PC Tips 1
私がパソコンを本格的に使いはじめたのは,1997年の春,学部から文部省のネットワーク整備補助金を利用してパソコンがスタッフ全員に与えられてからです。その後,自分用のパソコンを買い,教育や研究のための資料作りをワープロからパソコンに転換しました。98年の2月にホームページを立ち上げ,講義などの補助手段としはじめました。
現在まで,パソコンを使いこなすうえでこうした方が便利,効率的だというノウハウもいろいろ習得しましたし,また数々のトラブルにもあいました。おそらく,皆さんもパソコンの使い方の疑問やトラブルの経験をもっているでしょう。もちろん専門家やサポートセンターに問い合わせるのが一番正確で確実ですが,知識のない者にとってもっとも必要な情報が,専門家のアドバイスでは,ともすれば「これは常識」として説明されないことが多いように感じます。パソコンやソフトウェアのマニュアルのわかりにくさがいい例ですよね。
 このページでは,専門家でもない私が実際の経験から学んだ情報を随時紹介して皆さんの参考にしてもらおうと思います。また,みなさんからの誤りの指摘やアドバイスも歓迎します。みんなの経験や知識を共有し,パソコンをよりよく利用していくためのきっかけになればと思います。
私のパソコンのOSはWindows98SEなので,以下のTipsはWin98SEを基本としていますが,他のバージョンについてもわかる範囲で注記しておきます。
これら以外のトラブルや他のバージョンについては,ウィンドウズ処方箋 http://homepage2.nifty.com/winfaq/が参考になります。
ただし,以下の方法を自分のパソコンで試みるときは自分の責任で行なってください。パソコンはハードもソフトも1台1台みんな環境が違うので,実行した結果何かトラブルが生じたとしても私は責任をもてません。

第1回は「フリーズへの対処と予防法」です。

2001年11月記

このページはもともとわたしのゼミのメンバー向けに2001年に作ったものでしたが,私のような者にもゼミ員以外から質問を受けたりアドバイスを求められたりすることがあります。多少古いのですが,Win98を使っている人はまだ多いようですので,このページを公開することにしました。
フリーズへの対処と予防
 レジュメ作りや卒論の作成などでWordやExcelを使っていたら突然パソコンがフリーズ,キーボードもマウスも反応しない。泣く泣く再起動して何時間かの努力が一瞬にして水の泡。こういうことって誰でも経験しているんじゃないかな。経験してない人はまだパソコン歴の浅い人かよほどラッキーな人でしょう。パソコンは長く使っていると(1回に使う時間も買ってからの年数も)トラブルが起こりやすくなります。
 以下の事を知っているとトラブルを避けることができる可能性は高まりますし,もしフリーズしてもダメージを最小限に抑えられます。Win98/Me共通
  1. 画面が固まってキーボードもマウスも反応しない場合
    応急処置の基本は,Ctrl+Alt+Deleteの3つのキーの同時押し。
     いろいろなプログラムのリストが表示されたウィンドウが出たら,「応答なし」のマークのあるプログラムを選択して「終了」ボタンを押す。表示されるダイアログボックスで「終了」を押すと,そのプログラムが強制終了されてマウスやキーボードが使える状態になる場合がある。
     「応答なし」マークがなければ,プログラムは動いているので「キャンセル」ボタンを押して待つ。
     いずれにしてもWindowsが不安定になっているので,作業中の文書の保存ができる状態なら保存をして再起動する
  2. 画面が青地に白い文字の警告表示に変わった場合
     Ctrl+Alt+Deleteを押した後やパソコンの操作をしているうちに突然,画面が青地に白い文字(システムがビジー状態かまたは不安定になっていますとか,例外OEがxxxで発生しましたとか)の警告表示に変わることがあります。こうなったらお手上げです。Ctrl+Alt+Deleteで再起動するほかありません。作成中の文書もあきらめてください。
  3. フリーズの予防措置
     フリーズの原因はいろいろあってオールマイティの解決策や予防策はないらしい。といってまったくお手上げかというとそうでもなくて,以下のことは試す価値があります。

    1)システムリソース*のチェック
     システムリソースはワープロや表計算ソフト,ブラウザなどを起動すると大量に消費されてどんどん減っていきます。
     プログラムのいくつかを終了してもリソースは起動前の量に戻らないことが多いので,パソコンを長時間使っているとリソースが足りなくなってくる可能性が高いのです。 リソースが足りなくなると,パソコンの処理速度が落ちたり,いろいろなエラーが出たり,最悪の場合はフリーズしたりします。
    リソースメーター
     スタート,プログラム,アクセサリ,システムツールの順に選択していくと,リソースメーターがあります。これをクリックするとタスクトレイ(画面最下部のタスクバーの右端)にリソースメーターが表示されます。緑の表示ならOKですが,黄色になると要注意です。作業中の文書を保存して再起動した方が安全です。

