国家非常事態宣言に対して,ニューヨーク,カリフォルニアなど16州が憲法違反としてカリフォルニア州連邦地裁に提訴,各地で非常事態宣言に対する抗議行動実施(19日)。
・アメリカ国際自動車ディーラー協会がトランプ政権の輸入自動車に対する25%の関税は自動車価格や修理費用を1台当たり数千ドル上昇させ自動車の販売を削減させるとの意見を公表(19日)。
・ホワイトハウスのサンダース報道官がシリア駐留米軍の撤退後も200人規模の平和維持部隊の駐留を継続させる方針を発表(21日)。
・トランプ大統領がシリア駐留米軍200人規模の駐留継続方針について全面撤退の命令を撤回したわけではないと発言(22日)。
・トランプ大統領が3月1日に予定されていた中国製品2000億ドル分の関税の10%から25%への引き上げを延期すると発表,知的財産保護など中国との貿易協議で大きな進展があったという理由(24日)。
・下院本会議でトランプ大統領のメキシコ国境の壁建設予算確保のための非常事態宣言の差し止め案を賛成245,反対182で可決,決議案は上院に送付(27日)。
・ベトナム・ハノイでトランプ大統領が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が昨年6月以来2回目の首脳会談を開始(27日)。
・下院監督・政府改革委員会の公聴会でトランプ大統領の元顧問弁護士のコーエン氏が証言,トランプ氏を「ウソつきで詐欺師で差別主義者」と非難し,不倫相手への口止め料支払いや大統領選挙中のロシア疑惑についてトランプ氏の関与を認める(27日)。
・ベトナム・ハノイでのトランプ大統領と金正恩朝鮮労働党委員長との2日目の首脳会談で北朝鮮の非核化とアメリカの経済制裁解除で合意に至らず,合意文書への署名なしで会談終了,会談には前日のポンペオ国務長官に加えて対北朝鮮強硬派のボルトン大統領補佐官が参加(28日)。
・トランプ大統領が米朝首脳会談の帰路にエアフォース1の給油のために立ち寄ったアラスカの米軍基地で,シリアのIS支配地域を100%奪還したと発言,これに先立って米軍・シリア民主軍合同部隊の司令官は完全奪還にはさらに1週間かかるとの認識を示す(28日)。
3月
・国防総省が毎年春実施の米韓合同軍事演習「フォールイーグル(Foal Eagle)」と「キー・リゾルブ(Key Resolve)」を終了すると発表(3日)。
・ボルトン大統領補佐官が米朝首脳会談についてCBSの報道番組で,争点は「北朝鮮が完全な非核化を受け入れるか,我々には受け入れがたいことかのどちらか」で,「大統領は自分の考えを断固として貫いて米国の国益を守った」と会談は失敗ではなかったと発言(3日)。
・国務省がエルサレムの総領事館を格下げし在イスラエル大使館に統合すると発表,同総領事館はこれまでパレスチナに対する大使館として機能(4日)。
・ロシアのプーチン大統領がINF全廃条約への参加を正式に停止,トランプ大統領が2月に同条約からの離脱手続きを開始すると発表したことへの対抗措置(4日)。
・下院軍事委員会公聴会でヴォテル中央軍司令官が「ISのカリフ制国家の支配地域縮小は軍事的成果だが,ISISメンバーは拡散しており暴力的過激思想に対する終結には程遠く,我々の使命は終わっていない」と証言(7日)。
・トランプ大統領がオバマ前大統領が命令したCIAの無人機攻撃による民間人死者の公表を義務付ける方針を撤廃するよう指示(7日)。
・上院本会議でトランプ大統領の国家非常事態宣言を無効とする決議案を採決,共和党議員12人含む賛成多数で可決(14日)。
・トランプ大統領が非常事態宣言を無効化する上院の決議に対して拒否権を発動(15日)。
・トランプ大統領がシリア南部ゴラン高原でのイスラエルの主権を認めるべきだとツイッター上で表明(21日)。
