資金循環分析
資金循環分析の基礎となる資金循環表は家計,企業,政府という各経済主体と,中央銀行を含む金融機関のあいだの資金の流れを貸借対照表のかたちで記述するものである。今日の我が国に見るような管理通貨制度のもとにおける金融政策は,中央銀行の資産構成の変化としてのみとらえ得るわけであるから,この分析の重要性はとみに高い。この講義では次の(a)から(e)までにより構成される我が国の金融市場を(f),(g),(h)の関連項目を含めて,資金の流れに注目して分析し,その相互依存関係ならびに実物経済との関係を明らかにする。そしてこのような観点から金融市場に関する多岐にわたる統計資料の取り扱いを,その作成意図や背後にある制度を含めて解説する。
(a)預貸金市場
(b)債券市場
(c)株式市場
(d)短期金融市場
(e)外国為替市場
(f)内国為替取引
(g)信託業務
(h)先物取引とオプション取引
〔テキスト〕
・辻村和佑『日本の金融・証券・為替市場』(東洋経済新報社)
・辻村和佑『資産価格と経済政策』(東洋経済新報社)
参考となる文献のリストについてはテキストの巻末を参照されたい。
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