PC Tips 4
(1)はじめに
インターネット・ブラウザ Internet Explorer 6(IE6,このページ末尾にIEについての余談があります) をインストールしたPCを購入したり,IE6にバージョン・アップしたりすると,付属のメールソフトもOE6になる。
IE6やOE6は,それまでのバージョンのセキュリティ・ホールを狙い撃ちしたコンピュータ・ウィルスが大量に作られ,大きな被害が発生したために,ウィルスに対するセキュリティが強化された。
もちろん,これらは万全ではなく,WindowsのOSと一体化されているために利用者が多く,利用者が多いということは今後もウィルスのターゲットになりやすいということでもある。また,最近ではWebページの閲覧やメールの送受信とは関係なく,ネットワークに接続しているPCに感染を広げるタイプのウィルスも登場して被害を拡大している。
したがって,ウィルス対策としては,自分はIE6やOE6を使っているから安全というわけでは決してなく,最新のウィルス対策ソフトをインストールし,こまめにパターンファイルをアップデートすることが必要である。
(2)OEのウィルス対策
このTipsは,こうしたウィルス対策を行なっていることを前提として,OE6のセキュリティ強化が別の問題,使い勝手の悪さをもたらす問題についてである。
OE6では,ウィルス・ファイルをメールに添付して感染を広げるタイプのウィルス対策として,ウィルスの可能性のあるファイルが添付されたメールが届いた場合,その添付ファイルを保存したり開いたりできなくする機能が追加された。
パソコン初心者のことを考慮したためか,デフォルト(初期設定)ではこれがオンになっている。
その判断は間違っていないと思うが,この機能自体は,添付ファイルがウィルスかどうかを検知してブロックするわけではなく,添付ファイルの拡張子*がウィルス・ファイルの可能性のあるものすべてをブロックするというものである。
デフォルトでブロックされるのは,「.exe」,「.doc」,「.xls」などである。これらはファイル自体がプログラムであるか,あるいはファイルがマクロなどのプログラム機能をもっている可能性があるからである。
- *拡張子
- Windowsのファイル名の末尾,「.(ピリオド)」に続く2〜4文字のアルファベット。Windowsは拡張子によってそのファイルを開くプログラムを選択している。たとえば,拡張子が「.doc」であればMS Wordを起動してそのファイルを開き,「.xls」であればMS Excelを起動する。
「.exe」の場合はファイル自体がプログラムなので,そのプログラムが実行される。
ただし,Windowsのデフォルトでは拡張子を表示しない設定となっている。拡張子を表示するには,
1)マイ コンピュータなどフォルダやファイルが表示されるウィンドウを開き,
2)メニューバーの,Win98やMeでは「表示」,Win2000やXPでは「ツール」をクリック,
3)「フォルダオプション」をクリック,「表示」タブをクリック
4)詳細設定ボックスの中の「登録されている拡張子は表示しない」をクリックしてチェックをはずす。
または,1),2)のかわりに,「スタート」,「設定」,「コントロール パネル」から3)という方法でもよい。
(3)送られてきた安全な添付ファイルも開けない
これらのうち,「.exe」はフリーウェアなどに多く,これらをダウンロードする際に注意すればよい。メール添付で送られてきた場合はウィルスの可能性が大きい。
問題は「.doc」や「.xls」である。ワード・ファイルやエクセル・ファイルはレジュメや原稿の送付のためにメールに添付することはよくあるだろう。
ところがOE6をデフォルトのまま使っていると,これらのファイルがメールに添付されていた場合,
「次の添付ファイルは安全でないため,メールからのアクセスが削除されました」
という表示が出て,そのファイルがウィルスであるか否かを問わず,すべてブロックされてしまい,開くことも保存することもできないのである。
ウィルス対策をしている人にとっては,まさに「余計なお世話」である。
そこで,これらの添付ファイルを保存できるようにする方法を紹介しよう。なお,添付ファイルをそのままの状態でいきなり開くのは,ウィルス対策ソフトをインストールしていても危険すぎるので,必ず適当なフォルダに保存してウィルス検索をしてから開くこと!
(4)OE6で添付ファイルを保存できるようにする方法
(初級向け)
[添付ファイルすべてを保存できるようにする]
- OE6のメニューバーの「ツール」,「オプション」,「セキュリティ」タブの順にクリック。
- 「ウィルス防止」の「ウィルスの可能性がある添付ファイルを保存したり開いたりしない」のチェックをはずす。
- 「OK」をクリックしてボックスを閉じる。
これで,添付ファイルを保存できるようになりますが,ウィルス・ファイルもすべて保存したり開いたりできるようになることに注意!
