社会・環境論演習


助教授 友部 謙一
助教授 鈴木 晃仁

(1)春学期2単位・合同演習
(2)「生活水準」は社会経済史の伝統的な課題である。しかし,それを世帯の問題としてとらえ,さらにそこでの世帯員のバーゲニングパワーがかれらの各個人の「生活水準」を決定しているという分析フレームワークで考えると,再度エキサイティングな問題としてよみがえる。歴史の中の「生活水準」とは,すなわち各個人の生活環境そのものを再構築することに他ならない。とくに,本演習では母親と乳幼児の生活環境に着目していきたい。
(3)本演習は友部と鈴木の合同演習である。演習であるからには,年度末には受講生は各自研究報告書を提出することになる。そのために,まず「生活環境」の範囲を比較的広く考え,18世紀から20世紀前半にかけての医療・疾病・衛生・保健・人口・家族にかんする基本的な文献をヨーロッパ(鈴木)と日本(友部)について講読・議論する。
 つぎに,各自のテーマを尊重しつつ,「生活環境の社会史」にかんする共同のデータベースを構築していく(データベースの作成については演習時に指示する)。とくに,本年度は日本の各機関に所蔵されている20世紀前半の日本農村における母性と乳幼児の生活環境にかんする資(史)料の収集と分類に力を入れていきたい。つまり,本年度はそのことにかんする本格的な分析を進めていくための「体力」を蓄える時期として位置付けたい。
(4)(5)最初の時間に演習予定表とシラバスを各担当者が配布する。


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