計量経済学演習


教授 辻村 和佑
兼担教授 清水 雅彦

(1)秋学期2単位・合同演習
(2)この演習では,経済発展過程における経済構造の変化,とりわけ生産構造(産業部門間の技術的相互依存関係)の変化に関する比較静学分析の基礎的手法である産業連関分析の応用問題をとりあげる。伝統的な一国産業連関表に基づく分析手法に対して,最近では,さまざまな拡充がなされている。その一つは,国際取引すなわち交易関係をもつ国々の産業連関表を,各国間財別輸出・入統計によって連結した国際産業連関表に基づく分析手法である。この手法によれば,従来の集計された輸出および輸入概念による国際経済関係に対して,各国産業構造の相互依存関係を計量的に分析することが可能である。また,発展段階の異なる国々の間における貿易パターンを,伝統的な要素賦存による分析だけでなく,各国産業構造の技術特性によって分析することも可能である。さらに,異時点の国際産業連関表に基づけば,各国の産業構造変化と相互依存関係の変化を分析することもできる。なかでも注目すべきは,産業技術の国際間移転がもたらす国際相互依存関係の変化に関する分析である。いまなお未開拓の分析領域であるが,今後,国際産業連関モデルの拡充によって開拓可能な領域である。この演習の履修者としては,およそ以上のような問題あるいは関連する領域に研究上の関心をもつ人が望ましい。
 なお,履修希望者は,学部設置の「計量経済学」,研究科設置の「計量経済学中級」を履修しておくことが望ましい。演習の形式としては,上記の応用問題に関連する領域を自らの研究テーマとする履修者の報告とそれに対する討論を中心とするが,随時,関連論文の講読と講義も行う。


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