研究会(3年)

教授 中川 清

 この研究会では,近代の生活変動と現代の生活問題を社会経済的な側面から取り扱う。これまで日本の生活は,近代化の遅れや矛盾として捉えられがちであったが,今日の研究では,むしろ近代の生活規範を過剰に内面化してきたのではないか(例えば教育への資源の過剰配分),この過剰な内面化の結果として現在の生活課題が引き起こされているのではないか(少子化や高齢化といわれる「問題」),と考えられている。このような視点をも踏まえながら,3年の秋学期には各自の研究テーマを設定し,学年末には卒論の準備リポートを作成する。われわれの生活の在り方について強い関心を持ち,その関心に経済学を軸とした社会科学の言葉で形を与える努力を惜しまない諸君の参加を希望する。
 なお,今年度の共通テーマは「消費概念の再検討」(仮題)として,以下の順序で検討を重ねる予定であるが,具体的な運営は参加者と相談して決定したい。
・堤清二『消費社会批判』岩波書店,1996年
・J.ボードリヤール『消費社会の神話と構造』紀伊国屋書店,1995年[普及版]
・I.イリイチ『シャドウ・ワーク−−生活のあり方を問う』岩波書店,1990年
・できれば,G.バタイユ『呪われた部分(著作集第6巻)』二見書房,1973年
・(夏期合宿)N.クセノス『稀少性と欲望の近代』新曜社,1995年

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