経済と環境〔秋学期〕(99学則・95学則)
本講義は、環境問題を自然科学および経済学の目で眺め、問題が一体どこにあるのか提示することを目的とする。環境問題と一口で言ってもその内容は多様である。すべての問題を語り尽くすことはできないが、我々が特に学生とともに共有したいと思う問題を提起したい。環境問題に適切に対処するためには、既成概念に囚われない見方が必要である。履修を希望する学生には、柔軟な思考をすることを求めたい。現代のみでなく、歴史の中の環境問題にも目をとめ、環境問題がいつの時代にもどこにでもあったことを明らかにする。それによって現代の環境問題の特徴を明確にする。とりわけ身の回りの環境問題にスポットをあて、環境と経済のかかわりについて説きあかしてゆく。次のテーマからいくつか選びだして講義する。
1 歴史の中の環境問題
内容:環境考古学的側面、農耕と牧畜の関係、中世封建制の経済と環境、産業革命と環境問題
2 日本の環境問題(戦前)
内容:江戸時代の環境問題、明治時代の環境問題(4大鉱害)、大正時代の環境問題
3 日本の環境問題(戦後)
内容:4大公害、生活公害、都市公害
4 エネルギーとエントロピー
内容:エネルギーとは何か、エントロピーとは何か、エネルギー保存法則、熱力学の第2法則
5 原子力の問題点
内容:原子力の仕組、原子力発電、核廃棄物の問題
6 電気の利用
内容:電気とは何か、電気の利用と技術、太陽電池の仕組
7 廃棄物問題
内容:ゴミ戦争、化学物質と廃棄の問題、不法投棄、廃棄のコスト
8 リサイクルの諸問題
内容:市場リサイクルと公共リサイクル、古紙問題、容器包装問題
9 自動車のもたらす環境問題
内容:大気汚染、廃車問題、廃車処理システムをどうするか
10 土壌汚染問題
内容:汚染される土壌、法律の不満、汚染土壌浄化の経済的側面
11 エコロジーと経済
内容:物質循環、物質収支、生態系、生物の多様性、種の多様性、遺伝子の多様性
12 水循環
内容:日本の河川、飲み水の問題、上水と下水、流域下水道のメリット・デメリット、慣行水利権
13 コモンズの経済学
内容:コモンズとは、所有権と使用権、共同体、コモンズとしての自然、雑木林の経済学
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