制度・政策論演習


教授 大村 達弥

(1)春学期2単位・演習
(2)世界的大競争という潮流のなか,日本では規制・税制・市場等制度面において市場競争重視の観点からのシステム移行が広範囲に進行している。
 同時に実体面でも金融・情報通信等を中心に産業構造が急速に変化しており,学問的な研究対象としても希有の材料を提供している。そしてこうした改革や変化の底流ではシステムの基盤レベルでの変動が生じているように思われる。それは,個人の能力やエネルギーを大規模組織や大集団力として結集するシステム(集団主義)に代わり,個人や小集団の自立と価値動機に基づくシステム(個人主義)への指向の強まりである。講義では,内外の制度やシステム変動の事例とそれに関する評価・分析をとりあげ,経済学的な観点を中心にしつつも,法・政治システムとの関わりも含め学際的視点から検討を進める。今年度は公共選択論,法と経済,比較体制論等の分野での先行研究や参加者の研究を軸に発表形式で進めることとする。
 具体的なトピックスは,受講者の研究関心を斟酌して選択してゆく。2001年度は下記のMuellerを用いたが,今年度の教材については授業開始の時点で指定する。
(5)
D. Mueller, Perspectives on public choice, Cambridge, 1997


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