ミクロ経済学II
ミクロ経済学は,個々の経済主体の市場活動を通じて,資源配分決定の仕組みについて分析するものである。これは価格機構の役割りについて分析することに他ならない。またその裏面として,市場機構の機能について評価するという役割を担うものである。この授業では,経済学部で1年間ミクロ経済学(初級I ・II )を学んだ学生を想定し,ミクロ経済学とゲーム理論の基礎的な概念と理論の理解をはかり応用力を身につけさせるとともに,産業組織論やミクロ的経済政策の基礎となる考え方を講義する。ミクロ経済学I を補完する内容をもつものである。分析用具としては微分積分学の初歩的な知識を想定する。
講義内容
〔春学期〕
- 1.経済環境と競争市場の均衡
- 消費者と生産者の特性,期待効用理論,完全競争均衡。
- 2.効率的資源配分の条件
- 資源配分の効率性の条件。競争均衡の最適性。厚生経済学の基本定理。基本定理の政策的意義。
- 3.独占・寡占の古典的理論と協力ゲームの理論
- 独占の理論。クールノーの複占。ナッシュ均衡。コア
- 4.外部効果と公共財
- 私的限界代替率と社会的限界代替率。ピグーの課税(補助金)ルール。コースの定理。サミュエルソン条件。リンダール均衡とフリーライダー問題。
- 5.市場機構と政治プロセス
- 個人の評価と社会的選択。一般不可能性定理。合理的社会選択の可能性。
〔秋学期〕
- 6.完備情報ゲームの理論
- 完備情報下の静的ゲーム。完備情報下の動的ゲーム。
- 7.不完備情報ゲームの理論
- 不完備情報下の静的ゲーム。不完備情報下の動的ゲーム。
- 8.独占企業の規制
- 規制と公共料金。価格差別。垂直的統御。
- 9.不完全競争の理論
- ゲーム理論の応用としての寡占理論。製品差別化。参入阻止。
- 10.情報とインセンティブ
- 不確実性下の価格形成。モラルハザードとアドバース・セレクション。
〔参考文献〕
・川又邦雄,(1991),『市場機構と経済厚生』,創文社。
・奥野正寛・鈴村興太郎,(1988),『ミクロ経済学II 』,岩波書店。
・中山幹夫,『はじめてのゲーム理論』,有斐閣,1997
・R.ギボンズ,(福岡・須田訳),(1995),『経済学のためのゲーム理論入門』,創文社。
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