現代日本の生活変動(秋学期)


教授 中川 清

〔主 題〕
 20世紀日本の生活変動を,近代という新たな環境への過剰対応と,よりよい生活に向っての生活単位の自己変容,という一貫した理論仮説によって説明するとともに,21世紀の生活課題についても検討する。

〔講義計画〕
 1)秋学期の予定と講義の視点
12回の講義の流れとテキストとの照応

なぜ生活をとりあげるのか,どのように生活に接近するのか

 2)われわれの生活の巨視的位置
時系列的な変動の結果としての趨勢的な人口減少

クロスセクショナルな比較における「過剰富裕化」

 3)社会階層の形成と同質化
「下層社会」から「中流社会」への階層構成の変容

差異を構造化するのではなく同質化する日本の経験

 4) 20世紀の家族の形成と自己限定
目標としての家族から意識的に再構成される家族へ

「近代家族」論と性別役割・生活時間分析を追加

 5)生活変動の初期条件
小農直系家族と制度的な制約条件

生き方の変更―異質な環境としての近代

 6)近代への過剰な生活対応
都市生活の展開と構造的な不安定性

都市下層(貧困対象)の生活実態の変化

 7)日本の生活変動の転換期
出生行動の激変―人工妊娠中絶と「家族計画」

生活課題の外部(運動)化から内部(組織)化

 8)自己変容=生活変動の新局面
よりよい生活に向かっての生活単位の自己組織化

「自分の生涯像」の浮上と生き方の模索

 9)日本社会の自己認識
社会調査の100年と「テーマの喪失」

貧困の実態と貧困に関する言説

 10)生活変動と生活構造論
生活を,その不足や「主体化」としてではなく,絶えざる変動と自己変容として描きだす試み

 11)現代日本の生活変動―総括
過剰対応と自己変容という理論仮説の確認

その延長に21世紀の生活変動を展望する

 12) 21世紀の生活変動
生涯の確実性と生き方の不確かさとの乖離

「非西欧世界」からの自己説明とその行方


〔テキスト〕
・中川『日本都市の生活変動』勁草書房,2000年


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