解析学I (春学期集中)
1,2年生の間に培ってきた数学の知識や技巧を維持し,更に拡充・発展させたい,将来研究などに数学を必要とする,純粋に数学に興味がある,と言った人々を対象に現代数学において標準的な方法と思われるやり方で解析学の講義を行なう。
2年生までは微分積分,経済数学I ,II において,主に計算に重点をおいて微分と積分を学んできた。例えば,ミクロ経済学では,Lagarange の未定乗数法をよく用いるが,その基礎として陰関数定理(implicit function theorem) がある。この定理の初等的な形は日吉で講義するがその証明は与えてこなかった。この講義では,計算について少し力点を軽くして理論的な面を重視する。そして,極限とは精密にはどう捉えるかから説き起こして,微分と積分の壮大な理論を構成することを目的とする。ただし,三田において理論経済学,計量経済学を学ぶ上でのよきbackgroud となるよう常に留意するつもりである。
講義内容
- (1)点列の収束,実数の性質
- ・数列の収束
- ・実数の完備性,上限,点列コンパクト性
- ・関数の連続性,中間値の定理,最大値の定理
- ・その他
- (2)微分と極値問題
- ・縮小写像と不動点
- ・陰関数定理,逆関数定理
- ・条件付極値問題(必要条件,十分条件)
- ・凸解析の基礎
- (3)積分
- ・定積分の定義
- ・Darboux の定理
- ・Lebesgue の定理
- ・微分積分学の基本定理
- ・広義積分
- ・一様収束と積分の極限定理
- ・重積分,逐次積分
- (Fubini の定理)
- ・変数変換
- ・微分形式とStokes の定理
- ・(時間があれば)ルベーグ積分
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