第1回 公共経済学とは何か
追加情報

ここでは、各回での内容に関連して付け加える情報をお伝えします。

家計の需要曲線

 『経済セミナー』2001年4月号74ページの図1を用いて、需要曲線を導きたい。いま、名目所得wと第2財の価格p2が不変であるとする。そこで第1財の価格p1が変化したときに効用を最大化する第1財消費量x1がどう変化するかをみよう。下にある図A1−1の上図には、第1財の価格がp1'、p1"、p1'"と変化したとき、効用最大化点がE'、E"、E'"と変化し、第1財消費量がx1'、x1"、x1'"と変化することが表されている。これを、価格と消費量だけのグラフに写し取ったのが、図A1−1の下図である。図A1−1の下図のように、通常、効用最大化する財の消費量は、価格が低下するにつれて増加する。この関係を表したものが、需要曲線である。ここで、注意したいことは、需要曲線は家計の効用最大化行動から導かれたものであることと、他の財の価格や所得を不変にして導かれたことである。
 需要曲線は、連載第3回などで用いる予定である。
図A1−1

企業の供給曲線

 利潤最大化条件を用いて、供給曲線を導きたい。利潤最大化条件からp=MCであるから、価格受容者である企業にとっては、市場において価格がpであるときには限界費用が価格に等しくなる生産量だけ生産すると利潤が最大になるといえる。だから、生産量と限界費用の大きさの関係を示す限界費用曲線がそのまま、企業の供給曲線となる。供給曲線は、企業の利潤最大化行動から導かれる点に、注意されたい。
 供給曲線は、連載第3回などで用いる予定である。


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