三田祭論文
三田祭論文

慶應義塾大学経済学部
大平 哲研究会
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モンテディオ山形の新スタジアム建設に関する提言

安達三奈美・日當貴雄・三宅聡一朗・八木岳人

日本プロサッカーリーグ(以下、Jリーグ)に所属するモンテディオ山形は、チームの力強い躍動を通して、山形県に夢と楽しみを提供することを理念とし活動をおこなっている。同クラブは山形県天童市にあるNDソフトスタジアム山形をホームスタジアムとしているが、Jリーグが大会の価値向上を目指して2012年に施行したクラブライセンス制度を契機に、新たなホームスタジアム建設に関する議論が盛んになった。

NDソフトスタジアム山形はクラブライセンス制度において、屋根のカバー率を満たしておらず、将来的にライセンスを交付されない可能性がある。そのほかにも、陸上競技場をサッカーの試合で使用しているため、観客席からピッチの距離が遠く臨場感が損なわれ、観戦者の満足度が低下してしまうことや、公共交通機関でのアクセスの悪さといった問題があり、新たなスタジアムを望む声は高まっている。

スポーツ庁(2016)が、スタジアムは飲食、観光、宿泊等を巻き込んで地域活性化に寄与することを指摘しているように、新スタジアム建設が地域活性化の起爆剤となることへの期待がサポーターだけでなく山形県民の間でも高まっている。幅広い層からモンテディオ山形に愛着を持ってもらうことで、山形県自体への愛着や地元への誇りを感じてもらい、人口の流出に歯止めをかけることも地域に密着したスポーツチームに必要な要素である。 以上を背景として、2017年に新スタジアム推進事業株式会社が設立され、2019年の建設地決定と2025年の新スタジアム運用開始を目指している。

スタジアムを活用した地域活性化に向けた取り組みとしては、宮川、小泉、後藤(2015)のまちなかスタジアムを例とした研究がある。モンテディオ山形のスタジアム建設について、新スタジアム構想検討委員会(2015)のような地域活性化の起爆剤となるスタジアムに関しての構想や、スタジアムを中心としたまちづくりに関するアビームコンサルティング(2017)のような報告書がある。具体的なスタジアムの構造や方向性については議論がすすんでいるが、サッカーファンだけでなく、より多くの県民を呼び込むための議論や研究はない。

本稿では、先行研究の分析をもとに、株式会社モンテディオ山形は、自動車を利用しなくても来場しやすく、サッカーに興味のない人も楽しむことができる工夫をした15,000人規模の球技専用スタジアムを桜町に建設すべきであることを示す。1節では、山形県やモンテディオ山形の現状について説明する。2節では、サッカーや野球におけるスタジアムづくりの事例をもとに分析をおこなう。3節では、ベガルタ仙台の事例をモンテディオ山形の現状に照らし合わせて建設地について分析をおこなう。4節では、Jリーグにおける前例やモンテディオ山形の過去の観客動員数をもとに収容人数について分析をおこなう。5節では分析結果をふまえて、モンテディオ山形が目指すべき新スタジアムについて提言する。

論文のフロー図

目次
はじめに
1 基本情報
 1-1 山形県の概要
 1-2 モンテディオ山形について
2 スタジアムづくり
 2-1 スタジアムづくりの例
 2-2 スタジアムづくりの分析
3 建設地
 3-1 建設地の例
 3-2 建設地の分析
4 収容人数の分析
5 提言
おわりに
参考文献

参考文献
ウェブサイト内の資料については、記載されているURLでのリンクを2018年11月20日時点で確認しました。その後、URL が変更されている可能性があります。

三田祭論文作成にあたり、ご協力いただいた内山航太朗さん、松浦諒人さんありがとうございました。

実際に山形まで観戦へ 山形のあとには宮城県の松島にも足を運びました
山形に向かう途中で寄った仙台で牛タンを堪能 モンテディオ山形の選手と試合前にハイタッチ
楽天の試合も観戦 メンバーの実家で新鮮な野菜や果物を頂く
山形で市議会議員を務める方にお話を伺った 山形の美味しい蕎麦を頂きご満悦の表情

論文全文(ゼミ関係者のみダウンロード可)

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