・トランプ大統領とサンダース大統領報道官が「シリアのカリフ制国家支配地域はすべて撲滅された」と発表,シリア民主軍(SDF)報道官はシリア東部バグーズでのISとの戦闘は継続中と発表(22日)。
・トランプ大統領が財務省発表の北朝鮮への追加制裁措置の撤回を命じたとツイッター上で発表,サンダース大統領報道官が「トランプ大統領は金委員長に好意を持っており,この制裁が必要だとは考えていない」と説明(22日)。
・トランプ大統領がイスラエルのゴラン高原に対する主権を認める宣言に署名(25日)。
・シリア駐在のジェフリー公使が国務省での会見でISのカリフ制国家は壊滅してもISとの戦いは終わっていない,アメリカは別の種類の戦闘を継続することになると述べる(25日)。
・シャナハン国防長官代行がトランプ大統領の要求するメキシコ国境の壁建設の費用の一部として10億ドルを軍事予算から充当することを承認(25日)。
4月
・トランプ大統領がニールセン国土安全保障長官の辞任を発表(7日)。
・トランプ大統領がイランの革命防衛隊を「外国テロ組織」に指定(8日)。
・上院外交委員会でポンぺオ国務長官がイランに対する武力行使の可能性についての質問への答弁で,2001年9月の同時多発テロ後に議会が承認したテロ勢力に対する政府の武力行使権限に基づくことができるかどうかについては明言を避けつつ,「イランとアルカイダとの間にはつながりがあることは明白だ」と発言,質問者のポール共和党議員がシーア派政権のイランがスンニ派のアルカイダと手を組むことはないと批判(10日)。
・イスラエル西部テルアビブの空港で,イスラエルに対する制裁やユダヤ人入植地産品の不買を呼びかける運動(BDS)の創始者バルク―ディ氏がアメリカへの講演旅行のための飛行機への登場を空港当局が拒否,アメリカ政府が同氏の入国の権利を拒否したことが理由(11日)。
・NYタイムズとウォールストリート・ジャーナルがトランプ大統領に関する報道によってピューリッツァー賞を受賞(15日)。
・トランプ大統領がムスリムの民主党下院議員の演説映像に9.11同時多発テロで旅客機が貿易センタービルに突っ込む映像をつなぎ合わせた動画をツイッター上に投稿(15日)。
・トランプ大統領がイエメン内戦に対するサウジアラビア主導の有志連合国軍への支援を停止する連邦議会決議に拒否権を発動(16日)。
・司法省が2016年大統領選挙へのロシア介入疑惑に関するモラー特別検察官の捜査報告書を公表,トランプ大統領の司法妨害疑惑についてはその疑いはないとする充分な証拠はないとの結論,トランプ大統領がモラー特別検察官の捜査報告書に自身の司法妨害の明確な証拠が示されていないことについて「ゲームオーバー」とツイッターに投稿(18日)。
・トランプ大統領が15日にリビア国民軍(LNA)のハフタル司令官と電話で協議し「テロとの戦いや石油資源の保護におけるハフタル氏の重要な役割を認めて」協力の意思を表明したとホワイトハウスが発表(19日)。
・トランプ大統領が2016年大統領選挙へのロシアの介入疑惑に関するモラー特別検察官の捜査報告書のトランプ氏の捜査妨害に関する記述に対して「まったくのでたらめ」とツイッター上で非難(20日)。
・トランプ大統領が通常兵器の貿易の規制を目的とした国連の武器貿易条約は「見当違いでアメリカの主権を侵害する」として同条約の署名を撤回すると発表,同条約は2013年採択でオバマ前大統領が署名(26日)。
5月
・トランプ大統領が連邦準備制度理事会(FRB)の理事に指名予定だったムーア氏が指名を辞退(2日)。
・トランプ政権がイラン産原油の禁輸制裁から日本など8カ国・地域に認めた適用除外の措置を打ち切ると発表(2日)。
