経済数学演習(I)商学部教授


小宮 英敏


(1) 春学期2単位・演習
(2) 本演習は数理経済学に必要と思われる進んだ数学的基礎を与えることを目的とする。
微分法,積分法,その発展である微分方程式論などはいわゆる関数が問題の中心となる数学の分野であるが,これら関数により記述される現象あるいは個体の性質は無限個の因子を持っているものとしてモデル化されている。そのため,関数の形作る世界は本来的に無限次元の世界であり,この世界を研究する数学の分野として関数解析学が存在する。
 本演習及びこれに続く経済数学演習IIでは無限個の財を扱う一般均衡理論や経済成長理論の数学的基礎としての関数解析学の習得を目的とする。最終的にはリース空間の理解を目指すが,その前提としてノルム空間論,線形位相空間論の素養が必要となる。これらの演習を行なうことが,経済数学演習Iの目的である。
 教科書として,Springerから出版されているStudies in Economic Theory のシリーズの第4巻,C.D. Aliprantis, K.C. Border による“Infinite Dimensional Analysis”を使う。この本は数学的な議論が懇切丁寧に書かれているため,自習用の教材として適当である。輪読形式でこの本を読み進め上記の諸概念の把握に務める。これらの演習を行うためには,集合論,一般位相空間論,ルベーグ積分論の初歩の素養が必要となるので,その基礎知識を持っていることが望ましい。
以下に演習題目を列挙する。
 ・ノルム空間論
ヒルベルト空間とバナッハ空間
双対空間
Harn-Banachの定理と分離定理
弱位相

 ・線形位相空間論
線形位相
凸集合
Harn-Banachの定理と分離定理
局所凸空間とセミノルム
双対対と弱位相とMackey位相



講義一覧へ