家族と教育の経済学(秋学期)


助教授 赤林 英夫

 この講義では,近年発達の著しい家族と教育に関する研究について,理論及び実証上の達成点の紹介と将来の展望を行う。
 教育の経済学の考え方の萌芽はスミスの国富論までさかのぼることができるが,一分野として確立したのは,1960年代初期に「人的資本」の考え方が定式化されたのに始まる。その考え方は,教育が個人の市場での生産性に影響を与える,という単純な仮説に基づいている。この概念を中心とした教育の経済学は,まず労働市場での賃金決定理論として成功を収め,その有効性についての議論を生みながらも,重要性を増している。一方教育は,学校以上に家庭という私的な場でも行われる。そこで家庭を,教育その他の生産・投資活動を行う場として定義しなおす作業は,1970年代以降「家族の経済学」という形で爆発的に発達してきた。そういった問題意識を念頭におきつつ,ここでは以下のような内容を,主にミクロ的視点から議論する。マクロ的視点(たとえば教育と経済成長との関連等)からの応用は他の講義を参照されたい。
 Household Production, Division of Labor, Models of Household, Marriage Market, Quantitiy and Quality of Children, Intergenerational Models of School Education, Empirical Education Function, etc.
 この講義を受講しようとするものは,少なくともミクロ経済学,労働経済学,回帰分析の基礎理論に習熟していることが必要である。授業の進め方や成績決定の方針は,クラスの大きさを考慮して,初回の授業で決定するので,受講希望者は必ず出席すること。


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