経済思想の歴史II〔秋学期〕(99学則)
経済思想の歴史〔秋学期〕(95学則)
※春学期開講『経済思想の歴史(95学則)』と併せて通年4単位科目です。
川俣 雅弘
この講義は、日本の経済思想を扱う前半と現代経済学の歴史を扱う後半からなる。最初の4回の講義は、江戸時代から明治・大正時代の日本の経済思想を取り上げる。経済についての思想は、時代とともに変わると同時に、もちろん国や地域によっても異なる。現代のように情報・知識が世界を駆け回る時代においても国により経済に関する考え方の違いはあるが、時代をさかのぼれば違いは一層大きい。それは、それぞれの国や地域により社会形態が異なり、また特定の知性・学問・宗教などの伝統もあり、経済思想もその影響を受けざるを得ないからである。とりわけ日本に関心を持つ者にとって、その経済思想の特質を歴史的に把握することは極めて重要かつ興味深いことである。この講義では、日本的な経済思想の特質が形成されてくる江戸時代から話を始め、明治期の欧米経済学との接触を経て、大正期に曲りなりにも世界的な経済の課題に日本の視点から取り組むようになるまでを扱う。
5回目からは、限界革命以降に形成された現代経済学における代表的パラダイムの成り立ちとそれぞれのパラダイムの特徴について説明する。とくに、ミクロ経済学の基礎を築いたワルラスやマーシャルのパラダイム、マクロ経済学を形成したケインズのパラダイムが話題の中心となる。20世紀の経済学においては、経済思想を理論的に表現すること、理論が現実と整合的であることを基準として、時代の影響を受けながらそれぞれのパラダイムが相互に切磋琢磨し合う展開が続いており、こうした傾向はとくにマクロ経済学において顕著である。個々のパラダイムの成り立ちと特徴を知ることは、そうした現代経済学の現状を理解するうえで重要であると思われる。なお、制度上の制約ではないが、春学期に開講される「経済思想の歴史I」をあわせて履修することを強く勧めたい。
参考文献(前半):
逆井孝仁・藤原昭夫他編『日本の経済思想四百年』日本経済評論社、平成2年
テッサ=モリス鈴木『日本の経済思想』岩波書店、平成3年
後半については講義中に指示する。
講義一覧へ