・ボルトン大統領補佐官がアメリカとその同盟国に対するイランの攻撃があった場合の「容赦のない軍事行動で応じる」ために,米海軍原子力空母エイブラハム・リンカーンを中心とする空母打撃軍と爆撃部隊を中東地域に派遣すると発表(5日)。
・トランプ大統領が中国の知的財産権侵害などを理由に2000億ドル分の同国製品に課す関税を10日から現在の10%から25%に引き上げるとツイッターで宣言(5日)。
・トランプ大統領がイスラエルとガザ地区のパレスチナ勢力との紛争についてイスラエルの自衛行動を100%支持するとツイッターで発言(6日)。
・トランプ政権が中国からの輸入品2000億ドル相当に対する追加関税を10日午前0時1分に25%へ引き上げると正式に官報で通知,対象は同日以降の中国からの出荷のため実際に関税が賦課されるのは数週間後(8日)。
・トランプ大統領が通商代表部のライトハイザー代表に対して中国からの輸入品のうち関税25%の対象外となっている残りの3000億ドル分についても関税引き上げ手続きに着手するよう命令(10日)。
・国務省がイランとの軍事的緊張の高まりへの対応としてバグダッドの大使館とアルビルの領事館の緊急対応要員以外の職員全員に対して退避命令を発令(15日)。
・トランプ大統領が高技能労働者の受け入れ枠の大幅な拡大を盛り込んだ移民制度改革案を発表,移民受け入れ総数は不変のため,単純労働の移民の削減が狙い?(16日)。
・トランプ大統領がカナダとメキシコから輸入する鉄鋼とアルミニウムに対する関税を撤廃すると発表,また輸入自動車に対する大幅な関税引き上げを最大180日間延期すると発表し,その間にライトハイザー通商代表部代表に日欧などと交渉するよう指示(17日)。
・国防総省が中東地域に米軍1500人規模を増派すると発表(24日)。
・カリフォルニア州連邦地裁がメキシコ国境沿いの壁建設に軍事予算を充当するトランプ政権の計画に対して一時差し止め命令を発令(24日)。
・ポンペオ国務長官がイランの脅威を理由としてサウジアラビア・UAE・ヨルダンに議会の審査・承認なしに計81億ドル相当の武器を売却すると発表(25日)。
・トランプ大統領がメキシコ経由の不法移民の流入が止まるまでメキシコからの全輸入品に6月10日から5%の関税を課し,10月まで毎月5ポイントずつ引き上げ最高25%にするとツイッター上で表明(30日)。
6月
・トランプ大統領がメキシコとの3日間にわたる協議により移民問題について両国は合意に至ったとして10日から予定されていた対メキシコ関税の発動を無期延期すると発表,背景に産業界の強い抵抗(7日)。
・トランプ大統領がFOXテレビのインタビューで日米安全保障条約に言及し「日本が攻撃されれば米国は第3次世界大戦を戦う。我々は命と財産をかけて戦い彼らを守る」と強調し,「でも我々が攻撃されても日本は我々を助ける必要はない。彼らができるのは攻撃をソニーのテレビで見ることだ」と主張(26日)。
7月
・下院本会議がトランプ大統領のイランに対する強硬政策によって無用な戦争に突き進むことへの懸念を表明し,イランに対する大統領の攻撃能力を制限する措置を可決(12日)。・トランプ大統領が,「政府が完全に失敗し世界のどこよりも腐敗し無能な国から来ている進歩的な民主党女性議員」と民主党の非白人女性議員4人を実質的に名指しして,「彼女らは出身地に戻って,完全に崩壊し犯罪のはびこる場所を立て直すのを手助けしたらいい」とツイッター上に投稿(14日)。
・トランプ大統領がホワイトハウスでの広報イベント「メイド・イン・アメリカ」でのスピーチで,民主党の非白人女性議員4人を念頭に,「彼らはアルカイダのようなアメリカの敵を愛していて,合衆国を嫌悪し不平しか言わない。ここが嫌なら(母国に)帰ればいい」発言(15日)。
