自由研究セミナー
歴史でなにがおもしろいといって、フランス革命ほどの見物はざらにない。ヨーロッパが上へ下への大騒ぎをしたあの革命。なにしろ大地殻変動の先触れ「フィガロの結婚」を、かのモーツアルトがオペラに仕立てあげ、それを喜んで見ていた王侯貴族がやがて革命の渦のなかに引き込まれてゆく。渦巻きがぐんぐん加速し旋回が極点に達したとき、国王ルイ16世の頭上にギロチンの刃が落ちてくる。傍らにはマリー・アントワネットの金髪が血に染まって転がる。そして恐怖政治からナポレオンの登場へと、渦巻きは最高潮のままヨーロッパを全面戦争へと引きずり込んでゆく。
そこでこのセミナーではなにをやるか。革命を気まじめに論及する? 原因を政治的経済的社会史的に調べあげ、進行過程を克明に追い、近代世界の誕生におよぼしたその結果を論じる−そんな肩肘張った学問はムリ。おもしろいのは王様殺しのドラマだ。誰がどんな論法で王権を追い詰めてゆくか、誰がそれを反駁して王を守ろうとするか。革命のドラマはそこに集約されている。ミラボー、ダントン、ロベスピエール、ルイ16世にその王妃。諸君がかれら革命の立役者になりかわる。そして国王裁判までの攻防を演じる。彼らの主張を調べ、人柄を想像し、演説草稿を作ってみる、それが諸君の仕事になるだろう。ちょっと大変だ。でもおもしろいとは思わないか。思ったら一緒にやってみよう。
参考書
メルシエ「十八世紀パリ生活誌」岩波文庫(即刻購入のこと)
ミシュレ「フランス革命史」中央公論社の“世界の名著”の一冊
その他。
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