自由研究セミナー
「『戦争論』を読む」


八木 輝明

 2001年の「同時多発テロ」以来「戦争」の概念がある意味で変容を遂げたと言われている。それではどのように変わったのだろうか。東西冷戦の終焉後地域紛争の時代をむかえ、そうした中で湾岸戦争も起きた。この米国主導の戦争はヨーロッパ諸国だけでなく日本をも様々な形で巻き込んだ。他方でこの日本が第二次世界大戦後に享受している「平和」とは、一体何だろうか。「戦争」と「平和」とは反対概念だろうか。戦争と「戦略的思考」と政治とは、どのように関連しているだろうか。さらに危機管理は今後どのように行なわれるべきだろうか。
 このようなどちらかと言うとわれわれが日常避けている問いかけを、このセミナーであえて取り上げ、多面的に考えてみたい。
 まずはクラウゼヴィッツの古典的著作『戦争論』を中心に近代戦のあり方を歴史的にとらえ、マキャヴェリの『君主論』でルネッサンス以前の戦争を回顧し、いずれはまた日本が行なってきた戦争を歴史社会的にふり返ってみたい。最近話題の小林よしのりの著作も取り上げていきたい。とにかくこの時間は「戦争」や「平和」に対するわれわれのこれまでの通念、偏見をまず取りのぞき、過去の歴史と現在の内外の状況をあらためて据え直すことを目標にしたい。

参考資料、ゼミの進め方などは4月はじめの時間に説明する。


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