・下院本会議でトランプ大統領の民主党女性議員を事実上の標的とする「人種差別発言」を非難する決議案を採決,民主党議員235人と共和党議員4人,無所属議員1人の賛成多数で可決(16日)。
・ノースカロライナ州グリーンビルでのトランプ大統領の選挙集会で,支持者が民主党のオマル下院議員について「彼女を送還しろ」とシュプレヒコール,トランプ氏は黙認(17日)。
・トランプ大統領がパキスタンのカーン大統領との会談の際にアフガニスタンでの「戦争は数日間で勝利できるが,1000万人を殺すことは望まないし,アフガニスタンが地上から消滅する」と発言(23日)。
・連邦議会上院本会議でエスパー地区軍長官を国防長官にする人事案を90対8の賛成多数で承認(23日)。
・トランプ大統領がサウジアラビアやUAEなど中東の同盟諸国に対する武器売却を阻止する議会の決議に対して拒否権を発動(24日)。
・22日にボルトン米大統領補佐官と河野外相,岩屋防衛相らが会談,ボルトン氏が在日米軍駐留経費の日本側負担を5倍に増加するよう求めたと朝日新聞が報道(31日)。
・連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が政策金利を0.25%引き下げて年2.0〜2.25%にすることを決定したと発表,連続的な利下げについては否定,トランプ大統領は利下げ幅が足りないとツイッターに投稿(31日)。
・トランプ大統領が9月1日から中国からの輸入品3000億ドル相当に10%の制裁関税を課すと発表(31日)。
8月
・トランプ大統領が金正恩朝鮮労働党委員長から新たな手紙を受け取ったとし,米韓合同軍事演習について金委員長は「好ましく思っていない。私も好んでいない。そのための費用を支払いたくないからだ」と述べるとともに,「(北朝鮮は)核実験を行っていない。ミサイル実験もすべて短距離で,弾道ミサイルや長距離ミサイルの試験は行なわれていない」と北朝鮮のミサイル実験を重要視しない姿勢を改めて示す(8日)。
・通商代表部(USTR)が中国からの輸入品3000億ドル分に対する9月1日発動予定の10%の追加制裁関税について,中国製携帯電話,ラップトップ型パソコン,コンピューター用モニター,ビデオゲーム機,玩具や靴類,衣類の一部について発動を12月15日まで延期すると発表,クリスマス商戦に向け準備を進める小売業者からの激しい抗議への対応(13日)。
・国防総省がカリフォルニア州ロサンゼルス沖サンニコラス島から核弾頭搭載可能な地上発射型中距離巡航ミサイルの発射実験を18日に実施したと発表,INF全廃条約破棄後初の実験(19日)。
・ポンぺオ国務長官がISについて,カリフ制国家は消滅したが,シリアとイラクでは以前として脅威であり続け,勢力を増している地域さえあるとの認識を示す(20日)。
・中国国務院がアメリカが9月1日から発動予定の対中制裁関税第4弾への報復措置を発表,原油や農産物など約750億ドル分の米国製品に5〜10%の追加関税を賦課,トランプ大統領が中国が発表した対米関税への報復措置として中国産品の関税率を9月1日から発動の3000億ドル相当に対して10%から15%に,10月1日から2500億ドル相当に対して現在の25%から30%に引き上げると発表(23日)。
・トランプ大統領がアフガニスタンにおけるタリバンとの和平交渉が成立した場合,アフガニスタン駐留米軍は現在の1万4000人規模を削減するが,8600人規模の駐留は維持する方針を表明(29日)。
・ホワイトハウスで宇宙軍(Space Commnad)の設立式典を開催,中央軍やインド太平洋軍などに続く11番目の統合軍(30日)。
9月
・シンクタンクのアトランティック・カウンシルが5人の元駐アフガニスタン大使含む9人の元外交官の見解として,アフガニスタンからすべての米軍が撤退すればアフガニスタンは全面的な内戦に陥り,アメリカの国家安全保障にとって破局的な結果をもたらすとの警告を公表(3日)。
