工業経済論

教授 渡辺 幸男

 1 目的
 経済現象の1つとしての工業現象を,具体的にどのように把握し,評価したらいいのかを,考察していくこと。応用経済学として,工業現象を経済学的視点から把握した場合,どのようにみることができるか,明らかにすること。すなわち,より具体的な世界での経済学の応用であり,より具体的な世界としての工業現象を経済学的視点からどのように把握し,評価しうるかを示すことを目的としている。
 2 対象
 本講座で分析対象としてとりあげるのは,現代日本(戦後)の工業である。さらに,日 本の工業の状況を明確化し位置づけるために,日本の工業との対比として,米英独といった先進工業国の状況もみていくことにする。
 3 方法
 分析の際には,私が作成ないし切り貼りし,配布する資料を利用していく。資料をかなりの量配布するが,それは,なによりも諸君に具体的に数字を通して,現実の状況をよりよく理解してもらいたいからである。どのような基礎的資料が,どのような統計書を通して得られるかをも知ってもらいたいからである。
 同時に,基礎的資料を諸君と共有し,それを前提としたうえで,諸君に私の見解を諸君なりに批判的に理解してもらいたいからでもある。
 この講義で引用される資料の多くは,塾の三田図書館の3階雑誌室か4階総合資料室で閲覧利用することが可能である。その意味で,諸君が今後,工業や日本経済について自分で研究をすすめていく際にも,このような形での講義は,有益であると考える。
 4 講義の内容
 1. 工業とは何か
 2. 日本の工業の構造把握の諸視点
   1) 時期区分
   2) 産業全体に占める工業の位置
   3) 工業の規模別構造
   4) 工業生産の量的推移
   5) 業種構成の変化
   6) 工業生産と雇用,生産性の推移
   7) 財の用途別・最終需要別にみた工業構造
   8) 輸出入構造と工業
   9) 直接投資と技術輸出入
  10) 社会的分業構造
 3. 戦後の日本工業の歴史的展開と今後の展望

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