経済学史I 95〜

経済学史 91・92 93・94

教授 飯田 裕康

「Political Economyの成立と発展」

 経済学は今日Economicsと表されるが,その歴史をたどると長い間Political Economyと表示されていた。この表示も18世紀後半に定着したものであって,それまでは英国においては「政治体」body politicsに関する学問だと考えられていた。いずれにせよ政治的な事柄すなわち統治に関することがらが,この学問の内容の中心部分をなしたのである。それを人間の学として転回させたところにアダム・スミスをはじめ古典経済学の偉大さがあったのである。しかし,Political Economyはこのような経緯を反映して2面的な内容を以て発展してきたといってよい。この講義では,経済学Political Economyの発展のこのような側面に力点を置いて,経済学史を考えてみたい。21世紀を目前にした今日,われわれの経済社会は未曾有の困難に直面している。この状況を乗り越えるために経済学に求められていることは何か、経済学に期待されていることは何か。このようなことを考えるためにも,現代を歴史的に相対化することは重要であろう。この講義がそうした考えを共有する諸君の思考を支援できるものとなるならば幸いである。

内容:

春学期 (1)経済学史の方法 (2)Political Economy成立の歴史的諸前提 (3)重商主義時代の思想と学説 (4)経済科学の萌芽 (5)Political Economyの成立−−カンティロンからスミスへ−−
秋学期 (1)古典経済学への視座 (2)資本主義の展開と経済政策への志向 (3)マルサスとリカードゥ (4)経済思想の分化 (5)経済科学をめぐる利害と経済学の制度化
詳しい講義の予定と参照文献については開講時に配布する。

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