・国防総省がトランプ大統領が命令したメキシコ国境沿いの壁の建設費用として同省の予算から36億ドルを転用する計画をエスパー国防長官が承認したと発表(4日)。
・トランプ大統領が中国産品に対する追加関税によってアメリカの輸入業者にコストを転嫁することなく中国から多額の関税収入を得られるとの従来の主張をツイッター上に投稿(6日)。(米中の貿易の現状からは経済学的にほぼ成立しない主張である,延近)
・トランプ大統領が5日にタリバンの自爆攻撃により米兵1人とルーマニア軍兵士1人含む12人が死亡した事件を受けて,タリバンが「和平交渉中の停戦に応じられないのなら彼らには和平を成立させる力がないことを意味する」として和平交渉を中止すると発表(7日)。
・トランプ大統領が7日にアメリカとタリバンとの和平交渉を中止すると発表したことに対して,タリバン報道官が和平交渉の中止はアメリカにとってより大きな犠牲を払うことになると警告(8日)。
・トランプ大統領がタリバンとの和平協議は「死んだ」と述べ,この4日間に米軍によるタリバンへの攻撃を最大限に強化していると発表(9日)。
・トランプ大統領がボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)を解任したと発表,ボルトン氏はブッシュ政権期にイラク攻撃強行で主導的立場,トランプ政権ではイランと北朝鮮に対する強硬政策を主導(10日)。
・ポンぺオ国務長官とムニューシン財務長官がボルトン大統領補佐官解任後にそれぞれトランプ大統領はイランのロウハニ大統領と前提条件なしで会談する用意があると述べる(10日)。
・トランプ政権幹部がトランプ大統領がイランのロウハニ大統領と前提条件なしで会談する用意があると述べたことに対して,イラン政府はアメリカがイランに対する経済制裁を続ける限り交渉の余地はないと会談を拒否(11日)。
・トランプ大統領がイラン中央銀行に対してヒズボラへの資金提供などテロリズム支援を理由とする制裁を科したと発表(20日)。
・トランプ大統領が国連総会演説で「未来はグローバリストのものではなく,愛国主義者のものだ」と単独主義を称賛するとともに,中国批判や対イラン制裁強化の可能性を主張,地球温暖化対策にも冷淡な姿勢(24日)。
・国防総省がサウジアラビアにイランからの攻撃に対する防衛システムとしてパトリオット・ミサイル1群と4基の地上設置レーダーシステムを供与し,必要に応じてパトリオット・ミサイル2群とTHAADミサイル防衛システム1群の供与,地上部隊200人規模の派遣を準備すると発表(26日)。
10月
・トルコ政府のクルド人民防衛隊(YPG)に対する軍事行動開始についてトランプ政権が米軍は支援も関与もせず対IS軍事作戦部隊は間もなく撤退すると発表,YPGはシリアにおけるIS掃討作戦で米軍と協力関係(6日)。
・トランプ大統領がシリア北部から対IS軍事作戦部隊を撤退させ,米軍と同盟関係にあったクルド人民防衛隊(YPG)に対するトルコ軍の軍事作戦に関与しないとした決定に対して,共和党幹部たちが同盟勢力のクルド人を見捨てる決定だと激しく批判,トランプ大統領はツイッター上でシリアでの「ばかげた戦争から手を引く時が来た」とし,トルコが[許されざる行為を行なえばトルコ経済を完全に破壊する」と投稿(7日)。
・トランプ大統領がツイッターに「我々はクルド人を見捨てたわけではない」と投稿(8日)。
・国防総省がサウジアラビアへの米軍3000人規模の増派と地対空ミサイル「パトリオット」2基とミサイル迎撃システムTHAAD1基などの配備を承認したと発表(11日)。
・エスパー国防長官がトランプ大統領の指示によりシリア北部に駐留する米軍部隊1000人規模の撤収を命令したと発表(13日)。
