廃棄と汚染の経済学


教授 細田 衛士

 環境汚染と廃棄物・リサイクル問題を,経済学的な視角から分析する。以下のテーマからいくつか取り上げて講義するが,常にリアルタイムでの問題を念頭において話題を展開するので,以下の項目には多少の変更があり得る。尚,日吉でのミクロ経済学初級,マクロ経済学初級の知識を前提にする。

 1.グッズの世界,バッズの世界
(1)グッズとバッズ

(2)逆有償とマイナスの価格

(3)グッズとバッズの境界

(4)伝統的な経済学との関係

 2.動脈産業と静脈産業
(1)動脈産業はメイン・ストリームか

(2)潜在技術の顕在化

(3)静脈技術の技術進歩

(4)発展する静脈の世界

 3.バッズとゼロ・エミッション
(1)バッズの処理と最終処分場

(2)最終処分場の最終管理

(3)バッズの発生抑制と排出抑制

(4)ゼロ・エミッションは可能か

 4.安定した市場リサイクルの条件
(1)市場リサイクルの可能性

(2)動脈と静脈の相互関係

(3)規制と公共関与

(4)企業のイニシアティブ

 5.逆選択とパートナーシップ
(1)逆有償が解消しないとき

(2)情報の非対称性と競争のデメリット

(3)優良業者の悲哀

(4)競争と協調

 6. PPP(汚染者支払い原則)と費用負担
(1) PPP(汚染者支払い原則)とは何か

(2)市場原理と費用負担

(3)応分の負担とは

(4)市場を活用することの本当の意味

 7.環境保全のトレード・オフ
(1)あれかこれかの世界

(2)経済と環境は両立可能か

(3)環境要素どうしのトレード・オフ

(4)環境評価の難しさ

 8.バッズのマクロ経済学
(1)ハーマン・デイリーの不満

(2)マクロ経済メカニズムの誤解:蚊が増えるとGDP は増えるか

(3) GDP で生活の真の豊かさを測れるか

(4)新しい社会への移行とその調整費用

 9.環境制約と経済成長
(1)環境ビジネスは成長を支えるか

(2)環境ビジネスと経済成長:理論的な観点から

(3)経済発展経路の転換にかかわる問題

(4)経済成長の神話vs ゼロ成長の神話

 10.バッズの管理システム
(1)現行の廃棄物レジームの限界

(2)バッズ・フローの最適制御(1):制御主体の観点から

(3)バッズ・フローの最適制御(2):包括的環境政策

(4)バッズ・フローの最適制御(3):バッズ処理・再資源化の費用論再論

(5)バッズ・フローの最適制御(4):いくつかの例

(6)環境パートナーシップ


テキスト:細田衛士『グッズとバッズの経済学』東洋経済新報社


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