マルクス経済学I〔春学期〕(99学則)
カール・マルクスの主著『資本論』は、資本主義社会という「近代社会の経済的運動法則を解明すること」を目的として、資本主義のメカニズムを構造的・体系的に分析した著書である。同書が出版されて以来1世紀以上がたつが、資本主義経済の特質を一貫した論理によって総体として明らかにした著書はなお存在しない。もちろんマルクス経済学の研究もその間進展していることはいうまでもない。今日の資本主義はマルクスの時代とはかなり様相が変わっているが、現代資本主義の諸問題を批判的・原理的に認識し解明する上でもマルクス経済学は重要な理論的基礎を提供している。それゆえマルクス経済学の講義は『資本論』を基礎としつつも、その単なる解説ではなく、現代の資本主義を総体として把握し理解するための授業として行われる。
なおマルクス経済学の受講・修得は、三田での現代経済を対象とする講義(独占資本主義論、現代資本主義論、現代日本経済論、経済体制論等)を理解する上でも必要である。詳しくは「スタディガイド」(『三田学会雑誌別冊』)、を参照されたい。
「マルクス経済学I」では、資本主義経済を把握する方法論、資本主義社会を成り立たせている商品、貨幣の本質、そして労働価値論、剰余価値論等の基礎的諸概念と諸法則の説明とその現代的意義を、次の順序で講義する。
序 章 経済学の基本的性格
第1章 商品と貨幣
第2章 剰余価値の生産
担当者によっては第3章 資本の蓄積過程 まで進む場合がある。
なお、「マルクス経済学I」のみの履修は認めるが、できるだけ「マルクス経済学II」も併せて履修していただきたい。
教科書:常盤・井村・北原・飯田共著『経済原論』(有斐閣)
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