研究会

助教授 赤林 英夫

 この研究会では,「応用ミクロ経済学」,その中でも特に(1)労働経済学(2)ミクロ発展途上国経済学(3)「新」応用ミクロ経済学,を取り上げます。労働経済学は,労働の需要と供給の分析から始まり,賃金格差,教育,家族などの問題を扱う分野です。ミクロ発展途上国経済学は,発展途上国の人々の貧困や教育等の相互関係を,ミクロ的な視点で分析します。「新」応用ミクロ経済学は,これまで経済学が余り取り上げてこなかったような,社会,家族,個人が複雑に絡み合う問題(結婚,犯罪,医療,政治,宗教等)を経済学的に考えます。金融・産業組織・貿易理論なども応用ミクロ的なアプローチが重要ですが,この研究会では特に取り上げません。
 このような3分野を扱いつつ,本研究会で共有したいのは目標とアプローチです。
 本研究会での目標は,現実の新しい経済社会問題と向き合わなければならない時に必要な,自分の頭で思考・分析する技術を獲得することです。ですから,卒論では,問題発見から始まり,モデル分析・実証とオリジナルであることを重視します。評価は,「問題自体の重要さ」,「切り口の新しさ」,「理論的分析の有効性」,及び(又は)「実証分析の説得力」の観点により行います。これまで「経済分析」があまり行われていない領域を積極的に発掘したい人,日頃議論されていることを冷静な目で分析したいと考えている人を歓迎します。
 アプローチとしては,個人の最適化行動と均衡概念に基づく分析方法がどこまで有効か,その可能性を追求するという「応用ミクロ的」視点を重視します。実際,本研究会で扱う3分野は,そのような方法論を共有することで,互いに影響を与え合いながら発達してきました。そのためには,ミクロ経済学と回帰分析の基礎の理解が前提です。
 3年生には,基本的な文献やこれらの分野が進んでいる米国での研究成果を読んでもらうと同時に,資料の発掘等を通じて個々のテーマの絞り込みを指導します。4年生は,卒論研究を行うとともに3年生を含めた研究会の議論をリードする役目を期待されます。

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