ウィルス対策ソフトの導入は必須です。
まだ導入していない場合,メールをプレビューしただけでウィルス・ファイルが実行されるタイプのウィルスもあるので,
「表示」,「レイアウト」で,「プレビュー ウィンドウを表示する」のチェックをはずしておく。
知らない人からのメールや不審な件名のメールは開かずに削除したほうが無難です。
(中級向け)
[添付ファイルの種類別に保存できるようにする]
【例】MS Wordの添付ファイルを保存できるようにする場合
- 上の*拡張子で説明した方法により,「フォルダオプション」を開く。
- 「ファイルの種類」タブをクリックすると,登録されているファイルの種類ボックスが表示される。
- ボックスのスクロールバーを使って「DOC Microsoft Word 文書」を探して選択。
- 「詳細設定」をクリック。「ダウンロード後に開くかどうかを確認する」のチェックをはずす。
- 「OK」をクリックしてすべてのボックスを閉じる。
(上級向け)
[レジストリを変更してブロックの対象となるファイルの種類を操作する]
(この方法はレジストリ変更の意味を理解しPC操作に自信のある人以外は試さないでください)
ただし,わたしはいろいろな問題点のあるOE6を使っていません。これらの方法は知識として知っているだけで試していませんので,トラブルが起きない保証はできません。実際,OSのバージョンやPCそれぞれの環境によって表示が違うようなので,不安な場合はすべて「キャンセル」をクリックして何も変更しないでください。
- 「スタート」,「ファイル名を指定して実行」 で空欄に regedit と入力して「OK」を押す。
- HKEY_LOCAL_MACHINE \SOFTWARE \Microsoft \Internet Explorer を開く。
- 「編集」,「新規」,「キー」 の順に選択し, UnsafeFiles と入力して新しいキー を作成する。
- 作成したUnsafeFiles キーをクリックし,
- ブロックの対象から除外したい場合,3と同様の操作で, Exclude というキーを作成する。
- ブロックの対象に追加したい場合,3と同様の操作で Include というキーを作成する。
- 作成した Include または Exclude キーをクリックし,3と同様の操作で,ファイルの拡張子名のキーを作成する。
(操作の対象ファイルがMS Wordファイルの場合,.doc と入力)
(5)余談(Internet Explorer について)
新しい情報を見ているつもりが,実は古かったという話
わたしが作成して公開しているウェブ・サイトに対して,こういう情報を載せてほしいという希望が寄せられることがあります。それが有意義であれば可能な限り希望に沿うようにしています。
以前,ある人の希望に応えて情報を載せて更新したにもかかわらず,その人から「まだ更新されていないがどうなっているのか?」という質問のメールが来ました。
自分で確認してみてもきちんと更新されている。そこでURLを記入したメールに「そんなはずはない。このページにこのような情報を載せて更新したのでもう一度見てください。」と返信しましたが,「依然として変わっていない。そのURLにはこういう情報しかない。」という再返信。そこに書かれている情報は更新前のもの。
そこで,はたと気がつきました。ひょっとしたら,この人はオフラインのままでPCにキャッシュされている過去のページを見ているのではないか?Internet Explorer には,一度見たウェブ・ページを Temporary Internet Files というフォルダに一時的に保存しておいて,ブラウザの「戻る」ボタンなどで再びそのページを見ようとしたときに表示を早くするキャッシュという機能があります。
アナログ電話回線でダイアル・アップによってインターネットに接続していて,ページを再表示したい場合など,この機能が有効な場合がありますが,この一時ファイルがいつまでも残っていると,新しいページを見ているつもりでPCにキャッシュされた古いページが表示されている可能性があるわけです。
最近では,ブロード・バンド,常時接続という環境の人が増えてきているので,この機能を使うメリットはほとんどないといえるでしょう。わたしもブロード・バンド接続環境なので,この機能を使わないような設定にしています。この人がアナログ・ダイアル・アップ環境であることがわかっていたので,以下のような方法を教え,それでも変化がなかったらもう一度連絡をください,というメールを送ったところ,「更新されてました。そんなことがあるとは知りませんでした。」という返事。
「新しい情報を見ているつもりが,実は古かった」ということに気づいていない人もまだいらっしゃるかと思い,その方法をご紹介しておきます。
- IEを開き,「ツール」,「インターネット・オプション」,「詳細設定」タブの順に開く。
- 「セキュリティ」項目の中にある「ブラウザを閉じたとき,[Temporary Internet Files] フォルダを空にする」の左側の四角(チェックボックス)をクリックして,チェックマークが出るようにする。
- あとはOKを押して終わりです。
- これでも,ブラウザを閉じない限り,一度見たページを再表示するとキャッシュされたページが表示される場合があるので,最新の情報を確認したい場合は 「更新」ボタンを押して確認する必要がありますが。
(2003.12.17)
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