世界の経済(95学則)
今日の世界経済が抱える課題や問題をとらえ、それを経済理論の立場から検討する。
経済理論についてはテクニカルな説明や数式は使わずに、直観的な「勘所」のみを説明するが、経済理論的に考える能力は必要であるし、またその能力を鍛えるのが、この授業の重要な目的である。また、現状の国際経済問題を考えるにあたっては、過去の経験がたいへん参考になるので、授業の中には歴史的な視野も取り入れる。
なお、講義にあたり、5月始め頃に出版される予定である現在執筆中の書物を教科書とするが、とりあえず、すでに出版されている拙著「世界経済論」(慶應義塾出版会)も参考書として挙げておく。
講義内容は参考として、教科書として予定している本の目次を以下に記す。
第一部 国際経済取引の原理
プロローグ 日本の開国
第一章 貿易(異なった財の交換)から生まれる利益(貿易の利益と動機:国際貿易理論)
第二章 異なった時点の支出の間の交換(国際資本取引の利益と動機:国際マクロ経済学)
第三章 各国の経常収支が決定されるメカニズム(経常収支の決定理論:国際マクロ経済学)
第四章 危険回避の方法としての国際資本取引(国際ポートフォリオの理論:国際金融論、不確実性の経済学)
第五章 保険業とアドヴァース・セレクション(ロイズの悲劇)(アドヴァース・セレクションの理論:応用ミクロ経済学)
第六章 裁定(資産価格と裁定法則:金融理論)
第七章 投機(資産価格と投機:金融理論)
エピローグ 投機の失敗とデリバティブ(デリバティブの理論、プリンシパルとエージェント問題:金融理論、契約理論)
第二部 経済組織における「ねずみ講」的な仕組み
プロローグ アルバニアのねずみ講
第八章 ねずみ講的な経済制度(バブルの理論:金融理論)
第九章 貨幣の三つの機能(貨幣の理論:金融理論、応用ゲーム理論)
第十章 インフレ税とハイパー・インフレーション(インフレーションの政治経済理論:マクロ経済学、財政学)
第十一章 貨幣政策(貨幣政策の理論:マクロ経済学)
エピソード ジョン・ローとミシシッピー・バブル
(信用貨幣成立の歴史的エピソード:財政学、金融理論)
第十二章 社会保障制度1(公的年金の理論:財政学)
第十三章 社会保障制度2(人口の高齢化と社会保障制度)
第十四章 社会保障制度の改革(公的年金の民営化、Feldsteinの提案)
エピローグ 民主主義とねずみ講(経済システムの理論:応用ミクロ経済学、公共選択理論)
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