研究会


教授 中川 清


 この研究会では,生活構造と社会政策を主題に,文献を輪読し,参加者の研究報告を行う。生活構造と社会政策は関係なさそうにみえるが,社会政策の対象が雇われて働く近代の生活の仕方だ,と考えると分かりやすい。われわれの生活と社会システムとの関係を,整序された形で表しているのが社会政策だといってもよい。社会政策の性格を検討することは,今日の生活の特徴を振り返ることでもある。このような姿勢で,近現代の生活のあり方を,社会科学の視点から考察したい。
 現代の人間生活あるいは社会政策について自らの立場から強い関心を持ち,その関心に社会科学の言葉で形を与える努力を惜しまない諸君の参加を希望する。なお,中川が担当する社会政策論では主として日本の政策展開を取り扱うので,参加者は必ず受講してほしい。
 1998年度は「消費社会」,99年度は「近代家族」を共通テーマにしたが,今年度は,これらを「産業社会の生活形態の脱伝統化」(『危険社会』第II部)という大きな文脈に位置づけて,理解を深め,議論を重ねたい。秋学期は,「生活形態の脱伝統化」を日本の経験にそくして振り返る予定である。具体的な運営は参加者と相談して決定したい。
〔テキスト・参考書〕
・U.ベック『危険社会─新しい近代への道』法政大学出版局,1998年
・拙著『日本都市の生活変動』勁草書房,2000年


講義一覧へ