公共経済学
「市場競争を通じて最適な資源配分が実現する」というのは,アダム・スミス以来の経済学におけるもっとも基本的な結論の一つである。しかし,この結論はどんな状況においても成立するというわけではない。つまり,市場競争を通じて最適配分が達成されない場合もある(市場の失敗)。一方で,経済学的観点からみて理想的な政府の役割とは,そのような非最適状況を補正することにある。他方,現実社会では政府活動が必ずしも効率的な資源配分に寄与していない場合も数多く存在する(政府の失敗)。
本講義では,市場経済において,政府の果たすべき役割を理論的モデルに基づいて検討し,その結果にもとづき,現実社会における政府の活動の評価を行うことを目的とする。講義は前半と後半の二部にわけられている。
前半のおもな内容
1.公共経済学とは
2.公共料金の理論
3.入札の理論
4.自発的公共財供給の理論
5.政策の通時的整合性
後半の主な内容
1.市場の制度と機能
2.独占禁止法と市場競争
3.知的財産権法と製品の質
4.証券法と市場による情報の伝達
5.損害賠償責任法と不確実性の配分
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