    システムリソース
     Windowsのシステムが使うメモリ領域のことで,64MBとか128MBのように表わされるDRAM(パソコンのスペックに出てくるメモリ)の量とは無関係。パソコンが何らかの処理をするときに消費される。ウィンドウを開くこともプログラムなのでリソースは消費される。
    2)システムリソースの確保
     起動直後のシステムリソースはだいたい70%前後あるはずです。買ったときから大量のソフトがインストールされているパソコンなら,50%を切っている場合もあります。WordやExcel,Internet Explorerなどは大量のリソースを消費するので,長時間の作業をするのは危険です。以下の処理でシステムリソースを増やしておいたほうがよいでしょう。

    スタートアップソフトを減らす;Windowsを起動したときに自動的に立ち上がるソフトを減らします。
     エクスプローラを起動し,Windowsフォルダの中のスタートメニュー,プログラム,スタートアップを順にフォルダを開き,中にあるショートカットのうち不要なものを削除します。ちなみに,私はスタートアップのソフトはゼロにしています。
    タクストレイの常駐ソフトを減らす;
     上の方法ではタスクトレイに常駐するソフト(メーカーや機種によって種類も量も違う)は減らせません。これらを起動時に立ち上がらないようにするには,スタート,プログラム,アクセサリ,システムツールで,システム情報をクリックし,ツール(またはスタート,ファイル名を指定して実行でmsconfigと入力)からシステム設定ユーティリティを呼び出します。スタートアップタブで表示されるプログラムのうち不要なもののチェックをはずします。
     ただし,Windowsの実行に必要なプログラムがあるので,やたらにチェックをはずすと正常な起動ができなくなる可能性があります。自信がなければ,起動するたびにタクストレイのアイコンを右クリックして不要なソフトを終了させた方が安全です。
    デスクトップを整理する;
     デスクトップアイコンや壁紙,スクリーンセイバーもリソースを消費します。スクリーンセイバーは液晶モニタでは不必要ですし,CRTでも電源の管理で一定時間後にモニタの電源を切るように設定しておけばよいわけです。
     コントロールパネルの「画面」をダブルクリックし,背景とスクリーンセイバータブで「なし」に設定を変えます。デスクトップやタスクバーのアイコンも必要でないものは削除しておきます。
    3)システムメインテナンス
     スキャンディスクやデフラグを定期的に実行しておくと,トラブルの予防になります。メインテナンスウィザードを使ってタスクスケジューラに登録しておくとパソコンが定期的に実行してくれますが,常時使用可能にしておくとリソースを消費するので,私は実行日時以外は使用停止にしています。
    4)不要なソフトの削除
     新しいソフトやドライバをインストールしたり,バージョンアップしたときにフリーズが起こる場合があります。特に似たソフトを複数インストールした場合に起こりやすくなります。「メモリーコンフリクト」というらしいのですが,古いバージョンのソフトやプリインストールされていても使わないソフトなどは削除した方が安全です。ドライブの空き容量も増えますし。
     ただし,アンインストールは必ずコントロールパネルの「アプリケーションの追加と削除」を使ってすること。間違っても勝手にファイルやフォルダを削除してはいけない。システム全体に必要なファイルを消してしまう場合があるからです。
     私の経験では,マウスを新しくしようとしてUSBマウスを使いはじめたときに,以前のマウスドライバと競合して起動トラブルが生じたことがあります。
  4. フリーズの被害の軽減措置
    1)自動バックアップの利用
     WordやExcelには自動バックアップ機能があります。これを作動させておけば,万一フリーズした場合もバックアップ部分までは復旧させることができます。

    Wordの自動バックアップ
     メニューバーのツール,オプションをクリックし,保存タブの中の自動バックアップにチェックを入れます。バックアップ間隔を短くするとより安全ですが,入力作業が妨げられやすくなります。
    Excelの自動バックアップ
     Excelで自動バックアップをするには,メニューバーのツール,アドインをクリックし,ウィンドウの中の「自動保存」にチェックを入れます。再度ツールをクリックするとプルダウンメニューに自動保存が現れますので,クリックすると自動保存の間隔などを設定できます。
    2)他のメディアへのバックアップ
     自動バックアップはファイルをハードディスクに保存するので,致命的な障害によってOSを再インストールしなければならない場合には作成したファイルや各種設定も消えてしまいます。そうした場合に備えるためには,ハードディスク以外のメディアにバックアップしておく必要があります。ファイルが少量の場合はフロッピーディスクでも間に合いますが,大量になるとMOやCD-Rなどの大容量メディアが必要になります。
     私は,自分の作成したファイルはほぼ毎日MOディスクにバックアップし,Windowsフォルダやレジストリ*は月に1度程度バックアップをとっています。
レジストリ
 Windowsの設定内容,アプリケーションの設定内容などシステム全体の動作のための情報ファイル。非常に重要なファイルで,これが壊れると最悪の場合Windowsが立ち上がらなくなる。

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