研究会

助教授 延近 充

 第2次大戦後の世界を特徴づけた冷戦は,ソ連・東欧圏の「社会主義」の崩壊という形で終焉を迎えたが,他方,資本主義諸国もさまざまな困難な問題に直面している。経済的な相互依存が深まり,一国の経済政策が他国に与える影響が大きくなって,現在の経済停滞・失業問題や地球環境の問題などの解決のために各国間の協力の必要性が強まる一方,国内的にも国際的にも政策手段は手詰りとなり,各国間の経済摩擦が深刻化するなど,活路を見出せない状態が続いている。こうした現代資本主義が直面している問題の根源を明らかにするためには,理論的検討と現状分析を世界史的視野から行なう必要がある。その際には,第2次大戦後,冷戦・社会主義世界体制との対抗のもとで,アメリカの主導によって構築された資本主義の復興・成長の国際政治・経済の枠組みとその崩壊のメカニズムの分析が不可欠である。
 本研究会の基本テーマは,このような問題意識から現代資本主義の直面している諸問題を分析することにある。本年度の共通テーマとしては,戦後の日本の経済復興・成長とそこに内在する問題点について,日米関係を基軸として考えていく。研究会員個々の研究テーマとしては,原発や環境問題を含め,広く現代経済の抱える問題に関心をもって選択し研究してもらいたいと思っている。

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