開発経済学


教授 高梨 和紘

 開発の途上にある諸国の経済現象を分析し,特定の開発目標を達成するための政策手段を検討することが,この学問の狙いである。分析にあたっては,新古典派の経済理論が基本に据えられる。しかし,開発途上諸国においては経済活動の指針となるはずの財,サービス,生産要素等の『価格』は,市場それ自体の分断性や硬直性等の理由のために歪みを伴っている。また経済開発の初期段階から制約要因としての環境,エネルギー,ジェンダー等の問題を抱えている。したがって,市場が正常に機能することを前提に右肩上がりの経済成長をひたすら追及する近代経済学の分析手法をそのまま当てはめる訳にはいかない。このような理由から,開発経済学を学ぶ際にわれわれに求められる学問の姿勢としては,開発とは何かという問題意識を鍛え上げつつ,新古典派経済学の分析手法を中心に据えながらも,隣接する諸学問の知識を動員し,開発の諸問題に取り組むことが望まれる。その方向でこの講義を進めて行きたい。


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