三田祭論文
三田祭論文

慶應義塾大学経済学部
大平 哲研究会
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日本のフェアトレードの未来

河合柚香・前田竜太・松本恭平・村松和俊

商品を購入する際に、「この商品はだれがつくったのだろう」「この商品はなぜ安いのだろう」などと考える消費者はどれだけいるだろうか。生産者のことにまで気を配る消費者は少ないのではないか。途上国の生産者は、生産した商品を安い値段で取引させられ、正当な支払いを受けていない。このような問題意識からうまれたのがフェアトレードである。フェアトレードとは主に途上国で生産される商品を適正な価格で買い取り、先進国の市場で販売することで、生産者の貧困状況を改善していくことを目的とした活動である。

今までのフェアトレードに関する研究は長坂(2008)、渡辺(2010)のようにフェアトレード団体の理念や理想を語るもの、事例を断片的に語るもの、フェアトレードに従事している人がフェアトレードの素晴らしさや可能性について紹介しているものが多い。フェアトレードを客観的視点や消費者視点から分析するものは少ない。これはWitkowski(2005)が指 摘するようにフェアトレードはマーケティングの要素を含んでいるにもかかわらず、消費者の満足よりも生産者のことを最優先して活動をおこなっているからである。

長坂(2008)、FLO(2010)によると日本はフェアトレードの普及が遅れている。日本のフェアトレードの認知度は海外に比べて非常に低く、内閣府(2008)の調査では日本のフェアトレードの認知度は15%ほどである。近年は、西友やイオン、無印良品といった大企業がフェアトレード市場に参入し、フェアトレードという言葉を耳にする機会が増えてきてはいるものの、市場規模の拡大を実感するまでには至っていない。

フェアトレードと似た活動に有機農業がある。有機農業は消費者の倫理性に訴えかける活動である点がフェアトレードと共通している。日本有機農業研究会(2009)によると95%の国民が有機農業を認知している。本稿では有機農業を成功例としてとりあげ、フェアトレードを消費者に意識を向けて分析する。そのうえで認知度を上げることによりフェアトレードが普及するという結論を導出する。認知度を上げる有効な手段としてはフェアトレード団体間の連携、フェアトレード団体と流通業者との連携をあげる。

以上の結論を導くために、1節ではフェアトレードの概容および認証型フェアトレードのしくみを説明する。2節では日本のフェアトレードの歴史、市場規模、フェアトレードに対する消費者意識の現状について整理する。3節では有機農業とフェアトレードの比較から消費者のメリットを積極的にアピールすることが重要であることを述べる。最後に4節で認知度を上げる手段としてフェアトレード団体間の連携、フェアトレード団体と流通業者との連携が有効であることを示す。
論文のフロー図

目次
はじめに
1 フェアトレード
 1-1 フェアトレードとは
 1-2 認証型フェアトレード
2 日本のフェアトレード
 2-1 日本のフェアトレードの歴史
 2-2 日本のフェアトレードの市場規模
 2-3 日本の消費者の現状
3 有機農業とフェアトレード 
 3-1有機農業の基礎情報と歴史
 3-2 有機農業と消費者
 3-3 消費者メリットのアピール
4 認知度向上
 4-1 認知度向上のための連携
 4-1 フェアトレード団体間の連携
 4-2 フェアトレード団体と流通業者との連携
おわりに
参考文献

参考文献

ふろむあーす訪問 ふろむあーすの店内
アサンテ・サーナ訪問 香がよいんです
有機農業体験1 有機農業体験2

論文全文(ゼミ関係者のみダウンロード可)

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