三田祭論文:スリランカ茶産業へのスマート農業技術導入の提言
三田祭論文

慶應義塾大学経済学部
大平 哲研究会
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スリランカ茶産業へのスマート農業技術導入の提言

齋藤 拓海、垂井 賢登、貫 凌輔

農業は、今まさに大きな変化を遂げている。2023年の日本では、農業従事者の減少が問題視されている。山下(2016)によると、農業生産額が減少する日本では、農業従事者の減少と高齢化が大きな問題であり、若者や女性といった、新たな農業従事者の獲得のために、誰もが簡単に農業に取り組める工夫の必要性が高まっている。

工夫の一環として、アメリカやオランダなどの先進国では農業のスマート化が進行している。スマート農業は、機械化、データの可視化により、重労働の軽減と、必要な作業が一目でわかる簡易さを実現できる。しかし、農林水産省(2022)によると、機械の購入に1,000万円以上かかるものがあり、個人農家が導入することのハードルは高い。そのため、先進国の大農家を中心に農業のスマート化が進行している。とくに、機械導入の恩恵を最大限に受けることができる広大な農地を持つ国での発展がほとんどである。したがって、途上国での農業のスマート化は、ほとんど進展していない。しかし、途上国も農業生産は盛んであり、スマート化の需要はきわめて高い。農業が国の重要な産業となっている途上国の1つに、スリランカがある。セイロンティーが輸出の根幹を担うスリランカでは、かつて整備されたプランテーションのもと、茶の生産をおこなっている。Jayathilake, Jayaweera and Weidyasekera(2010)は、スリランカの農業にICTを導入することの必要性を述べており、とくに茶産業においてその需要が高いことを指摘している。また、国際協力機構(2019)によると、スリランカ茶生産は小規模農家によるものが多く、そのような農家は南部に集中している傾向がある。そのため、セイロンティーの生産性向上のためには国内南部地域の茶産業にスマート技術の導入が必要となるが、現時点で南部の茶産業のスマート化に着目した論文はまだない。

本稿では、スリランカ南部で抱える農業面の課題に対する、スマート農業導入の効果について分析する。1節ではスリランカの農業の概要とスリランカ南部地域が抱える課題を列挙する。2節ではスマート農業の導入による効果と、その恩恵をより受けるための政府や自治体がすべきことについて述べる。3節ではスリランカの茶農家が受ける恩恵について、4節ではスリランカのプランテーション省が今後していくべき取り組みについて考察する。そのうえで、スリランカの南部のスモールセクターの茶農家にはスマート化が必要であり、これにより生産性の効率が向上し、所得が改善することを結論付ける。

論文のフロー図

目次
はじめに
1 スリランカ農業の現状
 1-1 スリランカの農業の概要
 1-2 スリランカ南部の茶産業の課題
2 スマート農業導入による生産性向上
 2-1 スマート農業について
 2-2 茶産業でのスマート化による効果
 2-3 スマート農業の導入における政府や自治体のサポートの必要性
3 スリランカ南部でのスマート農業の応用
4 スリランカ南部での営農サポートの応用
 4-1 プランテーション産業省の取り組みと課題
 4-2 スリランカの茶産業支援の今後
おわりに
参考文献

参考文献
ウェブサイト内の資料については、記載されているURLでのリンクを2023年3月6日時点で確認しました。その後、URL が変更されている可能性があります。

三田祭論文作成にあたり、ご協力いただいた稲石果音さん、北村杏美さん、黒川恭子さん、島村将輝さん、長峯凌さんありがとうございました。

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