2007年度
日本とタイの地域活性化 --- 産業村で活きる道の駅のノウハウ
石川淳一、岸和田宏一、佐藤春香、堂本毅、成田昌浩、船倉真由
日本とタイの農山村の地域活性化には同じ手法が用いられている。地域の核となる施設を形成しそこを拠点とした住民主体の地域活性化である。その施設とは道の駅である。
道の駅とは一般道にあるサービスエリアのうち国土交通省が認定したもののことである。モータリゼーションがすすむなか、一般道にも休憩できる施設を整備する必要が生じ、国土交通省が駐車場、トイレ、案内所が備わった施設を道の駅として登録した。1994年に最初の道の駅が誕生し、2007月8月現在868の道の駅がある。道の駅は建物の形から機能まで多種多様である。レストランの経営をしているところもあれば、体験教室を開催している道の駅もある。そのなかには道の駅を地域の核として地域活性化につなげているところがある。
タイの産業村とは織物や竹編み製品など品質の高い手工芸品を生産する村のことである。タイの工業省産業振興局(DIP:Department of Industrial Promotion, Ministry of Industry)は国際協力銀行(JBIC:Japan Bank for International Cooperation)の資金援助を受け、産業村にトイレ、駐車場、レストランが整備され手工芸品の販売を行うコミュニティーセンターを作った。このコミュニティーセンターは日本の道の駅と同様に地域活性化の拠点である。この建物を村の振興の拠点として建て始め、村民は運営の仕方やどのように村の振興につなげていけばよいかについて試行錯誤していた。そのような時、道の駅との類似性が指摘され、道の駅の経験やノウハウが産業村に紹介され活かされていった。
まちづくりや開発プロジェクトにおける地域住民の参加が重要視されている。その地域のことをよく知っている地域住民が参加することにより、プロジェクトはより大きな成果を生む。また、住民のプロジェクトへの参加は住民の社会的な能力の向上にもつながる。道の駅やコミュニティーセンターの運営においても住民の参加は重要であり促進された。
以下、1ではまず参加型開発とは何かを説明する。そして道の駅やコミュニティーセンターにおける住民参加の必要性や、日本の道の駅の経験が産業村にどのように活かされたかを述べていく。2では愛媛県内子町と千葉県富浦町の道の駅の事例を紹介し、日本の道の駅の経験をまとめる。3ではタイの6つの産業村の事例を紹介し、日本の道の駅の経験がタイの道の駅にどのように生かされたかを述べる。そして、おわりにでは全体を総括し、今後の展望について言及する。
はじめに
1 住民参加による地域開発
1-1 参加型開発とは
1-2 道の駅
1-3 世界銀行の見る道の駅
1-4 産業村
2 道の駅の事例紹介
2-1 内子
2-2 富浦
3 タイの産業村の事例紹介
おわりに
参考文献
参考資料
2007年9月の現地調査のようす (Huey Krieb村)
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産業村でのヒアリング
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ヒアリング後に記念撮影
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村長さん宅でごちそうになる
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村の位置
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道の駅とみうらでの調査
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枇杷倶楽部の方と
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三田祭当日のようす |
三田祭論文全文(ゼミ関係者のみダウンロード可))
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