三田祭論文
三田祭論文

慶應義塾大学経済学部
大平 哲研究会
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パブリックビューイングによる商店街活性化 -平塚駅前商店街を例に -

伊藤邦彦・古賀恵一郎・後藤真弓・藤田崇広

2010年ワールドカップが初めてアフリカで行われ、世界中がワールドカップに釘づけになった。日本でのサッカー人気も現在では日本代表を国で一丸となって応援するほどである。サッカーの人気が日本国内で広がり始めたのはJリーグが1991年に発足してからである。短い歴史でサッカー人気の高まりを支えたのはJリーグ発足時からの地域密着の理念である。その理念は百年構想である。百年構想とは「Jリーグ百年構想~スポーツで、もっと、幸せな国へ。~」というスローガンをもとにしたものであり、これを根拠にJリーグのクラブは地域への活動に努める。

Jリーグのクラブと地域との関係に関して山田(2009)は、浦和レッズとさいたま市浦和地域との関わりをまとめている。浦和レッズは、地域貢献活動やスポーツクラブの整備をし、さいたま市浦和地域では協議会やスポーツ企画課の設置をしている。そしてサポーターは商店街でレッズの応援旗の作成、イベントの開催などの活動を行っている。それぞれの活動によって浦和地域のサッカーのまちづくりは進んでいる。

経済産業省関東経済産業局(2009)はスポーツチームによる地域への効果をまとめている。その効果に地域コミュニティ醸成効果・集客交流効果などがある。

Jリーグに所属する湘南ベルマーレはホームタウンの1つである平塚市と連携し様々なイベントを企画し地域活性化を目指している。平塚駅前商店街でのパブリックビューイング(以下PV)もその1つである。PVとは離れた場所の試合を集団でテレビ観戦することである。PVに関する研究に久繁(2007)がある。ホームゲーム以外でも中心市街地や商店街でのPVで、スタジアムへ行けないサポーターが集まりホームゲーム同様の集客効果が期待できると述べている。他にも長澤(2002)の「意識の共有」という心理的効果や、吉田(2007)で歴史的背景は研究されている。しかし地域への活性化とからめた研究はない。本稿では商店街でPVを行っている平塚市を対象として、PVによる地域活性化を取り上げる。その上でPVを中心商店街の活性化に活かすためにはオープン型にすることが望ましいという結論を導出する。

この結論を導くために1節では、平塚の現状と課題を整理し、地域活性化策を行っていることを示す。2節ではサッカークラブによる地域への効果を湘南ベルマーレ地域ブランドの確立、地域コミュニティの醸成、集客交流効果の3つに整理する。3節ではPVをオープン型とクローズド型に区分し、それぞれの特徴を述べ、PVの高い集客効果を活かした商店街の活性化策には平塚のPVのようにオープン型の開催形態が望ましいとする。
目次
はじめに
1 平塚駅前商店街
2 平塚と湘南ベルマーレ
3 パブリックビューイング
4 中心市街地の衰退と活性化
参考文献

参考文献

湘南ベルマーレへの聞き取り調査 商店主への聞き取り調査
パブリックビューイング@国立競技場 平塚まちかどパブリックビューイング
商店街とフラッグ 平塚商店街のカーネルサンダース

論文全文(ゼミ関係者のみダウンロード可)

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