ドイツ経済学史

助教授 池田幸弘

 18世紀後半から現代までの,ドイツ語圏における経済学の歴史について講義する。ドイツにおける経済学の歴史は,イギリスの経済学の消化の歴史であるとともに,その批判の歴史でもあった。本講義では,先行するイギリスの経済学の議論を踏まえつつ,後進国であったドイツの経済学の本質を明らかにすることが,意図されている。アダム・スミスの「諸国民の富」のドイツ語圏への導入からはじまる本講義の主要な関心事は,イギリス古典派にたいするアンティテーゼであるドイツ歴史学派の台頭と,そこにあらわれたイギリス古典学派とドイツ経済学との対抗関係である。オーストラリア学派の始祖であるメンガーや,歴史学派の門弟として出発したウェーバーも,こうした角度から問題にされる。講義の展開の順序は以下のとおりであり,とくに経済学史や社会思想史に興味を持つ学生の聴講が期待されている。
1.スミス経済学のドイツへの導入
2.ドイツ歴史学派の先駆者としてのリスト
3.初期歴史学派の台頭
4.マルクスの経済学と経済学批判
5.メンガーの経済学と方法論争
6.ウェーバーとドイツ歴史学派
7.ハイエクの反合理主義

[参考文献]

・トマス・リハ著『ドイツ政治経済学』原田哲史・田村信一・内田博訳,ミネルバァ書房,1992年。

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