・トランプ大統領がトルコによるシリアへの越境軍事作戦に対する制裁措置として,ツイッターで鉄鋼関税の再発動,通商協議の打ち切りを表明(14日)。
・トランプ大統領がトルコのエルドアン大統領と電話会談しシリアへの侵攻を停止しクルド勢力との交渉を開始するよう要請(15日)。
・トランプ大統領がトルコ軍によるシリア北部でのクルド勢力への攻撃に対してトルコに科した制裁を戦闘終結の見通しが立ったとして解除すると発表(23日)。
・連邦議会下院本会議でトランプ大統領の弾劾手続きのスケジュールを規定する内容の決議案を賛成232,反対196で可決(31日)。
11月
・ポンぺオ国務長官が地球温暖化対策の国際的枠組みのパリ協定から離脱を正式に通告(4日)。
・中国商務省が米中両国が追加関税を段階的に撤廃していくことで合意したと発表(7日)。
・トランプ大統領が中国からの関税の撤廃について合意には至っていないと発言(8日)。
・連邦議会下院情報特別委員会がトランプ大統領の断崖の是非をめぐる公聴会を開催,ウィリアム・テイラー駐ウクライナ代理大使が,トランプ大統領がウクライナ大統領に軍事援助と引き換えにバイデン前副大統領の息子の調査をするよう圧力をかけたと証言(13日)。
・トランプ大統領がアフガニスタンで民間人を殺害し殺人罪で有罪が確定した米軍将校2人に特赦を与え,イラクでの戦争犯罪で降格された海軍特殊部隊(SEAL)の小隊長の地位を回復(16日)。
・エスパー国防長官が訪問先のタイのバンコクで韓国国防相と会談し,米朝の交渉実現のために米韓航空演習を延期すると発表(17日)。
・ポンぺオ米国務長官が1967年の第3次中東戦争でイスラエルが占領したヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植地は国際法に違反していないとの見解を表明(18日)。
12月
・連邦議会下院のトランプ大統領に対する弾劾調査報告書公表,「大統領は自身の個人的・政治的利益を米国の利益よりも優先し,米大統領選挙の健全性を傷つけようと試み,米国の国家安全保障を脅かした」と結論(3日)。
・トランプ大統領が反ユダヤ主義に対抗するためとして,ユダヤ教を宗教としてだけでなく国籍として再定義する大統領令に署名,各地の大学などで広がるイスラエルに対する制裁を求める運動の取り締まりが目的(11日)。
・連邦議会下院本会議でトランプ大統領を職権乱用と議会妨害で弾劾訴追する決議案を賛成多数で可決(19日)。
・トランプ大統領が2020会計年度の国防権限法に署名し宇宙軍(陸海空軍と同格)の発足が決定,国防予算額は7380億ドル(昨年度は7160億ドル)(21日)。
・キルクーク近郊のイラク軍基地へのロケット弾攻撃により米民間契約業者1人死亡,米兵4人とイラク兵数人負傷(27日)。
・アンバル州西部カイム地域のシーア派民兵部隊の基地を米軍が空爆し民兵25人死亡,55人負傷,国防省がイラクの主権侵害で治安を悪化させると非難する声明を発表(29日)。
・バグダッド中心部グリーンゾーン内のアメリカ大使館をシーア派民兵部隊(人民動員隊)の基地への空爆に抗議する民兵や支持者の集団が「アメリカに死を!イスラエルに死を!」と叫びながら襲撃し大使館入り口や車両に放火,イラク治安部隊は大使館侵入に対する阻止行動をとらず,大使館警備の海兵隊の実弾や催涙弾の発砲により少なくとも62人負傷(31日)。・トランプ大統領がバグダッドの米大使館の襲撃事件について「イランが組織した襲撃であり全面的な責任がある」として,イラク政府が武力によって鎮圧することを期待すると述べる(31日)。
・エスパー国防長官がトランプ大統領の命令によって中東地域に米軍750人規模を増派する命令を下したと発表(31日)。