簿 記
「財務諸表の技術的基礎」


李  精

 現代社会は様々な「装置」から成り立っているが、その中にあって大きな役割を果たしているのが複式簿記である。複式簿記が誕生したのは今からおよそ500年前のことであるが、かのMax Waber が述べたように、1つの形式合理性として資本主義社会の発展に大きく寄与してきた。この計算技術装置を通して企業活動の経済的側面を一望に収めることができるのである。
 複式簿記とは、企業の行う経済活動を帳簿に複式記録することによって、企業の財政状態と経営成績を明らかにするものである。財政状態は貸借対照表(バランスシート)、経営成績は損益計算書によって示されるが、これらは複式簿記の手続きを経て誘導的に作成される。貸借対照表や損益計算書は企業の決算書類であるが、財務諸表とも呼ばれる(財務諸表は他にキャッシュフロー計算書、利益処分計算書などがある)。
 本講義は複式簿記の基礎知識を提供するものであり、決算に至るまでの一巡の簿記手続きの理解を図ることを目的としている。講義の概要は以下の通りである。

1 複式簿記の意義と目的

2 複式簿記の原理

3 取引

4 仕訳と勘定

5 元帳転記

6 試算表と精算表

7 決算その1

8 現金・預金

9 商品

10 手形

11 債権・債務

12 有価証券

13 有形固定資産

14 決算その2

 なお、本講義は講義を主体として進めていくが、科目の性格上、適宜演習(記帳練習)を織り込む。

教科書:新井清光・渡部裕亘編著「新検定簿記ワークブック─3級商業簿記」、中央経済社

参考書:山桝忠恕著「複式簿記原理(新訂版)」、千倉書房


講義一覧へ